~ 棺の中の女性 ~
他の作品も載せますので、合わせて誤字脱字等ありましたら
アドバイスして頂けると助かります♪(結構ありそう…)
お手数おかけしますが、評価も合わせてよろしくお願いしますm(_ _)m
“チリン、チリン”
鈴の音が鳴り響く。
深淵に満たされた水面で横たわり、暗闇の中を瞳を閉じて眠り続ける。
音は次第に波紋となり、水面を揺らし続け眠りを妨げる。
幾つの時が経ったのか、この暗闇の中ではわからない。
何十年、何百年と時が過ぎているのかもしれない。
それ程の時が流れながら、初めての変化。
初めての瞳を開ける。
目の前には、淡く透き通る手が浮いており、差し出されていると感じる。
差し出された手を握りしめると、強い力で引き上げられ、暗闇の世界に色が灯る。
深い水の底から引き上げられたかの様に、息苦しく、必死に呼吸をしながら肺に取り込む。
息を荒げていると、乱暴に顎を掴まれ、左右に顔を動かされる。
次第に落ち着いてくると、端正な顔立ちをした男性が私の顔を品定めするかの様に観察し、険しい顔に変わっていく。
顔から手を離すと、深いため息と共に頭を抱えていた。
「私が求めていたのは、赤い瞳をしている。白く雪化粧の様な肌と絹糸の様な白い髪。どれもこの者は持ち合わせていない。これは誰だ」
私に指を差し、呆れた表情で暗闇に問いかけている。
コツ、コツと木の靴が床を叩く音が聞こえ、暗闇から人が現れる。
「陛下も見られた様に、あの棺桶の中の姿は呼び出すまで見ることは出来ません」
「本当にあの棺桶から呼び出したんだろうな」
「さようでございます。ずっとそばに居られ、確認されていたと記憶しています」
「そうだが」
「それと、その棺桶をお持ちになったのは陛下でございます。事前にお伝えした通り、目的の人物かどうかについては、私は関与致しません」
「くそっ。そこの女、名は何と申す」
「名でございますか?」
「そうだ」
「それが、思い出せません」
長らく深淵に沈んでいた為、朧げな記憶しか思い出せない。
「たく、本当に儀式は成功したんだろうな」
「儀式に問題はありません。彼女は長い間、あの中に居たので記憶が欠けてしまったのでしょう。時期に思い出すかと」
「どうだか。あとは好きにしろ」
「拒否いたします。事前にお伝えした通り、私は儀式を行うのみ。その後の処理は関与しないと」
「どこの誰とも知れぬ女を連れて王宮に戻れと言うのか」
「さようでございます」
「はぁ~、どうしてこうなった」
「事前調査が甘かった結果でしょう」
「あのぉ、私はどうしたら」
「陛下の元に付いていってください。ここに居られても困ります。陛下の事ですから、もし母君だった場合の対処は考えておいででしょう?」
「だが」
「陛下。これ以上駄々をこねていると、金輪際協力は致しません」
「私にそんな口を」
「ここは独立した場所。この宮中で唯一権力が及ばない場所でございます。不満でしたら、呪いを掛けて差し上げても?」
「チッ、ついてまいれ」
状況がわからないまま、後をついていくと部屋に通されます。
豪華な装飾が施された部屋の周りには何十人もの護衛が警備に辺り、陛下と呼ばれる人物を守っている。
「今夜はそこで眠るがいい。明日、そなたが住む場所を案内する」
そういって、床に横になり眠りだす。
仕方ないので、布団に横になり休む事にしました。
これから、どうなっていくのでしょうか……