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プレイヤーズ  作者: 雨川水海


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アルティメット偶蹄類

 はい。そういうわけで準備パートの〆です。

 最後まで奮戦し、可能な限りの人がイデルまで逃げ込む時間、可能な限りの物をイデルに運び込む時間、貴重な時間を稼いだ。

 ぎりぎりまで稼いだ。

 シシ丸とヘキサが稼げって言うから稼いだ!


 結果、撤退の殿軍に噛みついてきた敵が、最高難易度になってやがんの。

 邪神の火が広がってどんどんやばい状況になっていく、というシナリオのコンセプト通り、ぎりぎりまで粘るほど自軍は強化されるけど、撤退が困難になる。

 そういう仕様は納得がいく。

 そこは理解できる。


「とはいえ、鹿の山羊ドクロがあのバジリスクよりタフいって納得がちょっとねー!?」


 殿に食いついて来ている敵が鹿の山羊ドクロなんだよ。

 鹿角と山羊角を兼ね備えたアルティメット偶蹄類なんだよ!


 邪神の火に飲まれる五秒前みたいな状況で、全力疾走する最後の馬車。

 生存者の最後の希望を、ずたずたに引き裂いてやるとするのは鹿と山羊の合体事故。

 確かに足は速いかもしれんけどさ、そこは狼じゃダメだったんか?


 この鹿の山羊ドクロ、タッタカ駆け寄って来てはブンブン角を振り回しよる。

 コミカルな攻撃だし、攻撃範囲が微妙だからやりやすい。やりやすいんだけど、殴り飛ばしても蹴り飛ばしても投げ飛ばしても、追跡速度が一時的に鈍るだけで敵は減らない。

 多分もう周り一面が敵だらけって表現の一種なんだろうね。

 無限だ、無限。


「先輩、大丈夫ですか!?」


 荷馬車の前の方、怪我人と指揮官がごちゃ混ぜになって乗っている方からお塩が応援してくれる。

 お塩も最後まで怪我人の回収と治療をするべく、この殿馬車に同乗したのだ。


「あれくらい問題ない。マウスにとって、あの程度の雑魚を相手に心配するなど、むしろ侮辱になる」


 俺の代わりに勝手に返事をしたのは、お塩の肩を抱いているヘキサだ。

 過密状態の馬車のおかげで、合法的にお塩と密着している。


「そうだろう、マウス。その程度の雑魚に敗れるマウスではあるまい。わたしの軍をしっかり守ってくれるな、マウス。マウスならできる。できないならマウスではない」

「勝手に人の存在証明を盾に、ファインプレイを強要しないでもらえるか!?」


 再び加速してきた鹿の山羊ドクロが、助走をつけて戦闘エリアに乗りこんで来る。

 この戦闘エリア、前を走る馬車に繋がれた荷車って設定で、列車のコンテナ車みたいな感じ。

 そこに鹿が追いついて、乗りこんで来たら戦闘開始。叩き出せば戦闘終了。

 攻撃を受けて俺がダウンするか、この荷車が破壊されると、お塩が救護している馬車の怪我人分の戦力が、最終決戦から引かれる。


 ちなみにこの怪我人、ヘキサと一緒に最後まで撤退の最後尾を務めあげていたというド根性部隊で、つまりヘキサの虎の子、精鋭達だ。

 この戦力を削られるなんて冗談ではない、とヘキサが圧をかけてくるのも納得できる。

 俺が無茶振りされる側じゃなければね!?


 ちなみに、山羊ドクロは魔法が使えます。

 乗り込み待ちの山羊ドクロも周囲に一杯います。

 戦闘開始して四方八方から、山羊ドクロの魔法攻撃が乱れ射ちよ!


 乗りこんできた鹿の角ブンブンよりも、この魔法乱れ射ちをとにかくパリィパリィパリィパリィ、さばききれない分は体で受け止めてHPで支払うって寸法よ!

 やりたくてHPで支払っているわけじゃないけど、俺のHPはお塩が回復魔法を飛ばせば治るけど、荷車のダメージは回復魔法じゃ治らないから仕方ない。

 仕方ないって言ってこの戦法を指示したのはヘキサだ。


 他人のHPだからって好き放題言いやがって!

