表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したので精一杯頑張ります  作者: 辻本ゆんま
第5章 ルマニミ王国
74/165

At74.周辺調査

今回はちょっと短めです。

 「この辺、かな・・・」


 村正はアレンに調査を依頼された調査をするため神殿に遺跡の北側にやって来た。

 日の昇り始めたこの時間。村正は朝日を眩しいと感じつつアレンに貰った地図の複製を頼りに遺跡を歩き回る。


 「そうですね。地図を確認する辺りそう思えます。」


 村正の持つ地図に横から顔を覗き込ませるシロ。


 「悪いな、無理言って付き合ってもらって。」

 「いえ、お兄ちゃんの傍に居るのも私の務めですので。」


 村正の横に立つシロは朝日に顔を照らされながら微笑みながら答える。


 「なんかいつもと感じ変わった?」

 「気のせいですよ。それより、これから何をするんですか?」

 「ああ、そうだった。」


 今村正とシロの居る遺跡の北側は、今回の調査の拠点の所からは離れている。その距離は村正とシロが離れると村正に契約違反の判定が下る程。村正とシロの離れられる距離は、以前の魔術祭の時にシロが村正のを離れてしまった距離が一定の目安になっている。

 村正が遺跡の北側に行くことになったので、シロは村正に付いて行かざるを得なかった。


 「取りあえず、アレンさんにこの北側の周辺調査を依頼されたんだ。」

 「周辺調査ですか。」

 「なんでも、イブさんの先行調査以外では入ったことないみたいで。」

 「そのようですね。見たところ人の入った形跡はゼロですね。」


 シロは辺りを見回し、至る所に草の生えた地面を見て答える。その様子を見れば誰が見ても、長い間人の手が入ってないと、容易に想像できる。ただ、それは同時に1つの疑問も生んだ。


 「これが遺跡って判明したのいつなんでしょうね?」

 「割と最近のことだって言ってたよ。」

 「そうでしたか。それなら納得です。」

 「何か、気になったの?」


 シロが気にしたのは、これほど昔からこの地にあったはずの遺跡にしてはかなり荒れていると言う事。普通の遺跡なら少しは人の手が入っていてもおかしくないと、思ったのだろう。


 「随分、草が多いと思ったので・・・」

 「まあ、何年も前に消失した物だもん。今も何か残ってる方がよほど怖くない?」

 

 村正は、この遺跡が消失したと聞かされている。その理由が何なのかは今調査中。ルマニミ側の見解としては火山が原因とされているが、それ以外の可能性も捨てきれていない。さらに言えば、これほどの規模の神殿があったという事が判明した以上、ここ以外にも大きな遺跡があると考えている。神殿があるほどだ、何かしらの人の居た形跡が発見できてもおかしくない。それこそ、村正が最も不安に思ってることだった。

 村正の考え通り、人がこの地に居たのなら、この遺跡に関する何らかの罠があっても文句は言えないし、罠のない方が不自然とまで村正は考える。


 「お兄ちゃんの知ってますか?この世界では人の痕跡を消すのが最も難関と言われているのですよ。」

 「それほどまでに?」

 「はい、今は魔法の研究も随分発達しました。私の居た世界とは全く変わっています。」

 「それを言われると、シロの可愛さが半減しちゃう。」


 その幼さの見た目とは裏腹に、1000年と言う長い時を生きていることを言われると村正の中でモヤモヤしたものが現れる。


 「そ、そうですか。」


 シロは顔を赤らめながら顔を俯ける。村正もまた、恥ずかしい事を言ったと思いシロからそっと顔を逸らす。

 2分程静かな沈黙が流れる。太陽がその姿を全て現した頃に、


 「そ、そろそろ始める?」

 「そ、そうですね。」


 僕は、一体ここまで来て何をしてるんだよ・・・

 僕とシロは遺跡の北側と呼ばれる場所を調べる。探索魔法で周囲一帯を探す。シロも同様にして探しているのだが、何故か僕とは離れたところに居る。


 「シロ、何でそんなに離れるの?」

 「お兄ちゃんの探索魔法が半径5mなのに対して、私はもっと使えるので。」

 「もっと!?」


 探索魔法よりもさらに便利な魔法でもあるのか?


