第4 なった話
「レビュアー」
神官から告げられた職業は聞いた事の無い響きの単語だった。
会場にいる者達、皆が口を紡いだ。
誰も聞いた事の無い職業。
口を紡いだ代わりに会場にいる者の目は全てリオに集まった。
ごくりと自然と口内に溜まった唾をリオは飲み込む
あまりの緊張に少年は震え、膝から崩れ落ちそうになった。
人々の視線が全てリオに集中するのが嫌でも分かる。
その緊張感は10歳の少年が感じるには些か重過ぎる重圧だった。
女神の像の淡い光はとうに収まっており、我を取り戻した神官は少年を台座から降りる様に促す。
儀式は粛々と続けられるが、未だ多くの人間の視線はリオに向けられたままだった。
リオはカラカラになった唇をバリッと上下に分けると、言葉を唱えた。
「ステータス」
あの日、10歳の少年の心は打ち砕かれた。
10歳の少年でも、心が壊れるには充分過ぎる程の絶望感があの時、強いストレスとなって少年の心を蝕んだ。
しかも、心を寄せていた、初恋の相手が宣告された職業は「剣聖」。
その事実もまた追い討ちとなって少年の精神を壊す要因となった。
入れ替わったとでもいうのだろうか?
俺の意識もあの時、リオ・セブリオンとして目覚めた。
10歳の少年に中年男の精神が宿る。
まるで漫画やアニメの様なシュチュエーション。
その非現実が、俺の現実になった瞬間だった。
少年の記憶も俺に流れ込んでくる、幼い少年の記憶は長く憂鬱だった俺の人生に比べれば短かかったが、英雄に強く憧れる気持ち、そして、何より、目の前にいる両親からそそがれる本物の愛情に胸が熱くなり涙が流れた。
俺も人生の始まりの十数年位はこんな満ち足りた気持ちでいたんだろうか?
俺は何の間違いであんな冴えない人生を送ってきたんだろうか?
・・・・・嫌。
他人任せも甚だしい、あの人生も俺が歩んできた結果なのだ、何もかも全て俺が引き寄せた結果だ、動かなかったのも、動けなかったのも全て・・・。
俺のせいだ。
その場に立ち尽くし、声をあげ泣きじゃくる俺を見て母親はその場に膝をつき俺を優しく、強く抱きしめた。
父親も俺の頭を優しく撫でてくれる。
俺の気持ちなのか、この少年の気持ちなのか?
判断は出来ない、だが、心がポカっと暖かくなる。
「俺、英雄にはなれないみたいだ。」
俺がそう言うと二人は振り返りこちらを見ていた人達に向けて頭を下げる。
大人達はそれぞれの反応をひとしきり済ますと興味が無くなったのか、再び段上へと視線を戻す。
その行動に俺は少し違和感と嫌悪感を覚えるが、俺もその立場になったらそうなるのかもなと考えると仕方のない事なのかと納得する。
人生の一大イベントなのだ、見物人である大人達にも気合いが入るってもんだろう。
ましてや、今回は剣聖の出現、この町にとっては奇跡のような出来事があったのだ、そうなるのも無理はない。
「さあ、帰りましょう。」
母親がそう言うと、父親も
「ああ、そうだね。」
と返事をして俺の手を握り歩き出した。
父親の手は暖かく硬かった。
母親も俺の反対の手を握る。
母親の手も同様に暖かだった、この年齢にしてはカサカサだったが父親の手とは違い柔らかだった。
何の因果だろうか?
俺はこの日からリオになった。
俺はこの日、




