魔力実技検査
実技 は、5つある的に自分の技を5つ使い当てるという幼い頃練習した内容だ。
「5つもないです~! 」という奴も中にはいる。
「その場合は、同じ技を複数回使用してもかまいません 5つ的を当ててください」
以外にも複数回しようしたり、的からはずれてしまうものが結構いた。
以外と早く俺の番がきた。
「ヴェーザーロックス(水の弓)」
バシュン!
「ヴェーザーデーモンズ(風の魔)」
バシュン!
「ラードスボンバルデーシャナ(氷の爆撃)」
バシュン!
「オーデンスィエツ(水の風花)」
バシュン!
「オーデンスマンシヤ」(水の嘶き)
ドゴゴゴン!
と遠征の時よく使用する攻撃魔法を10分の1の魔力で的に向かって放ったはずなのにドゴゴゴン!って何? いったい!
いずれにしても的は、全て粉々になっていた。
「リ……リル・ジーザメリウス君 ありがとう! 戻っていいです 」
と試験管の先生が顔をひきつらせて言った。
「すみません」と言いながらちゃんと自分の魔法で元に戻した
「えっ!」と先生や周りの生徒が固まった。
(もしかして、やらかした?俺? でも10分の1の力なんだよ〜)
とりあえず、しばらく秘密のガゼボで大人しくしておこう。
クラスが分けられた、高位貴族の者は、大体Sクラスだ。
俺は、Aクラス実技の結果では、Sクラスにという意見も出たらしいが学園長が、やはりこの魔力量では……と言って鶴の一声でAクラスになったらしい。
呼び出される前に秘密のガゼボに隠れておこう。
ヨハン、アリッサ、リリアーヌ皇女に、アレク、パトリシアのバカップルもSクラスだ。よかった〜! Aクラスでよかった。この顔ぶれでイヤな予感しかない。
ヨハン、すまん、俺は平穏に真面目に魔法の授業Aクラスで過ごすよ。
何か言いたげなヨハンの肩をポンと叩き、「じゃあな」と言ってAクラスへと移動した。
Aクラスの教室に行くと、ジルがいた。
「ジル、よろしく」と声をかけると、嬉しそうに
「リル様、よろしくお願いいたします」と深々と礼をする。
「学園では、様はやめてくれよリルでいいよ」
「ダメです、ダメです。無理です」と顔を真っ赤にして泣きそうな顔する。
「じゃあ、リル君は? 」
「ええ〜! あ あ でもあのそのこの…… リル くん」
「よし!リル君な、学園では、それでいこう
「では、授業開始いたします。Sクラス・Aクラスは、ほぼ同じ授業内容になりますが魔力量の差等によって若干内容が変わる為クラスを分けております。もし、わからない事できない事があればその場ですぐお知らせください」
チョコレート色のクリクリとした長い巻き毛のまん丸とした眼鏡をかけた女性教諭が、Aクラスの魔術教科の担当教諭だ。
「先生お名前は? 」
「あ! 申し訳ございません、自己紹介がまだでしたアリス・ヴェールと申しますよろしくお願いします」
先生は、少し赤くなりながら授業を初めた
「先程の検査でみなさんと魔力量、実技の実力を確認できておりますのでまず最初に皆さんの使い魔を召喚する召喚術の授業をはじめます、使い魔は、皆さんの大切なパートナーとなります。どのような使い魔が召喚されるかわかりませんが、大切にして一緒に成長していってくださいね、もし、今回召喚できなくても私がまた後日補習としますので安心してください」
「先生!既に使い魔がいる場合は?」フクロウの使い魔を連れた生徒が質問した。
詠唱、魔法陣ができているか、書き方など確認したいので発動しなくてもそこまでは、必ずしてください。勿論発動して召喚していただいても大丈夫です」
その日は、召喚のための魔法式、魔法陣を勉強し、明日実技を行なうという事で終了した。
そのあとは、他の選択授業の教室に移動するのだがまだ学園の中が把握できていないのでバタバタしている間に一日が終わった。
ご覧いただきありがとうございます。
次回は、ヨハンのお話からはじまります。またご覧いただければ嬉しいです