 「精霊術ですので、お兄ちゃんにはまだ早いですよ。」

 「・・・」


 シロのまだ早いという言葉に引っかかる村正だが、その言葉を発した時のシロの笑顔。それが村正の中では笑顔に映らなかった。それは、シロがまだ村正に何かを隠している。そう訴えていた。ただ、村正にそのことを追究する勇気がなかった。今、ここでそのことを聞いてしまったら、シロとの関係に罅が入る。そんな気がしていた。


 「――そう。」

 

 探索して見れては見るものの、それが使えるのかガラクタなのか。そもそもマーキングしようにも、これだけの数が地中に埋まっていたら何にマーキングしたら良いのか分からないな。適当に大きな物にマーク付けても良いかも知れないが、それがゴミだったら申し訳ないし。

 あとは、この遺跡の消失の原因。


 「しっかし、これ、随分と分かりずらいな。」


 地層の境目は普通に見ただけで分かるのだが、それがいつでき、何で構成されているのかまでは判別できなかった。

 

 「ふう。」


 村正は2分程で目を開ける。それは何も疲れたとかそう言うのではない。勿論、今自分に見えた物全てをゴミと判断したわけでもない。


 「確か、この辺から・・・」


 村正は地面に落ちていた棒を拾い上げると、自分が探索した範囲に線を引く。

 地面に半径5mの円を描くのは難しいと思われたが、村正はすんなりと描き上げて見せた。


 「うん。我ながら上出来?」


 完成した線を見て満足する村正。


 「問題は、罠。何だよな。」


 村正はシロに目線を送る。この先の段階に踏み込むにはシロの手助けが必要となるが、今もシロは探索を続けている。その邪魔をするわけにはいかない。村正はその場にしゃがみこみ顎に手を当て、思考を巡らせる。物を見つけることが出来ても、罠を見つける良い方法が無い。


 「さって、どうしたもんか・・・」


 村正はどうやって罠の有無を確かめるかを考える。ただ、1つ確実に言えることがある。それは、もし罠があったとしても、その罠は人や物が上に乗ったところで反応をしないと言う事。でないと、村正がその辺を歩き回った時点でボン!っとなる。

 

 「うーん・・・」


 村正は自分の描いた円の中心にしゃがみこみ地面とにらめっこをする。地面を掘り返して見るのが最も簡単な確かめ方。だが、ここは遺跡。命に関わる罠が無いとも言い切れない。その懸念が村正の行動を抑止する。


 「何を塞ぎ込んでいるんですか?」

 「シロ。」


 地面を見つめながらぶつぶつものを言う村正に違和感を感じたシロが話しかける。


 「終わったの?」

 「はい。終わったので報告をしようと思ったらお兄ちゃんが地面とお話ししていたので、この暑さでおかしくなったのかと。」

 「きっついなー。」

 

 村正とて別に熱中症に陥ったわけではない。ただ、先へ進むための打開策を見いだせないのだ。

 ちゃんとした遺跡調査が初めての村正。自由にと言われると、、余計にやりにくい物がある。さらに、村正の居る北側はほぼ未開と言っても良い。それも相まって余計に村正の警戒心を上げる。

 

 「シロの方はどうだったの?」

 「私も結構見て見まはみましたが、罠は無いと見ます。」

 「本当?」

 「はい。直ちに遺跡や私達に影響が出るような類の物は確認できませんでした。」


 そのシロの言葉で取りあえず、付近の安全は確認できた村正。


 「因みに、シロが確認したのってどの範囲?」

 「そうですね・・・」


 シロは唇に指を当てながらくるくると回り始める。その様子を見るだけで、シロの見て居た範囲の広さを伺い知ることが出来る。


 「あ、うん。大体の広さを想像できたから良いよ。」

 「良いのですか?」

 「うん。出ないと、なんか僕が悲しくなる。」


 そう言うと、村正は膝に頭を入れて丸くなる。


 「これからどうするんですか?」

 

 シロは村正にこれからの事に付いて訊ねる。村正は何か考えていたわけではない。取りあえず、この遺跡の調査をしに来ただけ。どう調査するかまでは考えていない。ただ、この調査の目的には沿いたいと思うと、どう行動して良いのか分からなくなる。

 そもそも、さっき周辺を見たのだってその方針を決める1つの指針にしたかったわけだ。

 

 「どうしようか。」

 「目的はあるんですよね?」

 「うん、一応アレンさんに言われたのがね。」


 ただ、アレンさんはこの場に何があるのか教えてくれなかった。聞いたら、「お楽しみ」と言われただけ。それは本当に知らないのか、知っててあえて僕に伝えないのか?