 ヘキサの指示がなかったら俺は、俺は……絶対自分のHPで支払うだろうなー。

 だって、荷車を破壊されたら、絶対評価下がるじゃん。


 評価は、ゲームのスコアは、命より重い……!


「まあ、この程度の弾幕なら命まで届かせないという、絶対の自信はあるがな」


 弾幕を切り裂くようにパリィしながら前進。被弾をしても状態異常耐性が高いから、山羊ドクロの魔法はそんなに痛くない。

 状態異常からのスリップダメージがメインだから、状態異常にさえならなければ、ダメージはゲージを押し切られるほどではない。

 生肉を食いまくって得た耐性に、初戦でツィーゲから邪神由来の必殺攻撃を受けた経験、そして毒竜バジリスク戦で得た素材で強化された装備。

 全てが山羊ドクロの魔法への対抗手段として、このマウスの命を守ってくれている!


 というわけで、このプレイでの全ての経験を活かして、鹿君の顎にアッパーを入れることに成功する。

 反り返った鹿君の前足を二本とも掴んで、そのまま後方宙返りをさせて進ぜよう。

 この撤退馬車防衛戦で編み出した、一番手早く鹿君をポイする方法がこれだ。

 倒してもいいんだけど、一匹倒した程度じゃ、弾幕要員が減ったのかどうかもわからない物量なんだこれが。

 それくらいなら、さっさと戦闘エリアから放り捨てて、受ける弾幕を最低限にした方がよさそうなんだ。


「ソル、回復リソースは大丈夫か?」

「ええと、そろそろMPが尽きそうです!」

「そうか。回復アイテムは?」

「うんと、怪我人の治療に一杯使っちゃったので、あんまりないです!」


 怪我人の治療に使うだけの回復アイテムは一杯用意して、残数が心もとなくなるくらい使ったのか。

 偉いぞ、お塩、ゲームが上手くなったな。

 先輩、嬉しい。


「ヘキサ、避難場所まで後どれくらいだ?」

「七割は過ぎているから、このペースなら持つだろう」

「このペース、というのが不吉だな」

「まあ、なんせあれだけの数がいるんだ。そろそろ集団で一斉にだとか、インターバルなしのノンストップ連戦など、ありそうだろう?」

「むう、それはきついな……」


 インターバルなしだと、お塩の回復支援が受けられるかどうか。

 支援自体は可能なんだけど、動き回る俺にお塩が支援を当てられるかどうかがちょっと。どうしても回復タイムが必要になる。


「師匠、いざとなればあたしがスイッチで!」


 お塩の後ろからベアちゃんが熊面を突き出して来た。

 おお、その手があったか、我が弟子よ。いつもソロだから、誰かと交代で休むという発想がなかったわ。


「敵の攻撃パターンは覚えたな? 状態異常回復アイテムは残ってるか?」

「師匠の立ち回り見てばっちり! アイテムは馬車に残っていたのをかき集めて来た!」


 偉い!


「オーケー。それじゃあ、お互いに体力五割を切ったらスイッチで、ソルから回復を受ける。いいな?」

「任せて! 姉さんと一緒にがんばる約束したんだ、こんなところでつまずいていられないよ!」


 ベアちゃん、変なフラグを立てようとしていない?

 この戦いが終わったら結婚するんだ系のフラグが建築された気がする。


 俺と同じ懸念をフラグセンサーで感知したのか、ヘキサも難しい顔になった。

 お塩は搭載していないセンサーなので、純度百パーセントの笑顔でベアちゃんの応援をしている。

 そのほっこりな様子をしっかりスクショしながら、ヘキサは頷いた。


「フラグをへし折れ、マウス。できないとは言わせない」

「おいおい、誰に言ってるんだ、ヘキサ。近頃、守る役回りが多かったから忘れられたか?」


 壊すのは俺の得意分野だ。

 木造建築において、ネズミがどれほど恐ろしい生き物か、教えてくれようぞ非物質系建築物!



