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At3.こんなことあるかー

 「ようこそネレラルへ、そして我がクレア学園へ。」

  

 はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?

 それはとんでもない衝撃だった。え?目の前にいるのって間違いなくあの人だよな。


 「あ、あのもしかして、イブさんですか?」

 「ピンポンピンポン大せーかーい。」

 

 うっわ、この人何やってんだよ。何で天使がこんなところにいんだよ。

 

 「何やっているんですか?」

 「ん?ここで先生やってますよ。」


 はーー?こっちが拍子抜けしていると後ろから不意に、バンと大きな音がした。


 「お母さん、また勝手に入って。一応ここは学長室なんだから許可なく入らないっていつも言ってるでしょ!」


 入ってきたのはあの天使ことイブとそっくりな女性。エレンさんもあれって顔をしている。


 入って来た女性に怒られるイブ。村正はまだ状況が飲み込めていない。


 「あら、シーちゃんお帰りー。」

 「お帰りー、じゃない。もう何してんのよここで?」

 

 「あ、あのあなたは?」

 「えっと君が紺野村正君かな?私がここの学園長シギー・エレニアルです。ごめんね、お母さんが揶揄ったりして。それにしても、エレン君までもが間違えるなんて。」


 エレンさん、とばっちりドンマイ。

 

 「申し訳ないです。」 

 「そして、そこのエレン・ドーチェル君がこの学園の生徒会長。」


 それにしても母ということはこの人はあの人の娘ということか。それにしても、この人あの天使とそっくりだろ。双子とか言われても違和感ないぞ。


 「あ、あの大変失礼ですが・・・」

 「うん、何かな?」


 恐る恐る、そのシギーさんに聞いてみる。

 

 「今、おいくつっ、」

 「え?今なんて言いました?」


 やっぱり殴られた。そんなに嫌ですか?自分の年齢が問われるの。


 「あらかじめ言っておきますけど、私と母は、かなり年齢が離れていますから。」

 「と言いますと。」

 「お母さんは、魔法で老化を抑えているのよ。」


  なに、そんなことできんの?この人は、そんなせこい方法で若作りしてんのか。どんだけだよ。元の世界の住人が知ったら全員魔法極めるぞ。


 「そう言っても、魔法を極めた人はみんなそうするわよ。」

 

 この人以外にもいんのかよ。みんなそんなに長生きしたいのか。


 「なんでそんなに、老化を抑えたいんですか?」

 「紺野君、君はどうして魔法使いが自分の寿命を延ばしたいと思うと考える?」


 え、何急に。なんだろう、ただ長生きしたいからではないんだろうな。いや、でもこの人ならそんなことでもあり得るか。


 「若作り。」

  

 ドン・・・

 思いっきり何かにドアまで吹き飛ばされた。


 「失礼ね、そんな訳ないでしょ。」


 顔を赤くしながらイブが声を大にしていった。


 「今のは?」 

 「簡単な衝撃波よ。本気を出したらこんなもんじゃないんだから。」


 そうなんだ、やっぱりこういうところはしっかりしてんだな。魔法を極めるということはそういうことなんだな。


 「それで、なんで長生きしたいんです。」

 「これは、ほぼすべての魔法使いに言えることだから、君も覚えておくといい。」


 そういったのはさっきから黙ったままのエレンさんだった。

 

 「私たち魔法使いの目的はね新たなる知識の発見なんだ。魔法は日々進歩し続ける。それが一体どこまで行くのかをこの目で見てみたい。そして自分がその発見者になりたい。そんな心理があるからなんだ。」


 「そして、お母さんは今もそれを探している。」

 

 (正確には、もう見つけたんだよね。)

 (え、どんな?)

 (今、君がいるこの状況が正にそうだよ。)


 なるほど、この人はどういうわけか、別の世界の人物をこの世界に連れてくる方法を見つけたわけか。なんとも迷惑な。


 「さてと、随分と長くなったけどそろそろ本題に入りましょうか。」

 

 あ。思いっきり忘れてた。そういえば何で僕はここに呼ばれたんだろ?


 「紺野君、君は今年度唯一の男子生徒です。」


 はい?


 「今なんとおっしゃいました?」

 「つまり、一年生の男の子は君だけなんです。ハーレム万歳。」

 「ちょ、ちょっと待ってください。ここって共学ですよね?なんでまた。」

 

 いやいや、そんなことあるかって、いったいどこのアニメだよ。何がハーレム万歳だよ、そんなことを満面の笑みで言われても困るんですけど。エレンさんは、あちゃーみたいなリアクション取ってるし。


 「すまない、紺野君実は魔法は女性の方が適正が高くなるんだ。だから本来この学園の男子はいないんだ。それがどういうわけか私はここに入学できるほどの適性を持っていてね、学園始まって以来の男子生徒となったんだ。」

 「エレンさんが初?」


 なんてこった。エレンさんが入るまでここはガチの女子高だったということか。いや、でも自分が最初じゃなくてよかった。


 「そーそ、だから私も彼に興味が沸いてねここで先生をする傍ら彼に協力してもらいながら研究をしているんだ。」

 「先生をしてるって言っても滅多に教壇に立たないくせに何言ってんだか。」

 「もーシギーちゃん厳しい。」


 滅多に先生しないんかい!それ先生をしていると言えるのか。でも何で親のイブより娘のシギーの方が立場が上なんだ?


