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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第4部 魔弾の射手 〜ブラックジョーカー 〜
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蛇の紋章

 早朝にジーザメリウスの邸に帰り父上に現状の報告と今後の行動の報告に帰る。


「今回はメリルの港からアッサム領に俺の商船で向かおうと思います」


「ほぉ、船かどうして?」


「先日、バルトから最近帝国の船と思われる怪しい船が積荷を乗せた商船を襲うという話を聞きました」


「今度は、海賊退治なのか」ジーザメリウス辺境伯はあごを撫でながらリルに聞く


「海賊ならまだ可愛いですけど、例の帝国の役人と同じです」


「あの、人ではない奴らか…… 」


「なぜそういう奴らがサタームスの部下として動いているのかはまだ定かではないのですが何かがわかる糸口が掴める気がするんです」


「ふーむ、いずれにしてもそんな奴らにいつまでもこの世にいてもらっても困るしな、リルできるか?」


「はい、あいつらの船をしっかり操縦して地獄に送ってあげますよ 」


「ふっ、そうかしっかり操縦してやれ」


「はい、行ってまいります」と父上の部屋の窓から出ていった。


「リル、あいつたまには一緒に朝飯くらい食べていけばいいのに、忙しない奴だ」

 微かに笑いながらジーゼメリウス辺境伯が呟く。


 メリルの港から出航しようとしていたらバルトがやってきた。

「リル様」


「バルト、すまないが今はアル・ディッパー ビックディッパー商会の会長だ」

 また、ひとつ俺の仮面が増えた。商人のアル・ディッパー 金色の髪にエメラルドグリーンの瞳商人としたのは、その方が動きやすいからだ。


「すみません、金髪の時は、そうでしたね。ところで古い船では、なく新しく作った船で行かれるんですか?」


「なんだ俺が船でも沈めそうか」


「アル様、誰も船員乗せずお供とだけで乗り込むなんて、絶対何か無理されるじゃないですか」


「ハハハ、確かにそうかもな。心配するな、沈めたらまた、新しく船を買えばいい。今回は、新しい船でないと餌にならないからな。心配するな、ほとんど魔力で動かすからな」


「ふー、わかりました。でもくれぐれもお気をつけてお体には、傷をつけずに帰って来てください」


「ああ、わかっている。ありがとうバルト」


 そうして、海に出た。


「今日は、いい天気だな。風も波も丁度いい具合だ」


 そう、ブルー達に話しかけながら舵を握る。

 すると急に羅針盤がクルクルと変な回り方をしだした。


「来たか」


 その船は、急に目の前に姿を現すとともに手際よく俺の船に体当たりしながら梯子をかけ、船員達が乗り移ってきた。


「なんだ、男と大きな犬が2匹しか乗っていないのか」


「失礼なやつだな、俺は黒豹だ! 」


「俺なんていつも犬、犬って言われるけどフェンリルだから! 」


 ブルーとホクトがぷんぷんと怒っている。


「なあ、こいつら俺がやっていい? 」


「ああ、このぐらいならお前らだけで十分だろ。俺はあっちの船に乗り込んでくる」


「やった! 任せとけ」ブルーとホクトに任せて海賊船に乗り込む。


 ミスリルの剣で斬っていくと次々と黒い灰になって消えていく。

 なんなんだこいつら一体何者なんだ。1人の船員が斬りかかってきたところを腕を捕まえてみるとオリハルコンの短剣が共鳴し、船員の腕に魔法陣のような蛇の紋章が浮かび上がった。

「やっと人として逝ける」そう呟き船員が白い灰になって消えた。そのあとも次から次へと船員が船室から現れる。

「埒が開かないな」オリハルコンの短剣を翳し、「ヴオルヴィオローデン(魔弾)と詠唱するとオリハルコンから光の矢が一斉に放たれ船員を貫くすると先程の船員同様蛇の紋章が浮かび上がり白い灰となり消し去ってしまった。


 甲板には誰も居なくなってしまったが、船室から、ガタンガタンと音がする。

 少し息を呑みながら船室に入って行った。



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