****



 やばいやばいやばい。

 イデル行き最終馬車防衛戦、めっちゃやばい楽しい!


 荷車の上に三体から五体の敵が常時上がってくるようになった。

 その代わり、外からの弾幕は薄くなったかな。ひょっとしたら弾幕量は変わってないのかもしれないが、荷車上の敵を盾にして弾を受け止めればいいので実質減ってる。


 自分で攻撃して敵を減らしてよし、敵の攻撃を当てて敵を減らしてよし。

 ちょっと難しいのは、その壁が自律移動してこっちに攻撃を加えてくるってことかなー!


 瞬間瞬間、今どう動き、次の一手をどうするかの判断を、考える間もなく選び続ける。

 ミスはダメージとしてHPゲージに跳ね返ってくる。目の前の修羅場を斬り抜けながら、一瞬前の修羅場の斬り方は正しかったかどうか、修正プログラムを走らせ続ける。


 鹿君の長い首をフリントネックホールドして、その場でくるくる回って飛んでくる弾幕を三六〇度範囲で吸収する。

 うむ、下手に自分の攻撃で敵を減らすより、敵の攻撃を受けるために残しておいた方が、こっちの被弾率は減らせるな。

 荷車上の敵は、ちょっと攻撃してくる遮蔽物と思って、最大数の五体を維持するようにしよう。


「師匠! そろそろスイッチ!」


 戦術をアップデートしているうちに、HPゲージが半分に近づいてきたらしい。

 交代要員のベアちゃんが荷車上に躍り出て、俺の隣で拳を振るい始める。


「よし。それじゃあ、ちょっと休憩を入れて来る。ミスったらすぐに助けてやるから、ガンガン遊んでいいぞ」

「うえ、これが遊びとか、流石師匠」


 ははは、そりゃあゲームプレイ中ですから、遊び真っ盛りでござるよ。


「あたしにはこれっ、遊びにしては難易度と殺意が高いかなー!?」


 ベアちゃんが顔を引きつらせながらも、鹿君を程よく殴って硬直させて、敵の弾幕への盾にする。


「うむ。上手にできてる、ちゃんとできてるぞ。その調子で楽しんでみろ」

「がんばりっ、まーす!」


 ううん、本当にちゃんとできてる。

 俺が「こうやって動いた方が効率よさそうじゃね?」って考えた動きに近い。

 立派になったな、我が弟子。


 感心しながら、お塩とヘキサが待機している馬車の方に戻って一息吐く。


「よし、回復を頼む。ベアちゃんもあの調子なら大丈夫そうだが、もうちょっと遊びたいのでなる早でよろしく」

「先輩の動き、どんどんスマートになってすごかったです」

「わたしがあの場に立ったら、なにもできずに滅多撃ちにされそうな難易度だろうに、普通に遊んでいるとは。その技量、素直に感心するよ」


 ほほほ、どんどん褒めてくれて構わないぞよ!

 マウスの自尊心にはまだたっぷりの余裕がございますゆえ!


 お塩の肩揉みマッサージで労われながら、回復魔法を受ける。

 HPゲージはじりじりとしか回復しないが、俺の気力ゲージは限界突破だよ。


「しかし、ベアも強くなったな……」


 俺が荷車上で立ち回るのと、大差ない時間を稼ぎよる。


「ベアちゃん、先輩が戦う姿を真剣に見て勉強してましたよ」

「そうなのか?」


 だから、俺のイメージした動きになっているのか。それはいいな。

 つまり、ベアちゃんの動きを俺が見れば、その分だけ動きの効率化ができるじゃん。


「弟子に教えて成長できることもある、か」


 このマウス、また一つゲームの真理を体得してしまった……。

 いいぞ。まだまだ俺はゲームが上手くなれる。


「そうだ。大分時間が経ったような気がするけど、あとどれくらいこれで遊べる?」

「終わって欲しくないような口ぶりだが、回復リソース的にかつかつなのを忘れるなよ?」


 忘れたいけど、実際俺のHPゲージが全回復しない程度に抑えて節約しているから、忘れられないよ。


「まあ、もうリソースの心配はいるまい。残りはもう、いつ終わってもおかしくないところまで来たぞ」

「む、そうか。それじゃあ、そろそろフラグのへし折り時が来るか?」

「来るとしたら、このタイミングだろう」


 ヘキサと頷き合う。

 ついでに、ヘキサがリソース節約を解除して、俺のHPフル回復かつバフ付与まで指示した。

 ここまでされてフラグをへし折り損ねたら、このマウス末代までの恥。

 身命を賭して挑む所存!


