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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

スタバで女子高生が話してるのを聞いたんだけどさ……

作者: HasumiChouji

 今週は、給料日の直後で、しかも、久し振りに土日ともに休日出勤が無い。

 しかし、何もやる事がなく……近所のブックオフでいつか読もうと思ってた話題の漫画の1巻から5巻までを買った。

 更にその近くの回転寿司で……いつもの昼食代の2〜3倍くらいのつつましい値段の食事。

 更にその近くのスタバで、一番大きいサイズのラテを飲みながら、さっき買った漫画を読みふける。

 しかし、しばらくしてから……集中出来なくなった。

 近くの席から、若い女の子の声。

 何だ?

 タブレットPCか……小型のノートPCらしきモノに向って話し続けている高校の制服を着た女の子が向いの席に居た。

 思わず舌打ち。

 聞こえたかも知れない。

 いや……イヤフォンをしてるようなので……ひょっとしたらだが……聞こえてないかも。

「では、質問コーナーです。視聴者の方で質問が有る人はコメント欄に書き込んで下さい」

 何だ、こりゃ、動画のライブ配信でもやってるのか?

 次々と質問に答えてるらしい。

 思わずスマホを取り出し、twitterに「スタバに迷惑な女子高生が居る」と書き込んだ。

 だが、聞き覚えが有る人名が女子高生の口から出る。

 経済学者にカリスマ経営者……それに……何だ? どこかで聞き覚えが有る内容だ。

 ある事に気付く。だが……「まさか」と云う気もする。

 職場の上司に閲覧しろと言われ、嫌々聞いてる経営学と自己啓発を合わせたような内容のYoutubeチャンネルを開く。

 ライブ配信中だった。

 本が詰った本棚を背景に、五十過ぎの男がコメント欄に書かれた質問に答えている。

 もちろん、声も五十過ぎの男のそれだ……。

 しかし……。

 イヤフォンを片方だけ外す。

 両耳から全く同じ内容の話が聞こえる。

 イヤフォンを付けた耳からは……五十男の声で。反対の耳からは……若い女の声で。

 どうなってるんだ?

「では、本日のライブ配信は、これで終ります」

『では、本日のライブ配信は、これで終ります』

「あ、最後にtwitterで私を中傷されてる方が居るようです」

『あ、最後にtwitterで私を中傷されてる方が居るようです』

「どうも会社の上司の方からの指示で嫌々視聴されてる方のようですが」

『どうも会社の上司の方からの指示で嫌々視聴されてる方のようですが』

 スマホの画面内の男が右手を上げ……だが、その右手はカメラの外に……。

 向いの席の女子高生が右手を上げ……その右手の指はVサイン。

「そのような方は、今後、視聴なさらなくても結構です」

『そのような方は、今後、視聴なさらなくても結構です』

 次の瞬間、見えない何かが、俺の両目を突き……続いて、多分、人間の指ぐらいの大きさ……と思われる細長い何かが、俺の両耳に乱暴に侵入し……。

 いたいいたいいたいみえないなにもみえないなにもきこえ……うぎゃあああ……。

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