18.体育祭、陰と陽の分水嶺1
「――というわけでっ。せっかく全校生徒が一堂に会するんだから周知のチャンスよ!」
「いや、羞恥のピンチの間違いだろ……」
体育祭を数日後に控え、雰囲気が少し浮ついたように感じる別校舎。
恋愛同好会の部室にいた俺は、毎度の如く春乃先輩の発言に呆れていた。
「なんで俺だけ変に目立たなきゃいけないんですか」
「リスク管理よ、リスク管理。痛いカップルにならない絶妙な距離感が大事なんだから」
「……要するに最悪、俺だけが恥かいて損をかぶれ、と」
「は? 当たり前でしょ。あたし、女なんですけど?」
「こ、こいつ……」
「ゆくゆくは社会的に甘やかされてすくすくワガママに育つ予定なんですけど?」
すでに完全体だろ、というツッコミをため息に込めてもう話を先へと進める。
「意図くらいわかりますよ。けど、たとえば?」
「まぁ、あれよ。ほら、リレーの後にタオルか飲み物を渡しに来るとか」
「んー。なんかやっぱ、俺よりも先輩がやった方が絵的に良い気が……」
「バッカねぇ、後輩がやるから健気で可愛く周りの目に映るんでしょうが。考えてごらんなさい、校内のほとんどが二年と三年でしょ。つまり〝自分より歳下が多い〟ってわけ。どっちのパターンが羨ましいと思われるかなんて、そんなの悩む必要ないじゃない」
た、確かに。言われてみればその理屈は一理あるかもしれない。
歳上からモテる男・女より、歳下からモテる男・女の方が恋愛マウントで強そうだ。
その時、ちょうど教室のドアが開く。やって来たのは当然、冬毬会長だった。
「揃っているな、二人とも」
「はーい、揃ってまーす」
「まーす!」
うむ、と。頷いて席に着いた会長は早速、前置きなしで話を始める。
「以前から保留だった体育祭当日の割り振りについてだが。春乃、君は放送部の手伝いを頼む。一部が時季外れのインフルエンザにかかり、人手が足りないことが確定した」
「はいはーい」
「それから真田。君は可能な限り私について回れ」
「あ、分かりまし……ん? それは、どういう……」
つい先輩の方を見ても「さぁ?」という感じで、顔に疑問符がついていた。
自治会の下に実行委員会も存在する以上、前日までならばともかく当日は選手の誘導や審判が主な仕事。人数的にも基本、俺の出番なんてどこにもないはずだからだ。
「撮影のためだ。体育祭の様子を収めるのを手伝いつつ、見回りをすることになる」
「ま、実行委員の連中だけでも運営は回せるし、見回りなら一番暇そうなコレ連れて歩くのは無難かもね。けど撮影は写真部が毎年やってるから別にいいんじゃない?」
「数が多いに越したことはなかろう」
正直、俺である必然性があまり強くない割り振りに思えた。スマホ禁止なわけでもないので先輩が言うように、良さげな写真は提供を求めればいいように感じられる。
「……ふーん、なんか珍しい~。そういうベクトルで強引なトマりん」
「む、そうか? ……いや、確かにそうかもしれない」
「とりあえず俺は一緒に行動すればいいんですよね、分かりました。それより先輩に放送なんて任せて本当にいいんです? 絶対なんかやらかしたり暴れたりますよ、こいつ」
「少し違う。春乃も一定水準以上の質だけは担保する。故にさほど心配していない」
確かに。いやでもだから余計にタチ悪いんだよなぁ。そして納得と解像度の高い友情に感心したのもつかの間、隙をつかれた俺は春乃先輩に気絶させられたのだった。
*
で、来たる体育祭当日。晴れ渡る空の下、各組応援団長による宣誓が行われ、開会式も無事に終了。お互いの健闘を祈り合った後、生徒たちが意気揚々と各地へ散っていく。
中には改めて円陣を組むクラスもあり、白組に属する我らがD組もその一つだった。
