世界が広がる。
第3話!
色々あってタイトルを変更しました。すいません;;
8歳になって一ヶ月が過ぎた。
8歳になってからと言うもの、お父様の言いつけで、算術、読み書き、剣術、魔法を勉強することになった。
「本来我々、魔族は魔術しか使いことができないのですが、魔法が使えるお父様の子であるシューターは魔法を使うことができるのです」とキュリオベータ師匠が教えてくれた。
師匠は、さらにお父さんが王だということも教えてくれた。
読み書き算術はしぎとデゥーンさんに教えてもらい、剣術は師匠、お父様には魔法を教わった。
皆、魔族のトップ集団なので、特訓はとても辛いものだったが、日々、自分の成長を実感できて楽しかった。
今日も、これから、お父様との訓練のため、修練場へ移動しているところだ。
まだ、さっきの剣術の授業で師匠に打たれた足が痛む。僕がいくら成長したところで師匠には勝てる気が微塵もしない。
未だ、僕は翼と尻尾をつけて移動している。小さい頃は、いずれ僕にも角や長い耳が生えてくるのでは無いかと期待していたのだが、一向に生えてくる様子はない。
だが、お父様はそれがお前の個性だと言ってくれた。
修練場につくとお父様がすでにそこにいた。その佇まいは昔より少し老けた気がする。
魔族は20を過ぎてからは、一気に成長速度が低下するとデゥーンさんは言っていたけれど、お父様は今、成長期なのかもしれない。
「おお、きたか」僕に気がついたお父様が、にっこりと笑った。
その笑顔は、僕といる時しか見たことがない。
「はい!お父様!よろしくお願いします!」と言いながら僕は一気に火の玉を宙へ放つ。
放たれた火の玉は、僕への行手を阻むように落下し、僕の有利な場を作り出す。
「風よ」お父様がそう言うと一気に風が吹き荒れ、火がこちら側へ飛んでくる。
「あっちあっち」と僕はその場でのたうち回った。
「はっはっは。火属性魔法をそう応用するとは、考えたな。だが、自滅しているようじゃまだまだだな。」
いつも、お父様との実戦は、お父様の一撃で終わる。魔法は、火、水、電気、風、土の
5属性が存在し、僕にはその全ての適性があった。それでもお父様様には歯が立たない。言うには、お父様は風、火、電気の3属性の使い手なのだが、風に関しては神風というレベルにまで達しているらしい。
僕は基礎練(魔力制御、筋トレ、マラソン、魔法応用など)をした後、お父様に礼をして、自室へ向かう。今度は、座学だ。
体力と、魔力が尽き、眠気に襲われながらも、お母さんとデゥーンさんに教えてもらう。
座学は、結構好きで(唯一才能が要らず大人たちと対等になれるからだ)読み書きと、基本的な算術は一ヶ月でマスターした。
僕が、計算問題を解いているとお母さんが、「よくそこまで頑張れるわね。」といった。
「早く、お母さんたちと一緒に戦いたいからね!」と僕がいうと、お母さんは、少し困った顔をした。
一緒に戦いたいという気持ちはもちろんあるのだが、最近は自分についての秘密を知りたいという欲求が抑えきれなくなってきていてそんな邪念を振り払うために、ハードなスケジュールを組んでもらった。
「あなたの、戦闘スキルじゃ、まだまだ先のことね」とお母さんは僕の額をつついて意地悪そうに笑いながらいった。
面白ければ、ブックマークお願いします…!