 「一つ聞いていいですか?」

 「「何かな?」」

 「何でシギーさんの方が立場が上なんですか?」

 

 この疑問に答えたのはシギーさんの方だった。


 「それはね、元々私が学長だったところに後からお母さんが来たからよ。」

 「後から?」

 「その理由はまた今度話すことにするね。」


 なんだか、濁されてしまった。なんか聞いたらヤバイことなのかな?あまり深くは追及しないことにしておこう。いつか話してもらえそうだし。

 そんな話をわちゃわちゃとしながらかれこれ一時間が経過した。


 「それでは、以上で私からの話は終わりです。」

 「結局なぜ僕はここに呼ばれたんですか?」


 さっきも沸いた疑問だがいまいち解消されなかったので改めて聞いてみる。


 「あー、今年は男子が君しかいないから頑張っててことと、久しぶりの男子だからどんな子なのかなって興味があったから、会ってみたくなって。」


 そんだけの理由で僕は呼ばれたのか。別に直に会って話さなくてもよかったのでは?


 「あ、そういえばここに来る前にここの生徒に道を聞いたんですけどなんか僕のことを知っているみたいなんですけど、男子ってそんなに珍しいことなんですか?」

 「確かに男子っていうのもあるとは思うけど多分理由は別かな?」


 別?どういうことかな?


 (今からいうことには話を合わせるんだよ。)

 (え?ど、どういうことですか?)


 「だってほら紺野君、君はイブさんの推薦だろ?イブさんは、この国だけでなく世界的にも有名な人だから、そんな人の推薦なんてことすぐに広まるさ。」


 エレンさんからとんでもないことを聞かされた。え?何僕イブさんに推薦されたことになってんの?この人ほんとに自由すぎないか?なるほど、僕はこの人の推薦で入学することになってんのか。だとしたら周りの人からの変な期待とかありそうで怖いな。


 「そういうことだったんですね。僕は特に気にも留めてなかったので。」


 (その調子で今後もボロがでないように気を付けるんだよ。)


 「失礼しました。」


 学長室を後にした僕は学園の寮棟へと向かった。寮は学園の中にあり学園の西側にある。この学園は無駄に広く寮棟まで軽く十分はかかった。


 「ここかあ。えっと僕は401号室。」


 寮に入ると入り口で警備の人の学生証の提示を求められた。学生証は至って普通の物で特にこれといった機能はない。しいて言えば寮の部屋のキーになっているくらいだ。

 入り口で学生証を見せると、部屋の場所を教えてくれた。この寮は十字型になっており僕の部屋があるのが、東側の一番右になる。

 この寮はクロスと呼ばれているらしい。他の建物にもこうした名前がついているらしい。全部で8階建てで一部屋二人で使用するらしい。因みにエレンさんは生徒会長の特権で一人部屋にしてもらっているとか。うらやましい、僕も一人がよかった。最上階に浴場(女子専用)、2階に食堂がある。

 さて、入りますかな。


 コンコン、・・・

 一応ノックはしておく。誰もいないようなのでドア横の紋章に学生証をかざす。ピピッと音がすると部屋のドアが開いた。中に入ると意外と広かった。学校の寮というともっと質素な感じのをイメージしていたので、ちょっとびっくり。前に一度友達の寮の部屋を見せてもらったことがあったが、かなり窮屈な感じだったのを覚えてる。


 「へー、結構広いんだな。お、キッチンまであるのか。」


 思い思いに部屋を観察していると、ピピッという音がした。誰か入って来る。


 「ふー、やっと着いた。わー広ーい・・・あれ、先に誰かいるの?」

 

 そう言いながら入って来たのは、赤い髪のショートカット女の子だった。


 「えっと、今日からここにお世話になる・・・えっ。」

 

 彼女が言葉を止めた。当然と言えば当然か。入って来たら本来はいないはずの男子生徒がいるのだから。


 「あ、驚かせてすみません。僕は、紺野村正って言います。今日からよろしく。」

 「あ、ああこっこちらこそ。私はユウキ・メアリ。ごめんね、まさか男の子がいるとは思わなかったから。」

 

 やっぱりそうなったか。


 「いえ、こちらこそ驚かせてしまったみたいで。やっぱり男が同室だと困りますよね?」

 「ううん、別に気にしなくても大丈夫だよ。実家じゃあ、上は男共ばっかだったし。それにしても、今年は男子生徒がいるのか。ちょっとラッキー。」


 よかった、こういう時たいていアンチ男子の子とかがやってきて、冷たくあしらわれたりすることもあるだろうし。


 「そうなのかい?」

 「ああ、滅多に男子がこの学園に来ることはないからね。うーん、コンノ・ムラマサ君かー。もしかして、ムラマサが名前かい?」

 「そうだよ、そんなに変かな?」

 「うん、こういう名乗りをする人は滅多にいないっていうより殆どいないんじゃないかな。」


 確かにそうかもしれないな。元の世界でもこんな名乗りをするのはそう多くはなかったし。でも、この名前逆からいうとちょっと違和感があるんだよね。

 

 「もし、よかったら君の好きな呼び方でいいよ。」

 「いいのか?じゃあ、マサ君!これでいい?」

 「構わないよ、親にもそう呼ばれたし。」


 そういえば母さんもそう呼んでたな。何でか聞いたら村正って呼ぶのが面倒と言われた。何でこんな名前にしたのか謎だが。


 「マサ君、私のこともユウキでいいよ。」

 「わかったよ、ユウキ。」

 

 こうして、互いの呼び方が決まった。

 

 「そうだ、一ついい?」

 「うん?」

 「今から着替えるからちょっと外出ってもらえる?」

 

 やっぱりこうなったか。これから、こういうことが続くんだろうな。


 「はーい。終わったら呼んでくれ。」

 「了解ー。」


 ユウキは敬礼をしながら僕を見送った。やれやれ、何はともあれ入学式まであと二日。入学式が待ち遠しい。

 


 

 

次回At4.クレア学園入学

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