収穫音楽祭と婚約式
「やはり、寒くなる冬までに行いたい」
「かなり時間ないですよ」
「収穫祭も兼ねた方が国民は盛り上がるし、毎年恒例行事にするのもいいですよ」
「各領地にも呼びかけて領地でもその日は祭りを行うとか」
「それはいいですね」
「特に今回は殿下の婚約式も兼ねていますからね 祝日にしましょう」
祭り運営委員会はかなり盛り上がって意見が飛び交っていた
結局、祭りまで1ヶ月となってしまった しかし、運営委員会の行動力・企画力は俺の想像を遥かに超えて素晴らしい誤算だった
たった、1ヶ月だった俺とハイネも手伝おうと声をかけたけどお二人はダンスの練習でもしていてくださいと申し出を払いのけられた
「そうだな、ハイネ大勢の前で踊るのだ、長く踊っていなかったから練習するか」
「そうですね。図書館で踊った時以来ですね」
「ああ、そうだな・・・・俺がクタクタのシャツを着て、君が俺のローブを纏っていたな」
「ほんの2年前のことなのにすごく前に感じますね」
「それをいうならお互いの邸で練習していたときの話は大昔になってしまうな」
「リル様、私たちまだ18歳ですよ、おじいさんみたいですよ」とコロコロと笑う
政務と領地の今年の収穫状況を見るため各地を回ったり、俺は俺で慌ただしい日々を送っている間にあっという間に祭りの前日になっていた
ジーザメリウスの家族もそして師匠たちジーザメリウスの家臣、マーサも来てくれていた
マーサは「私なども参加させていただいて」涙を流してくれていたが、幼い頃からずっと俺を支えてくれ誰よりもそばにいてくれたマーサ
「マーサ、あなたは私のメイド以上の存在ですよ、姉のようなマーサ
あなたが来てくれて本当に嬉しい」そして ただ2人で抱きしめあった
翌朝は、雲ひとつない快晴だ空が高くドラゴンが飛んでいる
ドラゴン? まさか広い広場が設けられヘイロンがやってきた
国民にはドラゴンが来ることは伝えられていたので混乱はなかったが大騒ぎになっていた
「リル、ハイネおめでとう」そうヘイロンが言うと背中からドワーフのクローネたちが降りてきた」
人嫌いの彼らが俺のためにわざわざ森を出てきてくれたのだ
「ありがとうクローネ」
「おいおい、俺に抱きついたらおまえさんが汚れちまう」そう恥ずかしそうにいった。
鐘が鳴りもう一度控え室に戻る。国民に宣言するテラスに出る扉の前でハイネを待つ
しばらくすると、ハイネが現れた、初めての舞踏会できたあのドレスだが歳を重ね大人っぽくなった彼女にはこの黒いドレスがとても艶やかに映り美しさを際立てていた
扉をあけ国民の前に出る
「諸君、いつも本当にありがとう、生活もままならぬこの国の国民として絶え間ない諸君の努力に感謝している 今年はようやく帝都も以前の活気を取り戻し、医療・教育にも力を入れることができた これも全て諸君のおかげだ 本日は収穫音楽祭だ 存分に楽しんでくれ また今日は私とハイネ・グライシス嬢の婚約式も合わせて行う 誰よりも諸君に報告し、ともに祝ってもらいたいからだ これからは2人で共に父と母のようにこの国を守っていく どうかまだ未熟な私たち2人だがこれからもよろしくお願いする」
水を打ったように聞き入っていた国民たちが大歓声と鳴り祝福と拍手に包まれた
皇宮から帝都中央の特設ステージまで馬車でパレードを行い沿道の人々に挨拶した
円状のステージでは様々な音楽が次々と披露され、一緒に歌うもの踊るもの楽しい時間が過ぎていく
夜の帷が降りてきて街灯に灯りが灯り始めた時マリアさんに呼ばれた
「最後は皇太子様歌ってください」
ちゃんと俺のギターも用意してくれていた
皇太子が歌う?と人々がざわめきだした
ギターをぽろんとかき鳴らし歌いただすとみんなが聞き入っていた スローな曲 みんなで手拍子ができそうな曲3曲ほど歌ってギターを置いたら、楽団がダンスの曲を演奏し出した
「最後は、皇太子殿下・婚約者のハイネ・グライシス様のダンスで締めくくりましょう」
テラスくらいでと思っていたのに特設ステージで踊らされるって、やはりマリアさん恐ろしすぎる
ハイネをエスコートしダンスを踊る
「リル様、こんなステージで国民の前で踊るなんて私たちぐらいですね」
とハイネが囁く
「仕方ないな、皇太子も国民にはトップアイドルみたいなものなのかもな」
「トップ?アイドル?ですか」
「まあね」そう言いながら夜の灯りを浴びながらダンスを踊り終えた
「いやあ!大成功でしたねー!!」と運営委員会のみんなが嬉しそうな表情で帰る人々を見送りながら満足げにそれぞれ口にする
「また明日から頑張ろうと皆がそう思ってくれたら嬉しいが・・・・・」
そして、お祝いに来てくれた人たちに礼を言い宴を終えた
ジーザメリウスの両親とグライシス侯爵夫妻には
「かなり変わった婚約式になってしまったこと、大変申し訳なく思っております」
そうお詫びすると
「いやあ、すごく良かったよ、上部だけで祝ってもらうよりあんなに大勢の人に祝ってもらえるなんて本当に良かった」と侯爵に声をかけてもらいホッとした
しかし父上には「こんなめでたい空気の中申し訳ございませんがこの後お時間いただけませんか、明日からのことで相談したいことございます」と呼び出した




