1話 カードの裏側の世界
初投稿です。
誤字脱字等の指摘バンバンお願いします。
「は、、、?」
それを見た時、妃奈乃ひなのは自分の目を疑った。トーストの上にハムと目玉焼きを載せている目の前の人間を思わず妃奈乃は凝視した。
「???」
目の前に座る同居人は、目を見開き固まっている妃奈乃を見て不思議そうな顔をして首を傾げた。
「ひなのちゃんどうしたの?トースト冷めちゃうよ?」
同居人はそう言い、手に持っていたトーストを1口食べた。
(た、食べたぁ、、、えぇ、、、?)
妃奈乃は未だに目の前の光景から目を離せなかった。
「る、るなさぁ、それ、美味しいの、、、?」
妃奈乃は意を決して妃奈乃に問いかけた。
いや、わかっている。妃奈乃もわかっているのだ。同居人、もとい、月愛るなは少なくとも月愛にとっては、美味しいからこそわざわざそうしているのだと言うことは、、、。
「え、何が?トーストのこと言ってる?」
「そ、そう。」
トーストのことに決まっているだろう、他に何があると言うんだ。
そう叫びたい気持ちを抑えて妃奈乃は冷静に頷き返した。
「当たり前に美味しいけどそれがどうかした、、、?」
当たり前に!?
妃奈乃は急にわからなくなってしまった。
もしかしたら自分がおかしいのではないか。
確かに私は友達が少ない。だから今まで偶然出会わなかっただけなのかもしれない。なんならこれが世界のトーストの食べ方のスタンダードなのかもしれない。私の周りが逆張り人間で固まっていただけなのかもしれない。
だが、だが、そうだとしても、、、。
冷静に考えてトーストの上にハムと目玉焼きと「イチゴジャム」の組み合わせなんて美味しいはずなくないか????どう考えてもお互いの良いところを潰しあう負の産物にしかならなくないか????それとも私の味覚がおかしいのか????
妃奈乃は怖くなってしまった。もしかしたら私の月愛への返答次第で今まで私が当たり前だと思ってた世界は崩れてしまうのではないか。数秒で私が生きていた世界は全く知らない世界にうつり変わってしまうのではないか。
妃奈乃はそう、恐怖した。
そして妃奈乃は恐る恐る口を開いた。
「いや、なんでもない、、、。いただきます、、、。」
妃奈乃は自分の世界の変革を恐れ、何も見なかった、という道を選んだのだった。
しかし、この数分間で妃奈乃の世界は既に崩れ始めてしまった、、、。カードを捲らないという選択肢を取ったことで、妃奈乃はよりカードの裏側の世界を意識してしまうようになった、、、。
(もう、何も、信じられない、、、。)
妃奈乃ちゃんそういうところやでって話。
ちなみにイチゴジャムとハムと目玉焼きの組み合わせはやらない方がいいです。やるならハムのイチゴジャムの組み合わせは意外といけます。ただし目玉焼き、お前はダメだ帰れ。