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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第3章 妖精の鍵 〜龍の渓谷〜
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魔力の解放

 落ちて、落ちていく

 いつしか群青の空間から水中へと変わっていた


 上を見上げるとゆらゆら揺れる水面に柔らかな光が差し込んでいる

 光に向かって水をかきながらあがっていく


「プハッ! 」

 水面に上がると群青色の夜空に星が輝き手の届きそうなくらいの大きな月が浮かんでいる


 大きな湖に出てきたようだ

 水面(みなも)にはゆらゆらと大きな月が浮かんでいてその中央には鳥籠が空中に浮かんでいた

 鳥籠が空中に浮かぶ場所まで泳いでいく


 たどり着くと急に体が鳥籠のところまで浮かんだ


「ウィンディーネ」鳥籠の中には水の妖精が閉じ込められていた

 ポケットの中の水の妖精の鍵は反応し、光出しウィンディーネが目を覚ました


「今出してやる」


 ウィンディーネはコクリと頷き目を伏せた


「アトリボット(解放)」指を鳴らし唱えると

「パシューン」 と言う音とともに鳥籠が弾けて光とともに消えた


「ありがとう、リル! ずっと待っていたの あなたを」


 そういうとウィンディーネは、呪文を唱えながら俺の周りを飛び周り出した


 呪文? いや歌だ、歌い舞いながら飛んでいる

 すると湖の水が俺を包みながら月に向かって立ち上ぼり月に消えた


 自分でわかる水の魔力だけでない、全ての自分の持っている魔力が解放されていく足のつま先から髪の一本、一本まで魔力が行き渡り力がみなぎる

 力が強すぎて体が痺れていく


「ぐっは!」息が止まりそうなぐらいの衝撃だ


 どのくらいの時間が経つのだろう魔力とそれを受け止めようとする体の細胞ひとつひとつとの攻防がとても長い時間のように感じる

 全ての魔力を受け止め終わった時

 近く大きかった月が、高く遠くに見えている


 水面に浮かびながらぐったりしている俺にウィンディーネが

「リル、私たちはいつでもあなたのそばにいるわ」


 そう言って高く光る月へとんで消えた

 そしてそのまま意識を手放した俺が、目を覚ましたのは鳥の囀りが響く大ホールの中央だった


 第3部 妖精の鍵 〜龍の渓谷〜 完




ご覧いただきありがとうございます。

第3部 妖精の鍵 〜龍の渓谷〜 完 です。次回より第4部始まります プロローグはこのお話と同時更新となっております。

これからもよろしくおねがいいたします

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