At39.戦い方
「ったく、お昼ご飯くらい自分で買えよな。」
「そんなこと言ってると後でシロちゃんにちくられるよ。」
「それは困る。シロ、いいか、絶体に言うなよ?」
「それは言えってことですか?」
・・・どこで覚えたんだそれ?
シロがボケをかましてきたことに村正はシロの発言が本気なのかそれとも冗談なのか考え込んだ。もしかしたら、今の発言フラグだったのかと。
「お願いだから言わないでね。」
村正は再度シロに今のことをイブに言わないようにお願いした。
「マサ君どれにする?」
「んん、どうしようかな。」
競技場の前に出されている露店に出されている食品が意外なことに日本のお祭りに出されている物と同じなのだ。若干金額が高いと感じるのは出展するのが学生だからだろう。
「僕、これで良いや。」
村正が見つけたのはホットドッグ。使われている物に若干の違いはあるが味はこっちに世界の方が良いとかんじている。
村正はそれを3つ購入する。村正自身とイブとあと、シロの分と。
「私はどうしようかな。」
ユウキはまだ決めかねていて村正はユウキに付き合う。
5分程あちこち見回ってユウキもお昼を購入する。
村正とユウキは競技場の会議室に戻ると既にイブが準備を整えていた。部屋の中にはどっかで見たようなモニターが置いてある。が、それをよそに2人の目に付くのがあった。
「あ、お帰り~。」
「「・・・」」
呑気にお茶を飲んでるイブを見て村正とユウキは絶句する。
何やってんだこの人。
「あ、あの何してんすか?」
村正はイブに問うとイブは開き直って、
「だってこれからお昼だし。その準備?」
村正はもう何をこの人に言っても意味がないと完全に諦めこれ以上何も言わないことに決めた。
「はい、イブさん。これどうぞ。」
「ああ、ありがとね。」
イブは村正に買ってもらったお昼を受け取り代わりに村正とユウキ、さらにシロの分もお茶を注ぐ。
イブはモニターを机の中心に置くと村正とユウキにモニターに向かって座るように指示しその反対側にイブが座る。
イブはモニターに手を付けると昨日のローズとレムの試合の映像を流す。
「さて、ではまずは次のメアリさんの対策から始めましょうか。」
そうイブが言うとユウキは少し緊張する。
「さて、まず、昨日のローズさんの試合で印象に残っているこは何かある?」
イブはユウキに昨日の試合に付いて思ったことを聞く。
ユウキは腕を組みながら考える。
「あの子防御一択だったわね。」
ユウキの言う通りローズは防御に徹した戦い方をしている。攻めを中心としているユウキにしてみれば完全に厳しい戦いになることが十分に予想される。
ローズの防御の固さは1年生の中では5本の指に入る。ローズ魔法をよく知らない村正とユウキには、この時間はまさに対策を練るには良い時間になるだろう。
「そうね。あの防御の固さはかなり厳しいものになるでしょうね。」
イブは食べながら頷く。
「さて、では紺野君ならどう突破する?」
「とりあえず、魔法に強いのか物理に強いのかは調べます。」
「それから?」
「攻撃に有効な方で攻撃に出ます。」
村正の回答にイブはお茶に口を付ける。一口飲むとイブは村正に向かってこういう。
「50点。」
「ほへ?」
「今の回答だと50点ってこと。」
村正の今の回答では100点満点中の50点というとらしい。
「何で50点何です?」
「ユウキさんはわかる?」
「いえ。全く。」
ガクッと首を落すイブ。期待の答えが返ってこなかったことに残念がるイブ。
「確かにどちらに弱いかを見極めるのは良いけど、別に大した意味は成さないわよ。」
「何でですか?」
少し考えてユウキがある答えに辿り着く。
「多分ローズはすぐに別の方法で防御に出て来るから、ですね。」
「正解。」