 いつでも荷車の方に飛び出せるように姿勢を作って、戦うベアちゃんと周囲に視線を配る。

 このマウスの厳戒態勢を食い破り、ベアちゃんにフラグを突き刺せると思うなよ。


 あらゆるゲームにおいて、様々なフラグを見て来たこのマウス、前後左右に上下も含めて警戒の薄いところなど存在しない!

 地下からモンスターに丸呑みとか、上空からメテオでフラグ回収とか見たことあるからね。

 あの、最高速でフラグを回収するためだけの死、みたいな理不尽は、悲劇というより喜劇だね。


 さあ、来るぞ。


 馬車の周囲で背景となっている鹿君の密度が上がった。

 これまで出て来なかった狼君やビッグブラザーゴブリン君もいる。

 それらが一斉に、これまでの上限を無視して荷車に殺到する。

 古のヤマノテラインの通勤ラッシュを上回る過密状態に、荷車の耐久力が一気に減り、穴が空いて移動不可エリアが激増する。


 不確かさが増す足元、そこに今まで以上の物量。

 ベアちゃんの顔に焦りが――いや、熊面だわ。でもほら、動きというか、ニュアンス的なやつで焦っているのがわかるよ、ベアちゃん。

 急に穴が増えたから、足の置き場に迷ってぎこちなくなった。その辺の瞬間的な判断力は、まだ経験が足りないな。


 このままでは物量に圧殺されるか、破壊された荷車ごと放り出されてから圧殺されるか、二択だ。

 さっき、ベアちゃんが立てたフラグはここだな。

 確信と共に、馬車から飛び出す。


 ボロボロの足場を、敵の合間を縫って駆け抜ける。

 見て、確認して、考えて、足場を選ぶんじゃ間に合わない。

 見たら、直感を信じて走れ。


 ベアちゃんの後ろに回りこんで攻撃態勢を取りかけたゴブリン君を蹴り飛ばし、足を踏み外して落ちかけたベアちゃんの腕を掴む。


「うわっ、し、師匠!? こ、こんなとこまで、危ないよ!」

「なにを一丁前に師匠の心配をしていやがる。こういう面白い場は師匠に譲るものだ、未熟者め」


 そのまま投げ技スキルの応用で、後ろの馬車まで放り投げる。

 落下地点はお塩の腕の中だ。聖人お塩の聖域効果によって死亡フラグなど砂上の楼閣よ。


 ふっ、いい仕事をした……。

 お塩の隣では、ヘキサも親指を突き立てている。


 マウス師匠はニヒルに笑いながら、荷車の崩壊に巻き込まれるぜ。



****



 ……さて、ここからどうすんべ。


 クラッシュした荷車と共に、ふわっと空中に舞い上がりながら一瞬だけ思う。

 このまま落下すれば、馬車に置いて行かれて山羊ドクロ君達とエンドレス殴り合いに突入ができる。

 やったぜ。


 ただし、最終決戦への参加にマイナス補正がつくだろう。

 最終決戦で、このマウスが大暴れできないとか遺憾でいかん。

 つまり、マウスをこの状態から生還させねばならぬ。

 よし、生還プロトコルを実行する。


 生還するために必要なのは敵の排除である。

 つまり殴ったり蹴ったりすればよろしい。

 直感的に目の前で一緒に空中に放り出されたゴブリン君を蹴ると、反動で馬車側に飛んだ。


 あ、これは使えるな。


 荷車の破片や山羊ドクロを足場に見立て、攻撃の反動で移動する。

 地面を移動するのと異なる点は、高さも含めて足場がバラバラに取っ散らかっていることかな。

 まあ、その分、地面を移動する時より腕も使いやすい。狼君を殴って移動した先の鹿君に向かう。

 これが本当のナックルウォークってか。


 とはいえ、一直線に馬車に移動できない上に地面を走るほどの速度が出ない。

 このままじゃ疾走する馬車に追いつけない。もう一手……そういや、この空中機動、スプリントステップが適用されるんじゃね?

