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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第1部 the beginning 〜はじまりの記憶〜
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本当の自分

 日が暮れてきたので今晩は、砦で宿泊し明日の朝帰ることになった

 大きな食堂でパンとスープ 鶏肉とジャガ芋をグリルしたものが今晩の夕食だ

 父や、カリアス達はまだ別室で話合いをしている


 俺が一人でいるこんな時は大体、必ず絡んでくるやつがいる


 こちらを見ながらひそひそこちらを見ている


 気にせず黙々と食事をする


 ガターン! カランカラン


 頭の上から、スープの器をひっくり返してきた


「申し訳ございません リル様…… あっ!卑しい血で王家の血を汚している半分平民のリルでよかったんでしたっけ」とクスクス笑う


 シュクリーム公爵家の長男 アラン・シュクリーム

 同じ年のこいつは何かと俺を目の敵にして大人達がいないときに絡んでくる

 こいつが発する言葉は時折子供が使う言葉ではない時がある

 きっと、こいつの両親が常日頃から子供の前でそういう事を話しているんだろう

 顔についたスープをぬぐう 汚れたシャツを脱いだ

 でも、その場を立つのはムカつくから無視してそのまま食事をする


「平民だから魔力もわずかしかないのですよね~ ヒールだけしかできないのであれば救護班に入ればいかがですか?」といって取り巻きどもと部屋に戻っていく


 こんな風に絡まれるの日常茶飯事のことだ 

 母親が亡くなって子供だけ引き取られ母親の身分は隠されている…… 誰もが平民と思うには十分の状況だ ここに引き取られた理由が、そういう設定だから仕方ない

 そう思うやつも出てくるだろう


 魔力量についても秘密にしているため、今は簡単な回復魔法・生活魔法ができる程度と思われている

 剣の腕前については一緒に練習をする部隊の騎士は認めてくれている

 しかし、一部の貴族や騎士は俺のことを何も能力のないものと、馬鹿にしてくる者も少なくない

 食事を終え片づける 

 アランが汚したところも掃除してあと部屋に戻ろうとすると今日班が同じだったジルが心配そうに声をかけてきた


「あ・あの…… リル様 あの 」


「ああ、ありがとう大丈夫だよ。大人達には内緒な」


「え…… でも 」


「こんな事で、また言いつけたとかなったら邪魔くせーからな ほっといたらいいよ」


 こんな嫌がらせは北斗の時も受けてきた 

 どんなところでも嫉妬・妬む奴はいるんだよなぁ 

 でも「リル」は実は皇帝の息子で、魔力は本当は、膨大で……と考えたときあることに気がついた


 俺の本当の母親ジュリアのことだ 

 名前しかわからない実家がどこで、出身は?魔力は?

 そう、本当の父と母はどうして結婚したんだ?

 幼馴染って言ってたから貴族だったのだろうか 

 実母ジュリアのことが何ひとつ情報はない

 実父のことは養父とふたりで話しているときやグーゼラスから学生時代の話や幼い頃の話を聞かせてもらっていた

 実母のこと、そして今は、リルの体だけど中身は、前世の北斗の意識であること……


(本当の俺って…… リール・ジーザメリウスとリアイアル・ラーセル・ズメイル・イペリアル 2つの名前  

 銀色の髪に深く蒼い瞳 黒い髪 黒い瞳 

 偽りの家族 失った家族 2つの家族 奪われた皇位 色々な言葉が頭の中を駆け巡り自分の周りの世界の輪郭がぶれていく 俺は一体なにものなんだろう)


 ついつい、下を向いて部屋へと歩く 

 こんな気持ちの時うつむいてはダメだ堕ちてしまうと、自分に言い聞かせ夜空を見上げた

 見上げると広く沢山の星々の中で見慣れた自分の名前の星が瞬き輝いている

 なぜか目から一筋涙が流れた

 きっとまだ答えはわからない

 もう少し俺が、リルがいろんな意味で成長したとき、すべてのことがわかるのかもしれない 

 いつかその時が来るまでこの想いは心のずっとずっと奥にしまい込んでおこう


「北斗」「リアイアル・ラーセル」この2つの名前と同じ名前の夜空に瞬く星にそう想いを告げた

ご覧いただきありがとうございます。

リアイアル・ラーセルは「北斗七星」

ズメイルインペリアルは「星々の皇帝」

実父ポーラリスは「北極星」という意味です。

実母ジュリアの名前の秘密はまた本編で明かしていきたいと思います。


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