グードリーヴァアカデミー
第2部グードリーヴァアカデミー編です。リルの恋のお話しなども出てまいります。
今回少し長くなりましたがお読みいただければ幸いです。
これからもどうかよろしくお願いいたします
「リル、忘れものはないですか?」
と何度も荷物の確認をする母上
「母上、大丈夫ですよ 母上とマーサで何度も確認してくださったし俺も何度も確認しましたよ」
「あっ!あなたの大好きなレモンケーキ!他の焼き菓子と一緒に料理長が用意してくれているのよ マーサ調理室に行って確認してきて」
「母上焼き菓子も先程料理長達が挨拶に来られて持ってきてくれましたよ」
と母に可愛くラッピングされた焼き菓子を見せた
「長いお休みの時は必ず顔を見せに帰ってきてくださいね ジェシリアとユーリも待っているから」
先週1歳になった双子のジェシリアとユーリは家を出るときお別れすると泣き喚いてついてきそうな勢いなので双子が寝ている間に出発することにした
「では行ってまいります」
父も一緒に馬車にのり、あのワープ空間がある大きな木に行く
「お前が、ここに来た時を思い出すな」父が感慨深げに呟く
馬車を降り、大きな木に手をかざす大きな扉が現れる。中に入り受付をする
「本当に従者を連れて行かなくていいのか?」と父が問いかける
「何度も言いましたが、自分のことは自分でできますし、何度も遠征に行ったりしているからわかりますよ
何かあればすぐ通信魔道具がありますから連絡します
心配しないでください
でも、心配してくれてありがとうございます」
カリアスが背中をたたきながら
「剣の鍛錬も怠るなよ!」という
「師匠、今度会うときはもっと強くなってますよ」
そう言いながら手をふる
部屋の扉が閉まり、リルの姿が消えた
「殿下、リル大きくなりましたね
あの黒ネズミだった子が背も同じくらいになってきて」
としんみりとカリアスがそういうと
「いや、まだまだ私のほうがかなり背が高い」
とコントレール・ジーザメリウス辺境伯が言い返す
「でも、本当にあいつは5年間よく頑張っていた」と小さく呟いた
耳がツンとした
ああ、この感じ着いたのか ワープ部屋のソファーから立ち上がり荷物を持つ
「マシロ着いたよ、行くよ」
いつものようにフードの中にはマシロ
マシロは眠たそうにしながらもフードから俺の方に移動し方に乗っている
普段はジャンガリアンハムスターくらいの大きさのマシロだが、いざという時は2mくらいおおきくなる。頼むから肩の上でおおきくなるなよ~とか冗談をいう
使い魔として学園に登録し、一緒に連れてきた
扉を開けると、うわぁっと途轍もなく空港のような広いホール、中央に大きな丸いカウンター 四方にもカウンターとその横にゲートがありゲートの向こうに通路がある
そして正面にある8個くらいあるゲートと向こう側に1本の大きな通路がある
グードリーヴァアカデミー ここには5つの国の15歳~18歳までの貴族と留学生あと優秀な本当に一部の平民が入学する。もちろん厳しい選抜テストもある
人込みに圧倒されながらも中央カウンターへ進む
いくつか受付窓口があるそのひとつに並ぶ。並んでいるとなぜか視線を強く感じる周りの生徒がみんな俺を見ている一瞬自意識過剰か?
はっずかしーなぁ俺!とか思ったけど……
違う違う見られてるジーっと見てる~!
いたたまれない中ようやく順番がきた
「リル・ジーザメリウス君ですね。ではこちらに手を置いてください」
と手のひらよりすこし大きめの平たいスキャナーのようなものを差し出された
フラッシュライトの光が放たれた
「ありがとうございます ご本人様の確認が取れました
ジーザメリウス君の寮は、ジーヤメリ寮です
ジーヤメリ寮受付で鍵と書類を受け取ってください、お部屋は鍵と中の書類に書かれておりますのでご確認ください
また、荷物を置かれたらすぐに学園長室にいってください
それでは、素敵な学園生活を」
と中央受付での本人確認はすぐに終わった
受付が終わり後ろを振りむくと「キャー!」と騒がれてしまった
「キャー!」とか久しぶりだな~
悪い気はしないな~
俺って単純だな~と自分に突っ込みながら今度は寮の受付に向かう
ジーヤメリ寮の受付に行くとショートカットの女性と細身のチェーンのついた銀縁の眼鏡をかけた男性がいた
「リル・ジーザメリウス君 グードリーヴァアカデミー ジーヤメリ寮にようこそ
私は、ジャック こちらの女性はマリアです
私たちはジーヤメリ寮の担当者でございますので、なにか御用がございましたらお気兼ねなくご相談ください
お部屋ですが、6階601号室です
通路を通り突き当りにエレベーターがございます
ジーザメリウス君は601号室、1年生男子寮ですので必ず向かって左側のエレベーターをお使いください」
と鍵と封筒を渡された
(この世界エレベーターもあるんだ)と感心しながら通路を進む。エレベーターといっても前世のような機械的なエレベーターではなく透明な箱が浮かびあがるという感じ乗り心地もふわりふわりと上がり各階に止まる
グードリーヴァアカデミー学生寮は、ジーヤメリ(北側)、デヤンヴィ-デン(南側)、リヤトゥーミ(西側)アザーストリアム(東側)に別れそこから各学年、それぞれに各棟がある
ひとつの棟に男子25名、女子25名 1学年は、おおよそ200名、1年生から4年生、全校生徒で、おおよそ800名在籍している
寮の建物は右側のエレベーターは女子寮用
エレベーターで男子寮・女子寮を分けてある設計だ。1階の食堂は男女共有であり、大浴場もあるが、各部屋にはシャワールームが設置されている。国籍はいろいろな国籍のものが、選ばれ入寮している
部屋は学園では家の家格等は関係なく平等といわれているが部屋の割り当てについてはそうではないらしい
1階は、食堂と大浴場 2階は2人部屋が6部屋 3階・5階は一人部屋がそれぞれ6部屋4階が談話室・トレーニングルーム そして6階がひとり部屋1部屋である
「家格」によって部屋が割り当てられているのも事実だ
「家格」の違いというのは身分差別ともとらえがちだが必ずしもそれだけではない場合もある
たとえ学生の身であっても国家機密レベルの事柄に携わることもある
そして命を狙われることも多々あるのだ
学園内だからといって確実に安全というわけでもないのだ。他の生徒を巻き添えにしてしまう事もあるかもしれない。だから広さはともかく1フロアに1部屋というのは本当に助かる
でも正直いって、狭くてもルームメイトや隣の部屋の学生とワイワイと楽しい寮生活をおくってみたかったんだけどね
前世「北斗」の孤児院にいたときは4人部屋2段ベッドが狭い部屋にふたつ窮屈に並べていた。勉強は食堂のテーブルでしていた。沢達さんと最初に住んでいた家は普通のマンションで売れてからオートロックのタワマンだった。結構いろいろな生活経験者だからどんなところでも順応性はあると自負している
あ!そうだ!そういえば学園長室行かないと! 部屋に荷物をおき、学園長室への行き方のメモを確認しながら慌てて学園長室へと向かう
ご覧いただきありがとうございます。
リルの新しい生活はじまりました。引き続きよろしくお願いいたします。