「よいか、聞け貴様ら。これまで私の精神安定のため言わずにいたが今回、選ばれた肉は飛騨牛食べ比べセット300グラム二人前。お値段なんと税込み8230円!」
「「「8230円っ!?」」」
「よって教師込みで72人前! 総額29万6280円ッ!!」
「「「29万6280円っ!?」」」
いや体育祭の勝負ごときで命削り過ぎだろ、このスフィンクス……。
「先生は……先生は、死ぬのが怖い! けど同じくらい、A組の佐々木先生の財布と顔と心が死んでいくところが見だいっ! 若さが憎い! ――皆はどうだっ!?」
「「「…………」」」
「皆はどうだぁっ!?」
「「み、見たいですっ」」
明らかに無理筋の流れだったが、数名が何とも言えない空気を呼んで同意する。
恐らくこの炎天下の中でも被り物をし続ける気合に、本気を見たのだろう(?)。
「フフ、そう来なくては。ではゆくぞ貴様ら! 他人の金で焼肉するために!」
「「「た、他人の金で焼肉するために!」」」
「D組ファイトぉおおっ」
「「「お、ぉおおおおお――――ッッッ!!」」」
こうしてクソみたいな円陣も終わり、最初の競技である80メートル走の参加者たちが移動を始める。俺も出番はまだだが、冬毬会長との約束があるので移動だ。
と、その時。ゲームのバグみたいな挙動をした前園さんに珍しく話しかけられた。
「さ、真田君! が、頑張ろうねっ。せ、席もと、隣だしぃっ?」
「ん、あぁ。まぁ、焼肉はともかくどうせやるなら勝ちたいよな……つか、あれ? 結局イメチェンしないのかと思ったけど、本当にちょっとだけ髪切った?」
「ふぇっ! あっ、は、はい! さ、さすがに邪魔かなって……ど、どどど、どっ!?」
「どうせなら思い切ってショートにすれば良かったのに」
「はぅあっ!」
前園さんが突然、胸を抑えて苦しみだす。なんかこういうリアクション好きなのかね。
「? というか俺、自治会の手伝いがあるから出番以外ほぼいないかも」
「そ、そうなんですか?」
「そうなんですよ。じゃ、そういうわけで」
「あっ……」
「あ。ま、前園さん隣同士よろしく! そ、それと髪切ったよね? い、いいと思う!」
「えっ、あ。は、はい。ありがとう、ございます…………はぁ」
「――――、――――ッ!」
なんか後ろからキラキラバシュゥゥゥンと脳が割れるような音が聞こえた気がしたが、たぶん勘違いだろう。俺はクラスの傍を離れ、本部へ向かった。
(しっかし先輩がいたから思考盗聴警戒してあの時は無視したけど、会長がいきなり俺を近くに置こうとしたの、絶対に疑似的な恋愛どうこうのせいだよなぁ……)
前提として会長の歪んだ価値観の中では〝愛のない行為〟ノットイコール浮気であり、あらゆる行為は職場体験のような感覚に過ぎないのは間違いない。
そして恋愛を教えるという謎過ぎる関係が成立した以上は、時間の共有を図ろうとしているのだろう。結果、春乃先輩から見ても珍しい強引さを生んだのだ。
キスをして以降。俺は一連のことについて何も触れなかった。だがその代わりに催促もなかった。さすがに都合よく忘れている、なんてことはあり得ないだろう。
即ち、ここから常識外れの現状を推察するに冬毬会長は――
「いやなに。少々、君の意図に気付くまで時間が掛かってしまったよ。こちらから連絡を入れられるか、私を試していたのだろう? 最初から手厳しいな、真田先生」
「そ、そうなんですよぉ! い、いやぁっ、このまま連絡なかったらどうしようかと!」
「おぉ、やはりか。普段はあまり時間を取れないからな。こういう時こそだろう」
(くっそぉお、やっぱ変な勘違いしてるじゃねぇかぁああ――――っ!)
