ヨハンの報告
ハイネの邸から帰ってきた夜、ヨハンが訪ねてきた。暫くポールステンシャルの王宮に滞在するらしい。
「本当にびっくりしたよ、でもあの例の図書館の1件から一度話聞きたいと思っていたんだ」とヨハンに切り出した。
「いや、元はと言えばリルお前がリリちゃんに冷たい態度ばかりとるからだろう。
まあ、魔術の時間も同じクラスだしリリちゃんも可愛いからいいんだけど…… 」
「結局、そういうことか」
「どういうことなんだよ!」
あ〜、ヨハンからかうのは、おもしれ〜
「あれからずっとパトリシアがすごく俺にアピールしてきて、リリちゃんが防波堤になってくれているから助かってはいるんだが…… その度にアレクとも変な空気になって困る、パトリシアって何者なんだろうな 怖い時あるよ」
「違うクラスでよかったよ」
「お前な〜!本当にそれな!それより今日お前に折り入って話があって、ほら以前お前のとこにきたシンファさん!あの人やっぱり俺の姉さんと違う人だったよ。実はさ
双子の兄様と姉様帰ってきたんだ王国に」
「ええ!本当かよかったな」
え?ティコじゃなかったってこと?
「あの時も遠かったから思い込んでいたんだけど、兄様と姉様の瞳ピンクじゃなくてブルーだったみたいで俺も別れた時小さかったから間違えてそう思い込んでいたらしい。
ちゃんと神殿で本人確認したから帰ってきた2人が本物の兄と姉で間違いない」
「それでなんで急に向こうから帰ってきたんだ」
「それな!ここからが驚くぞ、兄様が王位継承権を辞退してその代わり公爵の爵位が欲しいといい出したんだ」
「別に驚かない、よくある話じゃないか」
「だ〜か〜ら! 最後まで聞いて!」
「その理由が、アリッサ・アッサムと婚姻したいから釣り合う爵位がほしいのだそうだ」
「アリッサ? ここでなぜアリッサが出てくるんだ」
「そう、驚くだろ 実は兄様セシルの領地! 知ってるだろ ガード領 あそこの騎士だったんだガード領復興のため頑張る兄様とガード領にボランティアで手伝いにきたアリッサが、恋に落ちたという話。すでに兄様はアッサム公爵にも気に入られていて今はアッサム領で公爵様の元で働いているんだ」
「へぇー、知らない間にいろんな事がおきているんだなぁ」
「それは、お前が全然周りの事に興味持ってなくて気にしないから知らないだけだろ」
「ユリアス先輩の話も知らないだろ」
「ユリアス先輩、剣術大会のあとジェラミー公国の国王、つまりユリアス先輩とユーゴスの親父さんに直談判してさ、ユーゴスとミルフィーの婚約破棄してくれってユーゴスには、ミルフィーを幸せにできないって説得して、ユリアス先輩と国王がうちの父上のところに頭さげにきてもう大騒ぎだったのも、お前しらないだろ」
「うわ、全然しらなかった! ユリアス先輩すごいな〜」
「でも、そのユリアス先輩に助言したのは、お前の親父さんらしいぞ〜」
「ええええ? なんだそれ ! いつの間に? 父上がどうして? う〜ん、みんな俺の知らない所で……」
「でも、いま1番みんなが興味あるのはお前が誰をパートナーに決めるかって事だってよ」
「はあ? なんだよそれこそどうでもいいんだけど」
「やっぱり、お前がどんな子選ぶっ興味津々なわけよ」
ハーン、ハイネが言ってるのはこういうふうに興味本位に騒がれたくないというのと値踏みされたくないんだな、まあ それはそうだ。
「なあ、誰に決めたか教えてくれよ」
「決めてない」
「なあ、本当は決まってるくせに」
「決まっててもお前には言わないし、本当に決まってない。まあ当日をお楽しみしろよ」
「わかったよそうするよ」
それにしても今日は衝撃が多すぎる……
ご覧いただきありがとうございます、
次回は、7月30日20時に更新致しますよろしくお願いいたします