魔力量検査
入学式の翌日、早速授業開始だ。クラスというものはなく選択教科の授業を、その日に張り出された選択教科の教室に授業を受けに移動する。
授業と授業の間は、休み時間ではなく移動時間につぶれてしまう。
はじめての授業は、いきなり魔法術の授業 全員この授業を受けている 生徒の実力や潜在能力別に4つのクラスに分けて授業をする今日は、クラス分けを昨日入学式を行なった大ホールに集められた。
広い競技場でまず魔力量を調べる 大きな透明な魔石に手を翳し自分の「魔力の気」を送る。色を本人の属性に変え輝きの度合いで魔力を測る。
光の度合い? 何だかテキトーだな。
スピードガンみたいに 数字で出ればわかりやすいのに。
まあとりあえず、俺は、
「風」と「水」だけだして魔力量は、10分の1くらいに抑えるように! 」とグリー学園長から口煩く言われてるからな。
「 指輪で抑制されているからそのままで大丈夫じゃないんですか? 」
と聞いたら
「念には念を! 」と、眼鏡ごしにギロッと睨まれた。
「リル・ジーザメリウス君」
(風・水・10分の1 自分にいい聞かせる)
魔石の玉は、水色と緑色がマーブル状に混ざり合って ルームランプ程度に光った。
「魔力量は、少ないって本当だったんだ」「噂は、本当なんだね」とか
聞くに絶えないような戯言をコソコソ言っている声も、あちらこちらか聞こえている。
しかし、俺は、そんなことよりヘマしなくてよかった〜
グリー学園長に叱られないですむ〜!
ってミッション達成で嬉しい気持ちでいっぱいだった。
でもいつもカリアスに「リル! お前は、詰めが甘い! 」と注意されていた俺 ここでも悪い癖がでていた。
ほんのりほんの少しだけ溢れた光の粉をマシロがフードから少しだけ顔をだし、パクっと食べた一瞬を見ていた人物がいた事を後々知る事になる
そしてその人との関係がこの一瞬の出来事で大きく変化する事になることを今の俺は、これっぽっちも想像もしていなかった。
「パトリシア・ジャクシー 」
そう呼ばれてウェーブのかかった薄いアメジストの色の腰までかかりそうな長い髪を揺らしながら女子生徒が
アレク ボノ ズマイルカルプスに、エスコートされながら出てくる
なんで、授業中にエスコートなんかするんだ?
しかもお前婚約者いるだろ〜
思わず心の中でツッコミいれたのは、俺だけではないはずだ
パトシリアが手を翳すと魔石の玉が白く周りを大きく照らすように光った。
「聖女」という言葉があちこちで聞こえてくる。
でも、光の粉が全然出てない。 光の粉は聖力とは関係ないのか? それともあの子は、聖女じゃないのか?
そんな俺の疑問を吹き飛ばすかのように
アレクが「パティ~ 素晴らしいよ、やっぱり君は、聖女だね〜 素敵だよ」
アレク…… 馬鹿だとは、思っていたがやっぱり馬鹿だったな。
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次回は、魔力検査実技編です。