パァン、と心中の悲鳴と同時に号砲が響き、80メートル走がスタートしていく。
すでに俺と会長は本部と生徒たちから離れており、遠巻きにグラウンドを見ていた。
「それに秘密が必要ならば、春乃以外の者にも悟られない方がよいのだろう?」
「え、あ、はい。それは……あっ、だから俺を見回りのお供に」
「うむ」
この場合、周りから想像できる関係性は〝会長〟と〝よく慕う一年生〟が恐らく妥当。
連れ歩く理由も会長の真面目さが手伝い、〝自治会に所属できなかったから〟と勝手な脳内補完が起きる可能性大! まさに合理的で一石二鳥な判断だろう。
しかもそれでいて全校生徒に対し、俺という存在の認知度と好感度を稼ぐきっかけにもなり得るという。結果的に目的へ近づけているから本当にウィンウィンだ!
(いや、とするとこの関係を駆け抜けるべきなのか? 幼馴染とは関係ない個人的なことだから先輩に話す義理もないはずだけど……会長に秘密と言った手前それはなぁ)
「それにしても春乃はいつも全力だ」
「えっ、あー。ですねぇ……」
会長がつぶやいた先では、奇声を上げて疾走する春乃先輩が一位を取っていた。
何事にも全力、というよりも単に信じられないほど負けず嫌いなんだろうが。
「真田はまず二人三脚だったか」
「あ、ですです」
当然のように把握されているらしい。まぁ、二つ後なので時間の余裕はある。
すると俺の返事がおざなりだったからだろうか。困ったように(?)会長が言った。
「――ふむ。それで、先生。今日は何を教えて頂けるのだろうか」
「!?」
そうだ、この状況はあくまで建前みたいなもの。隠すというルールを課していることになっている以上、見回りの前に訊ねてくることは会長としては必然的な行動だろう。
とにかく俺は教える側なのだが……ど、どうすればいい? 言葉で説明できるものなら現状に意味もないし、かと言って感情的なロジックを会長が咀嚼できるかは怪しい。
なら実践形式? けど悲しいかな俺に恋愛の知識がない! つまり今取れる最善は――
「てっ、手を繋ぐ! みたいなところから始めましょう!」
「む?」
「か、会長には言葉だと恐らく響かないと思うので、まずは形から入ることにしました。とにかく経験した後で〝何故理解できないのか〟は後から埋めるというわけです!」
完全に思いつきでしゃべっているが、果たしてこの判断で正しいのだろうか?
いや、そもそもこんな状況に陥っている時点でもう失敗判定なのだけども……。
「ふむ、なるほど。しかし今この場で隠れて手を繋ぐというのは難しいな」
「は、はい。なので今回、目指すべきは……他意のない自然なボディタッチ、ですっ!」
「ほう」
(ほうじゃないんですよ、この異世界人がぁああああっ!)
本来は変化を予測してから臨むべきなのだが、その時間はない。迷いを感じさせる教師など信用されるはずないから、今は後先考えず俺は俺を切り売りするしかないのだッ!
「というわけでレッスンその1っ、開始ですッ!」
その時。今も続く80メートル走において、ひと際に大きな黄色い歓声が上がった。
間違いなく渡会先輩への声援だろう。モブっぽい男子たちが絶望しているので確定的に明らかだ。好きな子が応援してるとこでも見ちゃったのかな? ドンマイ!
小夏もその中のひとりなんじゃね、とかそういうのは全てクズに授かりし無敵の理論で〝観測してないからセーフ〟なんだからねっ! なんだからねっ!?
