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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第1部 the beginning 〜はじまりの記憶〜
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魔力調整


 翌朝は、雲一つのない青空だった

 せわしなく朝食をとりジーザメリウスの邸宅へと向かう

 じりじりと刺すような日差しの中歩みを進める


「お疲れ様、ショーンあと一息だから家に帰ったらおいしい水と飼葉あげるからな」

 ヒンとショーンが返事する

「ああ ニンジンも、もちろん用意するよ」

 ショーンに癒されながら進んでいく 

 ショーンの背中で頬をくすぐる風が夏の終わりを感じさせた


 昼過ぎごろに、邸宅に到着 整列し今回の遠征の結果報告をし、解散をする

 明日から2日間は今回遠征した者たちは休みとなる

 もちろん俺は休みなくグリー先生の授業のほか、歴史・経営学・帝王学・数式・ダンス・礼儀作法・薬学の勉強のほかに、剣の練習も通常通りある


 とりあえず、今日は父上と母上に挨拶をし食事をして休もう

 扉を開くと使用人たちがあわただしく動いている

 ちょうど後ろから入ってきた父が

「どうした? 何かあったのか? 」とバタバタと行ったり来たりする使用人たちを呼び止める


「旦那様、お帰りに気づかなくお出迎えもせず申し訳ございません」とシーアスが慌ててでてきた


「何事だ?」少し不機嫌な様子で父が応える


「つい先程から、奥様の陣痛が始まりまして医師を手配したり…… 」

 シーアスの話しの途中で母の部屋へと早足で向かう父と俺

 部屋の前まで行くと数人の侍女がいた 

 父が部屋に入ろうとすると 扉が開き中からマーサが顔をだし

「まだお入りになっては、いけません! お声かけするまではダメでございます

 おふたりは まずお体を綺麗にしてきてください! まだまだこれからですよ 」

 と邪魔だ! と言わんばかりに、叱られシュンとなる完全無欠の辺境伯…… 中々見れない姿である


 風呂に入ってふたりで食事をし、少し休むように言われたが寝ていてもソファに座っていて本を読んでいても落ち着かない

 魔力調整の練習をしてみようと、個人用の演習場にいく 

 ここは、俺専用の演習場だ 的を6つ程たてる

 先ずは、指輪で抑制されている現在の魔力量で発動していく

 指輪が光ながら色を変えていく

 どうやら魔力量や魔法の種類によって色が変わるようだ


 風、火、土、水そして、これらを組み合わせて氷、雷 と種類を変えて的に、パスンパスンとあてていく、俺は、どの種類の魔法も使えるようだ

 ゆっくりと魔力を感じながら体に満たしていく

 自分の中でのラインをイメージする まるで人間計量カップになった気分だ

 第1段階 は、一番少ない魔力で、風を起こしてみる 

 しかし、的が吹き飛んでしまった


 第2段階は、魔力量を今の体でどれくらいまでなら楽に使えるかという確認


 第3段階は、魔力量の調整を早く行い術をいかに早く発動させるか


 何回か、グリー教授に教わりながら練習している。昨日の鍾乳洞では、正に実践してみて体感できた

 あの魔力量がMaxとして考えてイメージし、魔力量の多さによって術をかえてみる

 それを繰り返し繰り返し行ない感覚を身体と頭に刻みこんだ


 魔法式や魔法陣等、本から得る知識を暗記するのは得意なほうだ

「北斗」時代、ドラマや映画の台本は台本をもらって1度か、2度読めば暗記していた

 初めての読み合わせまでには既に全て暗記している状態だった

 でも、「俺って凄いでしょ」みたいなマウントとる感じが嫌でいつも台本手にしていたけどね

 しかし、暗記をしていても「それ」をどう上手く使いこなすのか「素晴らしい本」があってもそれをどう上質なものにつくりあげるのか

「先人たちが残したもの」をいかに自分の魔力によって魔法を扱えるようになるのかまったく「映画作品」と「魔法」は全く別のものだけど 作品を作り上げるときのドキドキと同じような鼓動を感じていた 


 フードからマシロだ出てきて魔法を発動するとき時々漏れ出てしまう光の粉をパクパク食べに行く

(おっと、溢れ出ないようにしないと…… )

 しかしこれが難しい ついつい自然とでるからだ

 光の上位魔法は使えない「ヒール」回復魔法だけが使える

 なぜだかそういう事にしていないといけないからだ

 正直なところ、邪魔くさいな~、馬鹿にもされるしな~って思っていた


 でもその「嘘」が必要であった理由を知るのはずっと後のことになるのであった


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