六話 お祭りの準備(シロ) 1
僕は物思いにふけりながら、まだ陽の当たらない中庭で剣を振っていた。昔から何か落ち着かなかったり、眠れなかったりした時はこうして剣を振る。別に剣を振るのが好きなわけじゃないけど、昔からこうしていると落ち着く。
僕には、悩みがあった。それは今日のことだ。ルリエとお祭りに行けることになって嬉しい。でも、ここ一年、僕は一度も丸一日遊んだ日なんてなかった。だから友達も、幼馴染のルリエしかいないし、遊ぶ時にどんな格好をすればいいかもわからない。もう訓練技でもいいかなとか思いつつ、
「はぁ〜あ。」
深くため息をつくと、剣を鞘にしまって自分の部屋に戻った。その頃には陽の光も射してきて、部屋の窓から一身に光を受けていると、頭徐々に冴えてくるのがわかる。流した汗を拭いてから、棚から着替えを取り出して着替えると、三階の自分の部屋から二階のリビングに降りると、家の使用人のルフェルとばったり会った。
「おはようございます。今日のメニューは、カルバ麦のパンとコーンスープでございます。」
「そっか。ありがと。」
「いえいえ、仕事ですから。お父上はもうおられますよ。」
「はーい。」
「せっかくですから、ルリエ様とのお祭りの助言などもらったらどうですか?なかなか参考になると思いますよ?」
「じゃあちょっと聞いてみるよ。」
「頑張ってくださいね。」グッ。ルフェルが親指を立てて笑う。
やれやれ、ルフェルはたまにそういうところがあるよな。内心で苦笑しながらリビングの扉を開けて中に入る。中では父さんが椅子に座って待っていた。
「おはようシロ。昨日はよく眠れたか?」
「ううん。目が覚めちゃってさっきまで剣振ってたよ。」
「そうか。」
そういうと、父は朝食を食べ始めた。それを見て、僕も朝食を食べ始める。しばらくすると、父さんが話しかけてきた。
「今日の祭りどうする気だ?」
「ルリエと一緒に回るよ?」
「それは知ってる。そうじゃなくてな?いつもの訓練の格好で行くわけにもいかんだろ。」
「・・・ダメ、かな?」
「ダメだ。お前もそろそろ身なりに気を使え。身なりは人の印象を左右するものだ。服の着方やバランスによって、マイナスにもプラスにもなるからな。.....だが俺はいつも軍服しか着んから良し悪しがそんなにわからん。祭りに行くまでにルフェルとでも買ってこい。」
「わかったよ。じゃあ後で行ってくるね。」
「ああ。」
父さんはもう朝食を食べ終わっていたらしく、そのままリビングを出て行った。
僕が朝食を食べ終えると、ルフェルが入ってきて、父さんから言われていたらしく、「どこに行きます?」と聞いてきた。
「わかんないからどっかルフェル知らないかな?」
「そうですね、坊ちゃんぐらいだったら西区の『フリエット』に行ってもいいかもしれませんね。」
「じゃあ、そこ連れてってくれる?」
「はい。わかりました。」
一時間後、僕とルフェルは家を出てその.....『ふ、ふ、........洋服屋に向かった。