「他意のない自然な……か。ふむ、私のすべきことは理解した」
(本当かよ)
「では、行こうか」
「え? あっ、あぁ! それもそうですね、行きましょうか!」
こうして俺はどうにか心を落ち着かせ、冬毬会長との見回りを始めるのだった。
*
「――ねぇ、信二くん。ホントにやるの? ま、前はそのほら! い、勢いで!」
「あの状態のタイム見て選ばれたんだし、負けたらたぶん日本史1だぞ」
「うぅ、バカにそれはとてつもなく重くのしかかるんだよ」
柚本は真に受けているが、本当に1が付いたらあの先生クビだろという正論は、反応が面白いからひとまず胸にしまっておこう。今は現状、つまり二人三脚の方が大事だ。
こうしている間にもまたひとつ、前のペアがはけているからな。
「一応、止められると面倒だし鳴ってからで」
「そ、それで勝てるかな? ヘーキかな?」
「余裕余裕。ま、止められたら普通に走りゃいいのよ」
俺の言葉に柚本が頷く。程なくしてついに俺たちの番がやってきた。
紐で繋がった足首と腰に回した右手に力が入り、同じように緊張が伝わってくる。
何となくそれをほぐそうと自分の方に身体を寄せてみれば、さらに硬直してしまった。
(やべっ。さすがに余計なことしたか?)
しかし号砲が鳴った直後。全ての心配は杞憂だったと判明した。
柚本はもうそれしか考えられない、という風に俺へ思いきりしがみついたのだ。
およそ二人三脚ではありえない事態が起きたその瞬間。グラウンド全体が騒めいたのを明確に肌で感じる。ママにはああ言ったものの、さすがに羞恥心はあった。
困ったことに以前は嫉妬で現実が見えていなかったのに対し、現在はわりと平常。
なので正直、柚本ママに抱きつかれる事実の方が恥ずかしいという有様である。
(いや、暑っいな! こ、これもう自分の体温かどうかも分っかんねぇ……)
俺は一刻も早く終わらせるべく爆速で駆け抜け、無事に一着でゴールを果たす。
聞こえてくる声は、財布を懸けた両先生の上げる恥知らずな奇声だけだった。
それからややあって「なにあれ」な空気を破ったのは、放送席のメガネくんで――
『す、すげぇ羨ま……じゃなくてっ、ルール的にはありなんでしょうか、あれ』
『んー。ナシ寄りのナシだけど、逆に難しいからアリでもいいんじゃない? 50キロの重りに体重かけられながら全力疾走なんて、誰にでもできるわけじゃないんだしさ』
80メートル走が終わった後。速攻で放送席に移動していた春乃先輩が笑う。
しかし表情こそ楽しそうだが、明らかにあれは内心キレてるやつだ。こ、怖いよぉ。
『それはまぁ、たしかに……少なくとも私にはとても出来ません』
『相手もいなそうだしねー』
『゛うッ!?』
『でもちなみにあれ一応、わたしの彼氏なんで後で蹴り飛ばしまーす』
続けてしれっと関係を宣伝する春乃先輩。確かに考えてみれば彼女持ちの行動としてはかなり軽率だったかもしれない。少なくとも俺の印象が偏る可能性は高いか。
すると先輩の不意討ちを聞いた生徒の中には、案の定な反応もあって――
「く、久住さんに彼氏がいる……だと?」
「あんなぶっ飛んだ子に惹かれるのは、おれくらいだと思ってたのにどうしてッ!?」
「は、春乃ちゃんはボクが先に好きになったんじゃないか。だ、駄目だよそれを横から。ねぇ、知らんひと……でもボクは信じてる、夢はいつか必ず叶えるってっっ!」
(うわぁ。見る目ないなー、あいつら全員。つか最後のヤツはもう壊れてるだろ……)
タチが悪いことに外面は良くて騙されるから完全に分からん殺しなんだけど。
まぁ、一般的に外見は中身を包んでいる輪郭という価値観でさもありなん。
「や、やったね信二くん! 一番だよ!」
「だな。ま、作戦勝ちってことで」
一息をつき、俺と柚本は改めてハイタッチをした。
「えへえへ」
気持ちいいくらいの笑顔である。にしても50キロの重り呼ばわりはいいのだろうか?
