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天使を埋めよう!  作者: 後見 ナイ
4/9

新しい友達。

もう第4話です。


 「ねぇ、あなた」しぎは手を私の肩に回しながら言う。


「なんだ、しぎ。というか何度言ったらわかるんだ。その言い方はやめろ」と私は手を振り解く。


しぎは不服そうな顔を浮かべると、「あの子も随分成長したじゃない?そろそろ同年代の子との交流も必要だと思うの」

しぎはこの8年で随分変わった。初めはもの扱いだったシューターに対しても今では例外の一つとして接している。私と話す手段として利用しているだけかもしれないが。


こいつが、やたらひっついてくるせいで、シューターはこいつがお母さんだと勘違いさせてしまった。


「だが、どうする。話が通っているのは我々幹部クラスのもののみだ。」


「簡単よ。たくさん子作りすればいいだけじゃない」と前屈みになり、谷間を見せてくる。


「やめろっ」柄でもなく大きな声を出してしまった。


「…すまない。だが、そういうのは本当にやめてくれ。」


「……いいわ。まだ、あの女に未練があるわけ?」


「未練じゃない。トラウマだ。」実際この話をこの城で知っているのはよりによってこいつくらいだ。


「まあいい、こちらで手は打っておこう」と私が言うと。しぎは何かを考えていた。


「ねえ、この戦争は、いつになったら終わるのかしら。いつまで嘘をついていないといけないの?」しぎは言う。


勇者が死んだ後も人間は絶望するどころか、さらに勢いを増して攻めてきた。

我々は、人類の敗北を認めない愚かな行為に失望しながらもそれらを殲滅した。


それでも最近では、勇者の子がいたという根拠のない噂が広まっており、人々はそれを希望だと言って攻め込んでくるのだ。

 

「シューターが私たちを繋ぐ架け橋になるんじゃない?」


「そんなの、人類が許しても私が許さん。人類がして来たことを水に流せって言うのか?」


「それは、人間側も同じでしょう?」


「すまないが、彼女の死だけは無駄にすることだけはできない。」私から、彼女のことを話したのはいつぶりだろうか。つい彼女のことを思い出す。

あの美しい赤い髪は、忘れたくても忘れることができない。


彼女のためならば、人間を殺せる。何もかも破壊できる。全ては、彼女のために。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あっという間に僕は9歳になった。

この一年間修練に打ち込んだおかげで、かなり力をつけることができたと思う。

師匠や、お父様にはまだまだ叶わないもののデーモンやエルフとの模擬戦では、負けることはなかった。


そんなある日、「初めまして、オートメータと言いますっ!よろしくお願いします!!」と自分より2ほど年下の龍人族の少女がやってきた。


「ど、どうも」本を読んでいた僕は、突然のことに驚き、本を落としてしまう。


「ちょっと、母さんこれって一体どういうこと?」


「ふふっ、あなたにも同年代の友達がいるかと思ってね。」


そんなことを小声で話していると少女が急に僕の前に来た。

僕の目を覗き込んだ彼女の目は、爬虫類独特の縦長の瞳を持ちエメラルドグリーンに輝いていた。


「これ、落としましたよ。」と落とした本を拾ってくれた。


「えぇっと、ぼ、僕はシューターといいます。よろしく」なぜか、いつもより歯切れが悪く話しにくい。


「ほーら、緊張しないの」と母さんは僕を彼女に押し付けようとする。


そのまま、僕らは、母さんの言われるがまま、広場へと向かわされた。


「ええっと、見かけない子だけど、どこからきたの?」

龍人族は、本で見たことがあった。名を与えられたドラゴンがその忠誠を誓うために我々の姿に近い形に変化するのだ。だが、この辺で龍人族は見たことがなかった。


「私は、ここからずっと南にあるフォーミ山脈から来ましたっ!私の名をつけたのはお母さんなのだけれど、お母さんのに名をつけたのが、あなたのお父さんだったと言うつながりよ。」


お父様がまさか名を付けられるほど高位のドラゴンと面識があったことにも驚いたが、何よりこの子をここに呼んだのがお父様だったのが何よりも驚いた。お父様は僕が外の世界に興味を持つことに消極的だったからだ。


「で、何して遊ぶの?」また彼女に見つめられる。なんだか、捕食される小動物の気持ちが少しわかった気がした。ものすごく心臓の鼓動が早くなる。


困った。ここ数年修行に打ち込んでいたせいで、何をすればいいのか全くわからない。


「何か、したいことある?」


「そうですねぇ、あ!あそこにボールがありますよっ!あれであそびましょう!!」


「あ、それは…」


オートメータがボールを蹴り上げると同時にデゥーンさんの叫び声が響いたのだった。


ブックマークお願いしまああああああああああああああああああああ

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