 マウスの天才的な閃きに従い、スキルを発動。目の前に迫った鹿君を蹴ったら、これまでの最高速度を出せた。


 これなら馬車に追いつけるか?

 ちょい怪しいが、実証はこの後すぐ。やると決めたら失敗するかどうかなんて考えないのが成功のコツだ。

 足場を選ぶ暇もない。鹿君、ゴブリン君、狼君――これ敵のサイズによって反動の移動量が違う。

 この面子だと鹿君が足場に最適だ――鹿君、鹿君、狼君を合間に挟んでもう一つ鹿君……さて、次は?

 お、なんだ、鹿君よりデカイのがいるじゃないか。これで移動距離が一気に稼げるぞ。

 次は君に決めた、熊君!


 ……って熊ぁ!?

 なんでここにいるの! そのキュルンとした目、間違いなく森の熊君だよね!?

 生魚をプレゼントしたら木彫り界のレジェンドっぷりをいかんなく発揮した、一緒に生肉をかじりあった、マイフレンドの熊君だよねえ!?


 あ、いかん、流石に君は殴れない。

 このマウス、友を殴る拳だけは持ち合わせていないのだ!(ただし対戦フレンドは殴る。)


 どうしよう、これ。

 悩んでしまったらもうお終いだ。

 状況は、急転直下に紫電一閃を乗算したかのような切迫具合で、すでに刹那の思考も許さない。

 一瞬の思考のうちに馬車までの生還の道のりは、地獄の門によって閉ざされた。


 ならばこのマウス、地獄の軍勢と合戦を所望するのみ!

 ふはは、地獄は難易度的に俺の現住所だから、悲壮感とか一切感じないぜえ!


 なんて思いながら落下したら、熊君の背中にライドオンした。

 ほう、ぴったりと吸い付くこの乗り心地。騎乗スキルとか関係なしの合体状態か。


「がう」


 ちらっと振り返った熊君が、そう言った。

 オーケー(がう)全て把握した(がーう)


 つまり、このまま戦えってことだなー!

 この乗り心地は間違いない、騎乗戦闘可能な一体感だもの!

 リーチの短い徒手空拳では、戦力としてゲゲゲのゲってなもんだが、今のマウスには戦友と結びついた鉄の絆がある!


「いくぞ、熊! 大暴れだ!」


 装備品を替えれば、笑い声が響く。

 じゃらりじゃらりと鉄の鎖が笑う。

 敵がなんだろうと、使い手が誰だろうと、戦うことこそが我が命と、主人そっくりの凶器が笑う。

 抜き放つついでに大槌を振り回せば、たまたま周囲にいただけの不運な山羊ドクロが吹っ飛ぶ。

 ふはは、この大威力、超気持ちいい!


 おっと、周囲が空いたら一斉に山羊ドクロ達が魔法射撃の準備を……していたところに、熊君が加速して突っ込んでいく!

 回避だとか防御だとかでダメージ減らすより、敵を蹴散らして結果的に被ダメを減らそうって、そういうことだね、熊君!

 おっしゃ、任せろ。

 別な方向の射撃部隊は、マウスが大槌をぶち込んで崩してやろう。


 ボウリングしようぜ、俺と熊君がボウルをするから、お前達はピンな!

 ヒャッハー、ストライクにならない悪いピンは粉砕だー!

 このままご機嫌なサツ→リク☆ドライブと行こうぜ、熊くぅん!


 赤兎馬に乗った呂布奉先も、きっとこんな爽快感を味わったんだろうなあ!

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