体重を気にするくせに女子って分かんねぇ、と。一位のペアが作る列に揃って並ぶ。
「けっ!」
「ハッ!」
(…………ん?)
周囲の視線が妙に冷たい気がした。嫉妬か? マザコンって意外といるんだなぁ……。
そうして今日、まず一つ目の務めを果たした俺は再び会長と合流。適度に応援や雑談を挟みつつ、自治会から支給されたカメラで体育祭の様子を写真に収めていった。
(しっかし、すごいな……これが生まれ持つカリスマってやつか?)
周防冬毬という人間といて一番に感じるのは、悖徳高校における存在の大きさだ。
二年生でありながら三年生が雑談を中断してまで話しかけにくる、なんてことが起きるのはちょっと異常だろう。自分があと一年で同じになれる未来はまるで見えない。
ここまでの差を目の当たりにすると、隣を歩くことが何だか申しわけなくなってしまうほどだ。これは勝手な想像だが、それ故に友達は少ないように思える。
きっとちゃんとした友人は春乃先輩と飾森姉くらいなんじゃないだろうか?
そんなことを考えていれば、女子の集団と話していた冬毬会長が不意に言った。
「――ところで真田。私から君にひとつ要望があるのだが」
「えっ、なんです急に」
「先ほどの二人三脚を見て思ったのだが、試しに抱きついてみてもよいか?」
「うへぇっ!?」
またなんか言い出したよこのひと! 周りもびっくりして目がまんまるになっている。
驚いているうちが花で、たぶんそのうちとんでもないレベルで怒り狂うやつだ!
「い、いやいやっ、よくないですよ! な、なにをそんないき――」
待て。これは本当にいきなりか? 会長を一般的な尺度で測っても無駄なのは、充分に理解したはずだろう! 考えろ考えろ。周防冬毬の、トマりんなりの整合性をっ!
(――――っ! ま、まさか……っ!?)
これあれだ! 絶対そうだっ! いや間違ってはないけど、間違ってるよ会長ッ!
つまりこの発言は――〝他意なく自然な流れで提案できるボディタッチ〟なんだっ!
ハッとして周りを見ると、穏やかな視線なのに「もちろん、やらないよね?」って圧がとんでもなく強かった。特に二年の女子。なんというか……暗黙の了解的な感じだ。
「?」
(きょとんとしやがってぇええっ!)
とにかくこの認識の相違はまずい! 会長は特定の誰かのものではなく、偶像とか象徴なんだ! いや疑似恋愛(?)の関係がバレたら好感度どころじゃねぇな、これ。
「そ、そういうのはもっと時と場所と相手を選んでするべきかと! あ、じゃあ今はあれです。女子同士でハグなんかがおススメかな~、なんて俺は思います、けど……」
「……ふむ?」
無表情のまま不思議そうに小首をかしげ、会長は女子たちの方を見る。
直後。その場にいた全員が一斉に待ちの体勢になったのは、普通にホラーだった。
まるで大量のクジャクがバッと羽根を広げたような仰々しさ(?)がある。
彼女たちの表情は完全に「きみ、真田信二郎だっけ? グッジョブ!」と言っていた。
で、そのまま会長のハグ待機列が生まれてしまい、さらにちょうど俺が次に出る予定の借りもの障害物競争に対するアナウンスもあって、その場を離れることに。
冬毬会長とも一瞬だけ目が合ったから、何も言わずともたぶん大丈夫だろう。
俺は一礼だけし、待機場所へと急いだ。ややあって三年生種目のタイヤ取りが終わり、実行委員たちの手によって次々に障害物などが設置されていく。そして――
「…………は?」
借りるものとして、俺は『幼馴染』と書かれたカードを引き当てることとなった。