 どっちにしてもやりにくいのに変わりはない。


 「どうします?」

 「僕らなりに何か調べてみる?」

 「私達なりに、ですか?」


 ここに来たときから村正はあることを念頭に置いていた。それは、

 

 「シロ、さっきシロが見た中で、インディアルの遺跡と似たような雰囲気はあった?」

 「インディアルと似た雰囲気でと言いますと?」

 「シロが居た場所みたいに、空間が繋がってないって事。つまり、この空間とは別の場所へ通じるような何かが無いのかなって。」


 村正は、この遺跡にもイブの研究室と同じように、こことは別の何かが存在しているのではと、思っている。別に、隠された通路や、空間が無かったとしても、何らかの方法で、その隔絶された空間へ行くことが出来るのなら、それは大きな発見になる。


 「もしこの遺跡があそこと同じような状況にあるとするのであれば入り口を探すのは至難の技かもしれませんよ。」

 「至難の業。」

 「状況にもよりますね。魔法を使用した人の状況や考えなんかも大きく影響してしまいます。ですので、最悪の場合入り口がとんでもない所にある可能性も否定できません。」 

 「そのとんでもない所ってどんなレベル?」」

 

 村正はシロに訊ねる。


 「遺跡の位置なんかも関係してきますが、ひどいと、国外なんてレベルですね?」

 「マジか~。」


 何も、この遺跡がそうと決まったわけでもないのに、村正は本当の事かの様にショックを受ける。シロはそんな村正を見て、大袈裟だと思っている。


 「まだ、この遺跡にそんな仕掛けがあると決まったわけじゃありませんよ。」

 「分かってるけど、こういうの知ったら反応せずにはいられないじゃん?」

 「それならもうちょっとマシな物を発見してからにしてください。」

 「今日のシロは厳しいね。」


 いつになく態度に棘のある感じをのぞかせるシロ。


 「どこで誰が見てるか分からないんですよ。もし、私のせいでお兄ちゃんの評判を国外で下げるなんてこと、出来ませんよ。」


 シロなりに感がえての事だったんだろうが、ちょっと遅かった。ここに来るまでの流れを見られている以上、シロのその言葉には説得力が薄い。


 「シロ、今朝の出発時の記憶、ある?」


 まさかとは思うが、シロ今朝のこと覚えてないんじゃないよね。


 「そう言えば、起きたらこの遺跡に居ましたね。」


 あちゃ~。そうかぁ。そうだよね。あんな状況だもん、寝ぼけてた時の記憶なんてそうそう持ち合わせてないよね。あの時の事覚えてたら多分、今の言葉は出なかったよ。

 不思議そうに首を傾げるシロを見ながら僕はアレンさんに貰った地図を見返す。シロの言う通りなら、この辺は歩き回っても大きな問題は無い。まさか、歩いていたら地面が抜け落ちるなんてことにはならないだろう。さっき自分でも見たし、そんな空間は無い。


 「ちょっと歩くから付き合ってもらえる?」

 「歩く、ですか?」

 「うん、取りあえず、この遺跡の外周を歩いてみたいなって思ってね。」

 「何か考えでもあるんですか?」

 「うん、まだこの遺跡の事を何も知らないに等しいからね。なら、いきなり中を探ろうとしても何も分からない。まずは、外から埋めて行こうと思ってさ。」


 村正の提示した考えにシロは目を丸くした。それは、村正が、さっきまでには違う事をしようとしていたから。さっきまでは、この遺跡内部をどう調べるか、だったのが今は遺跡の外側を調べると言い出した。この短時間で一体何故、考え方が変わったのだろうか?不思議に思うのは当然と言えるだろう。

 村正が外側を調べることにしたのは村正なりの考えがあっての事でもあった。村正は、日が昇る前に見た遺跡のホログラムが印象的だったのもあり、見えていた部分は覚えてる。それに、遺跡の北もきちんと地図があるってことは、一応は人が調査したかは別にして誰か来ていることになる。それが、先行調査で来たイブだとしても、内部に罠が無い可能性は想像できた。


 「ただ歩くだけなのですか?」

 「それじゃ、調査にならないよ?」


 勿論ただ歩くだなんて時間の無駄になる様な事はしない。これから村正が調べるのは遺跡の痕跡。

 そこに遺跡があったんだと言う痕跡を見つけたいと思ってるのだ。大体の遺跡なら何かしらの痕跡があってもおかしくはない。勿論、この世界に村正の考えが通用するかは別だが。


 「この遺跡が発見に至った経緯って聞いたんですか?」

 「あー、聞いてないな。そう言えば・・・」


 最近発見されたとは聞いたが、それがどうやって見つけたかまでは知らないや。そう言えば、ここってどこなんだ?イブさんの転送魔法で転送されたけど、ここ何処?




次回At75.痕跡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