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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

歪んだ者

作者: 目鯨 鷹人

適当に書いたのでお気に召さないところがあるかもしれませんのでよろしくお願いします

 

 私はこの世界を生きた。


 私の人生はなんといえないものだった。幼いころ母親を亡くし、孤児院に送り込まれるが私には訳も分からずただ大人に従うだけだった。


 それから一年経ち私は売られた。売られた女たちはそれぞれ工場に連れて行かれて働かせられた。私も例外ではない。

 私はそもそも何もできない。ただ従うだけ。

 親からの愛情も受けず育つ赤ん坊、サイレントベービー、私だ。そのせいかもう十歳になる私は気味悪るがれた。だけど気にしない。私はただ従うだけ。その日、その時の主人に従うだけ。

だが、それも長続きはしなかった。私はその日、二度目になるのか捨てられてしまった。

何が、どこがいけなかったんだろう。私は初めて考えた。

けれども行き着く先は「私は“何もしていない”。」

そう私は何もできない。

ならどうするか。何もできないなら何かすればいい。私はそう考えた。


 私はガラスの破片を握り、私を捨てた人の家に忍び込む。私を捨てた彼女は自室で食事をしていた。私はこっそりと開けてあった窓から中へはいる。彼女は気づきもせず、何か考えているのか少し上を向いて食事をしていた。私はそのまま口を押え喉を掻き切る。私の手はガラス片を強く握ったせいなのか彼女の喉を掻き切ったせいなのか血まみれだ。

けれど私は怯えない。なぜなら私は常に見ていたからだ。四歳のころから。それは普通の人には見えない。いや見えない方がいいかもしれない。


苦しみと言う名の“血”を。


絶望と言い換えてもいいかもしれない。私の目には常に人の苦しみと絶望が見えていた。それは時にはきれいな赤、時にはどす黒い赤でさまざまな赤い色を私の目に映し出す。


 私は彼女を殺してから彷徨った。それも何年か分からない。どこで何をしたかはないも覚えていない。だが一つだけ記憶に残っていることがある。


『 Jack the Ripper 』


みんな私のことをそう呼んでいた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませて頂きました。短い中で引きこまれるような魅力を感じて、この子の物語の続きをもっと知りたくなりました。他の作品も読ませてもらいます!
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