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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第2部 グードリーヴァアカデミー 〜dance for the first time ~
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氷の公爵令嬢

雲ひとつない青い空 今日は、入学式だ。

ここ、グードリーヴァアカデミーは、どの国にも属さない学園がひとつの小さな国の様に存在している。

それぞれの寮のゲートをでて、中央ゲートから入りあの大きな通路を通り学園の校舎へと向かう 本館の他に幾つもの教育棟、教育施設に分かれて、その中の大ホールで入学式が行われる。

昨日、リハーサルに参加したが、大ホールというより、大きな競技場に開閉式の屋根がついている前世でいうドームになっている。

ここで、剣技大会や、魔術技大会などいくつもの競技会を行なうからだ。


こういう所のステージをみるとついつい踊って歌いたくなる。ここでライブするならとセットリストや、演出まで考えてしまい、ついつい自分の曲を口ずさんでしまう。


後ろから肩をポンと叩かれた

「おはようリル、余裕だな 歌なんか歌って それにしても上手いなぁ、ところでその歌何語? 聞いた事ない言葉だけど…… 」


「ああ、ヨハン おはよう 、いや昔勤めていた使用人に教えてもらったんだけど遠い小さな国の歌らしい」

と、少し焦りながら誤魔化す。

「ふーん、歌詞の内容は、分からないけど曲は、耳に残るいい曲だな」

とふん、ふーんと口ずさむ。


へぇ〜、ヨハン一度聞いただけで耳コピしてる。絶対音感あるのか と感心した、ヨハンとバンド組んだらおもしろいなぁと考えながら指定された席に着席する。


生徒が全員着席し、来賓が入ってきてた、来賓の中のひとりにポールステンシャル国王がいた。国王は、俺に気が付きニヤニヤしながら「ウインク」してきたそして、キリッと表情を戻し着席した。

最後に忘れもしない緑色の髪に灰色の瞳サタームス ポリゼ ズマイルカルプス

ズメイルインペリアルの姓を名乗り皇帝と表明しているが、実は「認証」が行われておらず公式には、ズメイルインペリアルとしては、認められてない。

今回も サタームス ポリゼ ズメイルインペリアルとして参加申請したらしいが、学園長がアッサリ却下したとのことだ。

それにしても嫌な顔つきだ。「認証」の為の鍵が必要らしく、今も、俺を血なまこになって捜している。


ズメイルインペリアル領の反サタームス勢力の領主達も俺を捜しているそうだ。

サタームス 貴様が捜している「リアイアル ラーセル ズメイルインペリアル」は、ここにいるぞ。胸を張り壇上に上がり新入生代表の挨拶をする。

在り来りな挨拶をし、席に戻る。その後も、問題無く式は、終わり来賓から順に退出し、最後に新入生が退出しようとした時だ。ガタタタタタと大きな音と何名かの女生徒の叫び声が聞こえた。

女生徒がひとりすり鉢状になっている階段から落ちたようだ

落ちた女生徒は、泣きながら何かを訴えている。


「向こうから出ようか」絶対関わらない方がいいと感じたので

反対方向の出口から出ようとヨハンを促す。


ヨハンに声をかけたつもりが、隣にいたのは、腰までかかるミルクティーブロンドのストレートヘアのアリッサ・アッサムだった。

アリッサは、ヨハンと自分を間違えて話しかけたのを察したのか。何も言わず微笑んで軽い会釈で返し、背筋を伸ばし俺たちと同じ方向の出口に向かった。


綺麗なミルクティーブロンドの髪と意思の強そうだが、薄い茶色の瞳が印象的だ。


後ろからヨハンが、俺に抱きつきながら

「リル〜、アリッサちゃんは、美人さんだけど既に婚約者がいるからだめだよー!

ほら、同じ国のアレク ボノ ズマイルカルプスの婚約者だよ。

彼女の2つ名知ってる?氷の公爵令嬢だって! 」


「ああ、知ってるよ、ふたりとも名前だけはね。 悪いけど興味ない」とヨハンの腕をはらいのけた。


アレク ボノ ズマイルカルプス…… サタームスの長男だ。

アリッサ・アッサムは、ズメイルインペリアル帝国でも重要な位置にいる公爵家

ズメイルインペリアル帝国の公爵家の中でも重鎮である祖父をもつアリッサとアレクは幼い頃からの婚約者だ。

サタームスにとっては、その座を揺るぎなく固める為には、絶対結びつけたい相手。

「典型的な政略結婚、そのものだね」とヨハンがニヤリと笑う。


寮に帰るとエレベーターの前で、アリッサが侍女と一緒にエレベーターを待っていた。


「同じ寮だったんだね。ヨハン・カリオスです。よろしく」

「リル・ジーザメリウスです。よろしく」

とこちらから挨拶した。

「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。アリッサ・アッサムでございます。よろしくお願いいたします」と綺麗なカーテシーで挨拶を返した。

「この者は、私の侍女のメアリーでございます。寮の中をひとりでいる時もございますが、よろしくお願いいたします」


と、侍女への気遣いも垣間見た。自分の侍女だと言っておいたら誰も不審がらないものな。それにしてもピクリともあまり表情を変えない、無表情な子だなぁと思っていた。

何か鎧でガードしているような、疲れないのか? この子……


ソコに、ピョコンとマシロが俺の肩まででてきた。


マシロを見たアリッサは、少しビックリした後、薄い茶色瞳をクリクリさせ、

「かわいい…… 」と顔を赤らめてポツリと言った。

ずっと無表情だった彼女がはじめて15歳の女の子の表情をした瞬間だった。


マシロ……おまえ氷も溶かしちゃうんだなぁ。














ご覧いただきありがとうございます。

氷の公爵令嬢ことアリッサ・アッサム 彼女の氷が少しずつ溶けていく様子も書いていきたいです。

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