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sweetsweet3

「おーどうした美愛(みちか)怖い顔して。もしかしてあれか?女の子の日ぶべらっ」



羅刹丸の最低の発言を美愛はグーで顔を殴って無理矢理黙らせる。最初は痛そうな素振りをしていたが暫くして、ヘラァっとした顔に戻り美愛を見つめる。


間違いない。

コイツ、私の事を小馬鹿にしている。

羅刹丸の人を見下したような目付きはいつもの事だが羅刹丸は美愛をいじる時だけは本当に愉しそうに笑っている。



「…アンタが妖刀じゃなかったら私は真っ先にアンタを殺してるわ。私が退魔師を引退してアンタが用済みになったら絶対殺してやる」


「へへ、じゃあその時まで仲良くやろうぜ相棒」


「ベタベタ触んな変態!地獄の底まで案内してやろうか!」



ガルルル!と美愛は羅刹丸に獣のような威嚇をする。今にもリアルファイトに発展しそうだが近くで見ている紅葉はクスクス笑って



「二人共、仲良いなぁ」



と言う。先程も言ったがこんなやり取り日常茶飯事で紅葉は慣れっこなのである。そして、当然の如く紅葉が発した言葉は美愛と羅刹丸には聞こえていないみたいで、だが、聞かれたら聞かれたで多分仲が良いと見える理由を一時間ほど尋ねられそうなので



「羅刹丸さんがその新里篤さんから微弱に呪いの気配を感じたって事はやっぱり今回の事件って妖の類いが絡んでるって事?」



紅葉が脱線しかけた話題を軌道修正する。

羅刹丸はいち早く気付き美愛の飛び付きをスルリと避けて、紅葉に近付く。美愛はべチャっとファミレスの床に倒れた。



「まぁそう言うこった。しかも微弱ながらに強い怨念を感じた…キヒヒヒ、もしかしたらデザートみたいな味がする妖かもな」



妖の類いは暇や、霊力を渇望している。

羅刹丸は暫く霊力を補給していない。そして強い妖なら食して、自分の力にすることもできる。



「切れば切るほど刀が強くなる、まるで妖刀ムラマサだな。俺様はそんなお行儀悪くネェけどな…おい美愛ァッテメーいつまで床に伏せてんだ」



雑に呼ばれ、凄い苛ついた顔で美愛がムクっとその場から起き上がる。一般の人間には羅刹丸が見えないので、他の客に先程の行動は美愛が物凄く愉快なパントマイムをしているようにしか見えない。


起き上がった瞬間、ひそひそと噂話と美愛に刺さる目線が痛いが、美愛はそんな事に気にも止めずに首の骨をゴキゴキと鳴らす。



「わかってるわ。カチコミに行くんでしょ新里家に」



首の骨をゴキゴキ鳴らしてそんな事を言う美愛は事情を知らない人間だったらヤクザか何かにしか見えないが、羅刹丸はニタァと笑って



「わかってんじゃねーか。俺様に強い妖を喰わせろ、そして強い妖を切らせろ」



物騒な事を言ってるが、羅刹丸はとどのつまり、物凄く暇をしているだけなのだ。


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