表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Gimlet  作者: 哀しき豆腐メンタル
Jewelry
8/18

06.Moonstone





「今月は『恋の予感』の"ムーンストーン"。

……ちゅうことで、今日の会場は店の屋上です」



「こんな勝手なことして、叱られないの?」



「大丈夫っすよ。このビル自体、オーナーのやし。

どうせ今夜も、お客さんは麗子さんだけやし」



「そう。……それにしても、素敵な眺めね」



「んー。満月やけど、やっぱ月見にはまだ早いなぁ」



「でも粋じゃない。苺のカクテルなんて」



「あ、気付きました?

6月の満月『ストロベリームーン』っていうらしいですね。

だから今日のは、"ストロベリー・フィールド"。」



「意外とロマンを重んじるわよね、君」



「え!『恋の予感』ですか?」



「そうね。もうちょっと頑張れば、

他の女の子がほっとかなくなると思うけど」



「あ、まだ頑張らなあかんのや。

ほんで興味ないっすよ、そんなん」



「じゃあ、どうしてバーテンダーに?」



「え。俺、モテたくてやってると思われてた?」



「違うの?」



「全然ちゃいますよ…………。

えーっと……まあ、元々酒好きやったのもあるし。

そんで……ツテがあって、とゆーか…………」



「なあに?歯切れ悪いのね」



「……オーナーが、その……兄貴なんで……」



「へえ、そうだったの。お兄さん、おいくつ?」



「えー、俺の5コ上なんで……31っすね」



「どんな方?君と似てる?」



「もうええんちゃいます?この話」



「だって、なんだか興味あるもの」



「……紹介しませんよ?」



「あら。

私、これでも一応、恥のない生き方をしてきたつもりだけど」



「ちゃいますよ。

……自信ないのは俺の方です」



「どうして?」



「だって……。

兄貴、頭も要領もええし……見た目もええし。

……そのくせまだ独身やし。やから……」



「つまり、私が靡かないか心配なの?」



「う……そうですけど」



「ふふ。試してみる?

『恋の予感』っていうものを」



「ぜっっっっったい、嫌」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