防御に徹した戦い方をするのであれば当然ほとんどの攻撃に対する策を講じている。村正の言う方法では初めの内は確かに有効かも知れないがどっかしらでローズが防御の方法を変えて来るという可能性を考慮していない。
「でも、そんなこと出来るんですか?」
「そー言うと思ったからこれ持ってきたの。」
イブはモニターに手を翳しとあるシーンを流す。
「いい、ここから30秒間の間に何が起きてるのかしっかりと見るのよ。」
イブが2人にしっかりと何が起きるか見るように言うと映像を再生する。村正とユウキはモニターをしっかりと見つめる。イブに「近すぎ」と言われ2人はそっと顔を遠ざけた。
イブによって映像が再生され昨日のローズとレムの試合が流される。2人はじっくりと見ていたが特に何もないように見えた。そのままあっという間に30秒経過してしまう。
「はい、終了。」
「「え、もう終わり?」」
村正とユウキいの声が重なる。
「うん、終わりよ。で、何か気付いたことは?」
「マサ君何か気付いた?」
「いや、ユウキも?」
「私も全く。」
2人の会話にイブが呆れながらも再度映像を流すのでもう一度じっくり見るように言う。
「ん~やっぱり何のもないよね?」
「うん、私もそう思う。」
「・・・はぁ。」
イブはため息を吐くとシロに何か気付くことはないかと尋ねる。
「シロちゃんは気付いたかしら?」
「はい、確かに。」
え、シロにはさっきの映像で何が起きてるのかわかったの?すごくない?
「ではお兄ちゃん、今の映像はどういったものでした?」
「今のはただ普通にローズがずっと防御魔法を使ってるだけのそんなものだったと思うよ。」
「ユウキさはどうですか?」
「ん、私もマサ君と同じよ。」
イブと同じ苦笑いを浮かべるシロを見て僕とユウキは顔を見合わせる。
「先ほど映像、本当にただ防御魔法を使ってるだけでした?」
そうは言われても特に不思議な点は無かったように思えるんだが。
「じゃあ、紺野君、メアリさん、もう一度映像を流すからよく見ていてね。」
イブ再び映像を再生する。今度は何が起きたのか決して見逃すまいとモニターに顔をおもいっきり近づける2人。逆に近すぎておでこをぶつける。
「そろそろいいかしら~?」
「「あ、どぞー。」」
村正とユウキは照れながらも映像の再生を求める。
2人は僅か30秒間に一体何が起きているのを探るべくモニターの端から端まで砂塵一つ見逃すまいとじっくりと見る。
「あ、なんか飛んだ。」
「え、どこ?」
ユウキが何かが飛んだことに気付いたが村正はまだ気付かなかった。
「もう一度今のところお願いします。」
ユウキはイブにそう伝えると、今ユウキが気づいたところだけを再生するようにお願いする。
「ここからでいいかしら?」
「はい。」
「じゃあマサ君ここよく見てて。」
ユウキは村正に画面の中心の少し下の方を指さし村正に注目するように言う。
再生されてから2秒ほどしてから画面に何か岩のようなものが飛んで来るのが確認できた。
「ああ、なんか飛んでるね。」
「それとここも。」
ユウキがローズの防御魔法を見るように指さす。そこを見るとユウキの言う通りローズの防御魔法によって展開されているシールドの色が魔法用の緑とは別の青い色に変化したのが確認できる。
「イブさん今飛んできたのて。」
「簡単に言えば岩の塊ね。」
「岩の塊、ですか。」
「そう、簡単に言えば紺野君のドン・ランスが塊となって発射されたのと同じね。」
緑色のシールドは魔法攻撃に強い防御壁であり青い防御壁は魔法攻撃ではない攻撃に有効な物となる。レムが魔法攻撃の中にただ物を飛ばした、と言う行為を混ぜて居た。その飛んで来る物をしっかりとローズは見極めて居た。
「一瞬で防壁を入れ替えた、ということか。」
「そー言うこと。」
さらにイブは続けてこうも言う。
「つまり、いくら防御魔法の弱点を突こうと攻撃の方法を変えても向こうにすぐに対抗策を取られておしまい。はい、さよなら~。」
