手掛り
「お前、今日ぐらいゆっくりしたらどうだ ハイネも侯爵夫妻と明日グライシス領に帰ってからそのまま学園に帰るのだろう」
父上に呆れられながらそう言われたが
「いえ、先にヨハンのことをできれば冬が来る前に見つけ出したいのです
父上に相談させていただくのにティコもシファーも一緒にいる今日が一番いいかと思いました」
「まあ、そう言われてみればそうだが」
「では、早速ですが報告させていただきます」シファーが話し出そうとした時
部屋の扉のノックする音がした。
「殿下、ユリアス・ジェレミー卿が至急お話したいことがあるとお見えです」
ユリアス先輩今日お祝いに来てくれて帰られたはずなのに・・・・・
「入ってもらってくれ」何か予感がしてそのまま会議の間に入ってもらった
「リル、祝いの日にすまない。どうしても今日話さなければならないと思い引き返してきたんだが、ジーゼメリウス公爵もいらしたとは、お邪魔ではなかったでしょうか」
「いや、ジェレミー卿よければわたしも話を聞かせてもらえるだろうか」
「実は、以前アルという商人から聞いた「蛇の紋章」のことなのだが・・・・」
「何かご存じなのか? 」
「実はあれから思い出そうとしたところ・・・・・ユーゴスの部屋でそのような本を見た事を思い出し、ユーゴスの部屋を調べたところ部屋の隠し部屋に蛇の紋章が掲げられていたのだ」
「ユリアス先輩一度その部屋を見せていただけないか 明日にでもご一緒に伺わさせていただけないか」
「それで、ユーゴスは、今どこに? 」
「わたしもずっと探していたのだが見つからず、ただ、ユーゴスと一緒にいるはずのパトリシアがカリオス王国の隠れた離宮にいるのをミルフィーが偶然見つけたのだ」
「何だと!」ティコが思わず立ち上がった
「ティコ、落ち着け!では、明日わたしはユリアス先輩とジェレミー公国に行き、部屋を調べてくる ティコとシファーはカリオス王国に行き離宮を探してきてくれ」
「かしこまりました」
「父上、この事をグリー師匠に連絡していただけますか? ユリアス先輩すまないが、魔塔にもユーゴスの部屋を確認いただいた方いいかもしれません 」
「やはり、そうだな。私が見つけた時すぐに魔塔に連絡するべきだった、私の勇気が無かったばかりに……」
「そんな事ありません 私にこうして仰ってくださったではないですか……」
そう話している間に、父上は、グリー師匠に連絡をいれていた
「おい、リル、呼んでるぞ」
「師匠ですか?」と通信機にいくと、いきなりどなられた
「馬鹿野郎、明日なんていってられるか!いまから魔塔の魔術師つれていくからおまえたちも、ジェレミー公国へ迎え!」
ユリアス先輩と、焦ってジェレミー公国に向かった
外は、満天の星につつまれてすっかり夜が深まっていた