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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第4部 魔弾の射手 〜ブラックジョーカー 〜
90/114

出逢いと魔力の暴走 ハイネ視点

 はじめて彼を見たのは10歳の時、ポールステンシャル王国の新年の挨拶に伺ったときだ

 周りにいる人がみんなざわめきだしたと思ったら、ジーザメリウス辺境伯がお見えになられていたからだった

 公爵様が長年捜していらしたご子息が、見つかり今日初めて新年の挨拶にいらしたからみんな興味津々

 スッと前を通り過ぎる時、銀色の髪が光を纏いキラキラしていた

「本当にそっくりね」「美しい親子」と口々に大人たちはそう言い、あっという間に注目の的になっていらした


 リリアーヌ皇女様の学友として小さな頃から王宮に通っていた私だが王宮でも、なかなかお会いできなかった


 ある日、リリアーヌ様がジーザメリウス領の港町に遊びに行きたいと言いだした 

 ご一緒するために商家の娘の洋服に着替えていると、リリアーヌ様が「今日一日、ハイネと私髪色と瞳の色交換してみない」と提案してきた

 変化の魔法のネックレスを渡され、「色」を交換した

 小柄な体型は似ているけどお顔が違うのにいいのかしら、と思っていたが髪色と瞳の色を変えただけで大人たちは私を皇女様と思い込んでいるようで、皇女様は馬車の中でくすくす笑っていた。


 港町は活気に溢れ、見たことない外国の果物や、雑貨が店先に並んでいる

 夢中になって見ていると突然作業員姿の男たちと護衛騎士たちが争い出した


「皇女は、ここだ!」

 作業員姿の男が私を指差した、咄嗟に怖くて走り出し逃げた

 どこをどう走っていいか分からない、でも捕まったら殺される

「怖い、怖い。誰か助けて」

 と思ったが路地の突き当たりに入ってしまった


 お父様、お母様、お兄様助けて!

 そう思った瞬間、私の前に銀色の髪の男の子が空から降ってきた


「リル・ジーザメリウス様」

 すぐに彼だと分かった


 彼は剣を交えながら、最後には相手を倒した


「ふーっ! 大丈夫? 」

 と初めて彼の声を聞いたと思った瞬間彼の後ろで倒れていた男がまた起き上がってきた

 叫びたいけど声が出ない・・・・・・

 彼は私の表情を見て何かを察したのか後ろを振り向くと男に向かって手を翳した途端大きな光の渦が男を叩きつけ光の渦は光の柱になり空に向かって上がっていったと思うと彼に向かって落ちてきた


 思わず目を瞑ると私の体は自分の家の庭にいた


「もう!ハイネ危機一髪だったよ」


 私の前でコーンがふーっ!と息をついてそういった


 私のそばにいてくれる緑の妖精が私の危険を察知して家に転移してくれたようだ

 その後、王宮に行っても不思議な事に誰もあの出来事を覚えていなかった

 彼はどうなったんだろうと気になりつつ、ずっと彼のことが忘れられなかった

 再会できたのはアカデミーに入学し、同じ寮になった時、すでに彼は注目の的だった。思い切って声をかけた


「ジーザメリウス様、ハイネ・グランシスと申します よろしくお願いいたします」

 すると彼は、よろしくとなぜか手を差し出した 思わず手を出すと強く握り返してきた

 あの日私の前に飛び出てきた男の子やっぱり彼だ

 夢ではなかったんだ

 とそう思うとその日の夜はドキドキが止まらなくなかなか眠られなかったのでした


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