手を振るイブはこれで村正の考えが甘かった言う。
「まあ、紺野君なら別に問題はないだろうけど。」
「マサ君なら問題ないって?」
「紺野君ほどの魔力お化けならそのバカみたいな魔力でどうとでもなるってことよ。」
村正は自分が脳筋と言われたような気がしてしかめっ面になるがそれをシロがごまかす。
「でもメアリさんはそうとはいかないでしょ。」
「まあそうですね。」
ユウキの声が小さくなったことに村正とイブは気付かなかったがシロだけはそれに気づいた。だが、白の視線に気づいたユウキはシロに「シッ」と自身の唇の前で指を立てるとシロは少し悲しそうな目をする。
「それで、メアリさんはどう対処する?」
「ローズが防御に徹するようになってまだそれほど時間が経過しているわけではないのでまずはローズ自身にミスをさせようと思います。」
「相手のミスを狙う?」
村正が不思議そうにユウキに何をするのか訊ねる。
「うん、ローズはああ見えて意外と集中力が持たないから。」
「でも、防御に徹するのにはすごい集中力を使いそうにも思えるけど。」
「確かに魔法にはしっかり集中すると思うわよ。でないと防御魔法なんてすぐに崩れると思うわよ。」
ん、防御魔法って集中しないと崩れる物なのか。
「あのね、マサ君や上級生じゃないんだから防御魔法使いながら他のことするなんてそう簡単に出来るようなことじゃないの。」
あ、そうだったんだ。
「それで、メアリさんはどう戦うの?」
「ローズは不意を突かれると急に体制が崩れるんです。」
イブがユウキにどう対処をするのか訊ねるとユウキはローズの体制を崩す方法を取ると答える。
「でも、この試合の映像を見る限りはそう言う類のことが苦手、っていう風には見えないけど。」
「――それは相手がローズの不意を突こうとせずに真正面からの攻撃からしか行ってこなかったからよ。」
ユウキの言う通り、このときの相手、レムは真正面からの攻撃に徹しており、防御を得意とするローズを攻略するにはいささかいい方法とは言えない。だが、このときもし背後からの攻撃が一発でもあればもしかしたら形成は変わっていたかも知れないとユウキは言う。
「不意を突いたとしてその後はどうする?きっとすぐに体制を立て直すわよ。特に相手があなたなら尚更。」
「私、動体視力にはそこそこの自信はあるつもりです。魔法に発射に要する時間も初級魔法と一部の中級魔法までなら3秒かからずにできます。」
・・・ユウキってここまで出来るようになっていたのか。僕は今でも中級魔法の発動には5秒前後を要する。もしさっきの試合の相手がユウキだったら負けていたかも知れない。
「へー。ユウキさんやるのね。確かに昨日の試合では中級魔法の詠唱の短縮をやってのけたしこういうところでは紺野君よりメアリさんの方が勝っているのかも知れないわね。」
村正に「どうする?」みたいな視線を送るイブに対し村正は単純にユウキに感激する。自分ではまだ完全にはできあないことの一つである中級魔法の詠唱短縮。これはたとえ上級生でも簡単に出来るようなものではない。最も4年生以上になれば殆どの人が出来る。
「すごいなユウキ。」
「マサ君にはどこかで勝っておかないと。でないとすぐに追いつかれるか離されるかになっちゃうから。」
このときも若干ユウキの顔が曇ったのにシロが気づく。シロはユウキが村正に対して何かしらの気持ちを抱いていることに気付いている様子である。だが、そのことに村正とイブも気付かない。
「じゃあ、メアリさんは中級魔法中心?」
「そうですね。ローズは攻撃系の中級魔法は得意としてないでしょうし。」
「そうね、これを見る限りでも私もそう思うわ。」
「ただ、防御系の魔法はかなり手強いと思うので時間はかかりそうです。」
「時間、かかると厳しいわよ?」
