君の名は。を一度も視聴したことない奴が、タイトルから想像で話を構成してみる
第一章「そもそもジャンルが不透明。あれって恋愛映画?」
「君の名は?」
外の喧騒遮断された静かなカフェで私はある人と対峙していた。
年季の入った木製のテーブルに木製の椅子。どれも私が数年前に
上京した時より少し色褪せたように見える。だが、懐かしさも愛着も変わっていない。
私がしきりに店内を見回しているのを彼は怪訝に思っているだろう。
後生なんだ。許してもらいたい。
私の目の前に佇む青年がもう一度、歪んだ笑いを浮かべつつ聞いてくる。
「君の名は?」
彼は知っている。今しがた聞いた私の名も、
私がいつか目の前に現れると予想していたことも。
これが試合終了の合言葉だということも。
まぁ、いい。いいでしょう。元々こうなるだろうとは予想していた。
なら、私の行動は予定どおり一つ。
悪あがきは醜くてこそ花がある。
後ろに手を組み、口を開く。
「私の名前は」
ー一週間前ーー
階段で通りすがりのだれかとすっころんで体が入れ替わった。
改めて文字にすると、物凄いインパクトだ。
だが、ここまで非現実的な事だと焦りや戸惑いさえ沸いてこない。
へぇ。て感じだ。無の心。今なら悟りを開けるレベル。
まぁ、解脱するにしても他人の体じゃ問題ありそうなのでそれは又の機会にしよう
そろそろ現実逃避はやめにして、現実離れした事実に目をむけようか。
入れ替わり....特に思うことはないか。俺の脳は考える事を放棄しているらしい。
いや、これは入れ替わった奴の脳か?だとしたら俺は問題ない。そうあってくれ。
...入れ替わりについて一つ文句を言わせてもらえば、相手が男だったこと。
何が悲しくて野郎と体の物々交換しなくてはならんのか。
女だったらまだマシ、いや、...良かっただろうに。
事故った時を思い返してみよう。
階段から転げ落ちた後は病院に運ばれ、なんやかんやで
足の骨にヒビが入った俺は入院。相手さんは事故現場から逃げ出したらしい。
おいおい。俺の体。
...なるほど。テンプレ感が凄いな。とくに階段で転んだ拍子に入れ替わりの部分。
そんなわけでただいま病院のベットで療養中。
「あー、暇だー」
頭の中はこんがらがって体は全く動かないこの状況....たぶん暇、ではないかな。
「俺は人生でも一二を争う一大イベントだと思うぞ」
顔を上げると死神がいた。
ヤメテー。
これ以上、衝撃と面倒事には耐えられないから。俺の弱小cpuが。