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掲載日:2025/08/09

彼は泣いている。朝からずっとだ。

飼っていたペットが亡くなったからだ。

名前はファンタ。ボーダーコリーだ。

もう10年以上一緒に居た。いつも一緒だった。

そのファンタが亡くなったのだ、こんな悲しみは無い。

2カ月前から異変はあった、だがすぐ治ると信じてた。今思えば後悔しか無い。

やがて泣きつかれ寝てしまった。起きればまた悲しみが襲うだろう。


無事火葬も済みしばらくたったある日、自宅の目の前に小さな段ボールが。

のぞいて見ると動く小さな生き物が。

[誰かが捨てたのか?全くなんて事だ]

よく見ると子犬である、僕ゆっくり抱き上げた。

[行くとこないならウチに来るか?寂しかったし]


その犬は彼のペットとなった、どんな名前か悩んでいたが彼はファンタと名付けた。特に悩む事もなく自然に出てきた名前だった。


彼は毎日が満たされていった。子犬の世話は大変だが彼の悲しみを埋めるのには充分だった。ファンタの毎日の仕草が彼を癒していった。このままずっと続いて行けばと彼も思っていた。


ある朝、ファンタが居ない。どこを探しても居ない。彼は慌てた、どこからか外に出たのでは無いか?

誰かにファンタを誘拐されたのか?

どこにも居ない。あるのは昨日おやつをのせていた空の皿しかなかった。また悲しみを彼を襲った。

半ばパニックになった彼は先代ファンタの眠る霊園に居た。

何故ここに来たのか本人も解らないしどうやって来たのかも解らない。それほど彼はパニックになっていた。

先代ファンタのお墓に彼が着いた時、彼の頬から涙が溢れた。


お墓には昨日ファンタに与えたおやつの残りがあった。

あの時、段ボールにいた子犬は亡くなったファンタだったんだ。


彼は考えた、ファンタは何を言いたかったのか?ファンタは何を伝えたかったのか?


しかし、今はどうでも良かった。

彼はお墓で一言呟いた。



[ありがとう、ファンタ。俺は幸せだったよ]






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