「そうなったら体でどうにかしますよ。」
ユウキも村正と同じく物理攻撃の申請をしている。いざとなったらそれでどうにかするらしい。
「それがメアリさんの戦い方なのね。」
イブがユウキにユウキの戦い方に付いて問う。
「まだ私の戦い方というのがよくわかりません。もしかしたらこれは私にとっては最善ではないかもしれませんし。」
「なら、」
イブが続きを言う前にユウキが遮る。
「他にいい方法がもしかしたらあるかもしれませんが今の私にとってはこれが一番の最善策なんです。」
それを言うユウキの顔は自信に満ち溢れていた。
「そう、ならもっともっと上手に動きまわれるように対策、取らなくちゃね。」
そう言うとイブは手に持っていたホットドッグを一気に飲み込むと一気にこの試合で上げられる点を上げ始める。
「まずは、ここ注目!」
イブが指すのは試合が始まってからローズが防御魔法を完成させるまでの間。注目すべき点はローズが防御魔法を完成させるまでにかかった時間。
「大体サトゥルヌさんが完全に防御魔法を完成させるまでにかかる時間は20秒よ。」
「でもさっきは一瞬で。」
村正の言う通り先ほどは一瞬で魔法体制から物理体制に変換させてきたローズ。だが、イブが指摘するにはローズは一番最初の時に限ってはこの限りではないというのがイブの見解。
「つまり始まってから20秒以内に先制攻撃が出来ればユウキに勝機があると。」
「何も別に20秒なくてもいいのよ。」
「どういうことですか?」
「ここを見て。」
イブが映像を早回しし見せたのはレムによって激しい攻撃を凌いでいる時の映像。
「これを見て何が。」
「これだけだとわからないかな?」
村正がそう言うのでさらにイブは映像をとあるところにピンポイントに視点を当てる。そこはローズの展開するシールドの一部分。
「ここのとこをよく見て。」
村正とユウキはモニターにぐっと近づく。
「「あ。」」
「わかったかしら?ここの部分の防御壁に若干の亀裂があるでしょ。」
ローズによって展開されている防御魔法のシールドの上部にわずかに亀裂があるのが確認できる。ローズもそのことに気づいたらしくすぐに修復に入る。このときにレムがその亀裂に集中攻撃を当てていたら恐らくローズの防御壁は簡単に壊れていただろう。
「この防御壁は一点に大きな力が加わると恐らく亀裂が入る。」
「成程。」
「恐らく、魔法攻撃の中でもエネルギー系のではなく実態にある物の方が有効ね。」
「実態?」
「例えば槍とか、岩とか。反対に炎とかはあまり大きな効果をないと思った方が良いわね。」
魔法攻撃は大きく2つに分類される。一つは炎や水、光と言ったエネルギー系の魔法。もう一つは槍や岩の塊を飛ばす物理系の魔法。それにより有効な防御魔法にも若干の違いが出て来る。防御魔法は使用者によって大きな差を生む。村正のように1つの物でどうにかなる人とこのモニターのローズのように複数使用する者がいる。この防御魔法の違いには特に魔力の量とかは関係なくその人の特性に近い物となる。
1つ違いがあるとすれば複数使用できる方が防御系の魔法の習得が早いとうことが挙げられる。
「ローズは他にどんな方法を?」
ユウキはさらにローズを研究しようとイブに食い入るように近づく。
「あ、うん。ちょっと待ってね。」
イブはユウキに言われて抑えるところを教える。
「大体こんな感じね。」
一通り見終えてイブはユウキに最後の一言としてイブなりのアドバイスを送る。
「私から言えるのはいつも通りのあなたでいればいいと思うわ。」
「いつも通り?」
「そう、魔術祭だからと言って変に意識するとそれだけで調子が狂っちゃうと思うから。」
・・・なんだろう、ユウキのアドバイスなのになんとなく僕への当てつけに聞こえる。イブさんも分かってるのか僕の方を見てにやけてる。
「わかりました。」
「うん、そのいきよ!」
