第1話「赴任」
異能力。それは人間が持つはずのないもの。ただ、世の中にはその異能力をもって生まれ、社会で貢献しようとする者もいる。また、その逆も・・・。
20XX年5月7日7時35分。澪高校職員室。
「えー。今日から1年K組の担任として来ていただいた酒場先生です。ほかの先生方もサポートしてあげてくださいね。」
「えっと、、、酒場亮一です。担当は、社会科です。よろしくお願いいたします。」
俺の名前は、酒場亮一。新人の教師である。
なぜ五月に就職したかは言わないが、4月に前任が辞めたということで採用された。
「酒場先生、K組はとても優秀クラスです。彼らの機嫌を損ねないようにお願いいたします。また、副担任の秋山先生。酒場先生の案内をお願いします。」
「はい。では酒場先生こちらに・・・。」
すごくおとなしそうな女性の若い先生が秋山風花先生である。
「これがK組の名簿です。できるだけ名前は早めに覚えたほうがいいかと思います。」
「わかりました。29名ですか。」
「そうです。酒場先生はすぐに辞めないでくださいね。」
「やめてください。そんな・・・。」
20XX年5月7日8時36分。澪高校1年K組教室前。
ガラガラガラ(酒場がドアを開ける音)
「え~~。今日からこのクラスの担任になった酒場だ。」
『あjふjgびおkjはjkxjkp;wqkjしwqhぢwqpjdじょwくぉいpぢwくぃhぢqwjdwくぃdhqhぢwくぃj』
「ちょっとあなたたち!!!酒場先生の話を聞きなさい!!」
その掛け声で教室は静かになった。だが・・・。
「なぜ??俺らが静かにしなきゃいけないのかわからないんだけど??」
「そうだ、そうだ。俺らを捨てたのはそっちだろ???」
「新しい先生だってすぐに辞めちゃうでしょ??」
「あなたたちね!!」
「なに???教師が異能力を使って生徒に攻撃でもするのか???いいぜ~~~!!!対抗してやるよ!!!」
「【灰】!!!!」
「なんだこれ・・・異能が使えないだと???」
「あんたでしょ???なにやってんのよ???」
「あぁ、、すまんな。攻撃はしていないさ。ここで問題起こされても厄介だ。秋山先生も落ち着いてください。」
「申し訳ありません。」
「ははは。結局親だとか学校側のことを持ってるから止めるんじゃないか???」
「何を言ってるのかわからないが確実に言えるのはお前らはまだまだだということだ。」
「はぁ??なにいってるのよ???」
「さっきの技はな『覚醒者』。つまり能力自制ができる者には効かないんだよ。秋山先生のようなな。どういうことかわかるか???」
「俺らが弱いと言いたいのか???」
「その通りだ。29人もいて誰一人として覚醒者がいない。所詮優秀といってもな。意味がない。覚醒は自分の能力が追い付いたらできる者だ。それまではここで勝てるように勉学や体力づくりを込めて学校生活を送ることだ。」
「まったく・・・。何を言ってるのかわからないが俺ら全員が今持ってる技をぶつければいいってことだよな???」
「そうだ、、、いくぞ。」
「酒場先生危ないです!!!!」
「ッチ。【灰硬化】!!!!」
「まったく・・・・。何をしてるんだ???話を聞いてなかったのか???今のお前たちは俺には勝てないって。」
20XX年5月7日8時57分。澪高校1年K組教室。
「いいか??君たちは勝てないんだ。むやみに攻撃をしてくるな。この学校にいる先生たちに危害を加えようなもんならお前らの身体に仕込んだ俺の【灰石】が爆発するようになってるからな・・・。」
「教師がそんなことしていいのかよ???」
「最初に倒そうとしてきたのはどちらだ???」
『・・・・。』
「ちなみに。【灰石】も覚醒したら勝手に消えるからな修業に励むんだな。」
「こんなところで過ごしてて覚醒なんてするわけ・・・。」
「いやするぞ。お前らが本気であればな・・・。あと、、、1人1日1回俺への攻撃を許す。だが、失敗した場合は2日は禁止だ。」
「なんだそれ???」
「すべて説明しなきゃダメなのか???お前らの試練だ。俺を倒せれば覚醒もしくは近いってことだよ。」
「まぁ、、とにかくお前らはまだ勝てないんだ。努力だな。あと・・・。秋山先生に謝れ。危害を加えようとしたこと。お前らを正そうとしたのにいうことを聞かなかったこと。」
「いえ、、、私は別に・・・。」
「いいんです。こいつらが悪いので・・・。」
生徒たちは謝罪をしていた。
20XX年5月7日9時05分。澪高校廊下。
「酒場先生、ありがとうございました。」
「あぁ、いえいえ。」
「あの生徒たちの身体に埋め込んだ爆弾???みたいなやつをとってあげてください。やはりかわいそうかと・・・。」
「あぁ、、、それはできませんね。」
「なななななんでですか????」
「だって、そんなすごいものあるわけないですから。あれはあの場を抑えるための偽作したものです。」