鍾乳洞へ
森の中央少し開けた場所にでた
「ここで水分補給だ!」
カリアスに熱中症について話しをしてから定期的に水分補給を摂るようになった
あちらこちらに、腰をかけるのに丁度いい石があり
座って水分補給をする者もいる
コクコクと喉を潤していると
「うわあああ! 」と叫び声がした
唸り声とともに現れたフェンリルの群れに襲われている
「絶対に殺すな! 」
父上が、風を起こしフェンリル達を吹き飛ばしながら叫ぶ
魔獣と共存の森で無闇矢鱈と生命を奪えないからである
「サラフィン! サラフィン! いないのか! 」
父がそう叫ぶとフェンリル達の群れの中から一際大きな蒼いフェンリルが現れた
のそのそと現れると父上に対峙して座った
すると、父上と話しをし出した、父上はふむふむと話しを聞きながらウオウオと返事をしている
え? え? この人、フェンリルとも話しができるのですか
どれだけ完全無欠なの? 多分というか、絶対色々な意味でこの人には、一生敵わない
そう思いながら、怪我をした騎士やフェンリル達に「ヒール」をかけて回復させた
父が言うには フェンリルのボス サラフィンの息子が 連れ去られた
連れ去られた場所に「人」の匂いが残っていたという事だ
今回魔獣が暴れていた話しと関連があるかも知れないということでここから先、フェンリル達も同行することになった
父上の隣に、サラフィン、俺達の後を先程襲ってきた残りのフェンリル達が一緒に歩いてる
なんだか、背中がソワソワする感じがするのは、俺だけではないようで
父上とカリアス、シファー以外は、ソワソワしながら歩いている
とりあえず、鍾乳洞あたりまで行き、サラフィンの息子ができるだけ早く見つかるようにと足を進めた
森をぬけると視界が広がり川が流れ、向こう側に大きな山が連なっている
ひとつの大きな山から滝がながれ川へとみずが流れている。川を渡り、滝つぼに向かい岩場を歩く
滝つぼまでくると、何かを察したように
「ここからは、私とリルとサラフィンだけで行く 何かあれば連絡するからその時は、中に入ってきてくれ」
「わかりました。それでは私達は、ここで待機しながら周辺を警護いたします」
そういうと、カリアスが一礼した
落ちてくる滝をぬけると洞窟の入口があった、洞窟の通路で沢山の蝙蝠がぶら下がって休んでいる
「お休みのところごめんね」そう言いながら蝙蝠の下をかき分けながら移動する。
通路を進んで行くと空気がどんどん冷たくなってきた
光が差し込み、通路をぬけると、まばゆい沢山の色の光を放つ石が差し込まれた柱が所々にある鍾乳洞にでた
「この石ってもしかして魔石ですか?」
「ああ、そうだ。古の魔獣達の灯火が消えたとき魔石となり
鍾乳洞の一部になったようだ」
魔石は、鍾乳洞だけでなくこの山のあちらこちらから掘り起こせるらしい
鍾乳洞の更に奥へと進んでいく
鍾乳洞の水音だけが響く
鍾乳洞の奥は、とても広く天井は、大きく山の斜面に吹き抜けているようだ
そして、そこに、「彼等」はいた