イブが大きく頷く。それに応える様にユウキも頷く。
「それでは、そろそろ私時間なので行きますね。」
「ええ、頑張ってね。」
「ユウキ、頑張って。」
ユウキは村正のことを見つめてから言葉を一瞬だけ詰まらせながらも、
「うん、勝つから見てて。」
ユウキはそう言うと勢いよく部屋から出ていく。それを見届けたシロが慌ててユウキを追う。
「シ、シロ?」
村正はシロの思いもよらぬ行動に驚愕する。あのシロがまさか自分から村正の元を離れるとは思っていなかったので。
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シロはユウキの後を走って追いかけていた。
「あの、ユウキさん!」
ユウキは突然大声で自分の名前を呼ばれて驚いたように立ち止まり振り返る。そこに走って来たシロが突撃する。
「ふぎゅ。」
「あ、ごめん。大丈夫?」
シロは鼻をさすりながら「大丈夫です」と応じる。
「それで、どうしたの?」
「その聞いて良いですか、ユウキさんがお兄ちゃんに感じていること。」
「ははは、やっぱりシロには気付かれてたか。」
ユウキは頭の後ろを掻きながら、
「特別こう、というものはないよ。」
「では、」
「ただ、私はあいつには負けたくないのさ。」
ユウキは自分の内に留めていたことをシロに打ち明ける。
「私もマサ君はすごいと思うのよ。だからこそ、マサ君がまだできないことを先にやって一歩でも2歩でも先へ進まなきゃいけないんだ。」
「先へ、ですか?」
「そう、でないとすぐに追いつかれてすぐにマサ君は先に行っちゃう。」
ユウキはシロの目をしっかりと見める。
「今は私とマサ君の差はまだ小さい。でもきっとあと何年かしたらきっと追いつけないくらい遠くに行っちゃう。そんな気がするの。」
「遠くにですか?」
「それは多分、シロが一番感じてるんじゃないのかな?」
シロはそれを言われて自分の小さな胸に手を当てる。ひょっとして自分が村正に感じているのものがそれなのかと。
「お兄ちゃんが遠くに・・・」
「シロはその時もずっと一緒にいてあげられるたった1人かも知れないんだから。」
村正がずっと遠くに。ユウキの言う遠くというのが比喩なのかそれとも本当に村正は遠くに行ってしまうことを指しているのか今のシロには感じ取ることが出来ない。
「私は次の試合に勝つ。そしてマサ君と当たるまでは絶対に負けない。」
「はぁ・・・」
シロはユウキの決意を聞くとその目を輝かせる。
「私は私のやり方でマサ君に追いつく。」
「ユウキさんのやり方。」
「そう、そうやって私はマサ君との差を縮めたいの。」
「ユウキさんがお兄ちゃんに感じているのはライバル心、でいいんですか?」
ユウキは少し考えてからシロの肩を軽く掴むと、
「今はそれでいいわよ。」
「分かりました。ユウキさん次の試合頑張ってください。」
シロは両手で小さくガッツポーズを作るとユウキも片手でそれに応える。
ユウキアはシロの頭を撫でてからシロの元を後にする。
「あ、シロさ。」
「は、はい。」
「マサ君から離れけどいいの?」
シロは、はてな?という顔をする。それから何かを思い出したように「あ!」と言う。それから慌てて走って戻るシロを後ろ目に、
「マサ君、生きてるかな・・・」
ユウキは試合前に何でこんな心配をしてるんだろうと考えていた。
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ダダダダダ、
「お兄ちゃん!」
勢いよく会議室のドアを開けたシロの目に飛び込んだのは衝撃の光景だった。
「あ、シロ?もっと早く帰って来てほしかった。」
シロが見たのは雷に打たれたように黒こげになった村正だった。
「お、お兄ちゃん。ごめんね。」
「ケホ。」
次回At40.ユウキの戦い




