ヨハンとリリアーヌ
開いた扉の向こうには、リリアーヌとハイネが立っていた。
リリアーヌが持っていたダークピンクの薔薇を握りしめて手がから血が滴り落ちてきた。
「リリ! だめだよ薔薇から手を離して! 」
ベットから思わず飛び降りてリリアーヌに駆け寄ろうとヨハンがベットから出ようとするがまだ、足がしっかり立てなくてバランスを崩して床に崩れ倒れてしまった。
「ヨハン! 」リリアーヌが薔薇を手放し、ヨハンに駆け寄り血だらけの手でヨハンを抱きしめる。
「ごめんなさい、ヨハン、つい。 あなたまで汚れてしまった」
「いいんだよ、リリ・・・・それより君の手が・・・・」ヨハンが優しくリリアーヌの手を包み込む
「ヨハン、どうしていつも1人で何もかも決めて、諦めてしまうの? 私はあなたが立派な王配殿下になるってわかってるの、あなたほど優しくいつも冷静に周りの人たちのために行動する人はいないのよ」
「でも、周りの人はそうは思っていない」
「そんなことはない、ちゃんとあなたを見ていて評価する人も沢山いるわ、何より、私が誰よりもあなたが側にいてくれないとダメなの、あなたがいない間、周りの時間も風景も止まってしまっていたの」
「リリアーヌ・・・・・本当に俺でいいのか」
「ヨハン、あなたがいいの、あなたでないとだめなの」
ハイネがリリアーヌが落とした薔薇を1本ずつ丁寧に拾っていた。
「ハイネ・・・」小声で声をかけてみんなと一緒にヨハンの部屋を出た。
薔薇の花をハイネが魔力で綺麗にする、血で汚れていた薔薇が綺麗になり美しく凛とした姿を取り戻す
「リル様、ダークピンクの花言葉は「愛」そしてリリアーヌ様が持ってこられたのは9本。本数にも意味があるんですよ、「いつも、あなたを想っています」「いつまでも一緒にいてください」って」
「へえ、そうなのか」
「私もリリアーヌ様と同じ気持ちですよ、リル様」そう言ってイタズラっぽくハイネが微笑む。
「ああ、俺もだよ」と薔薇の花を抱えるハイネを抱き寄せた。
しばらく時間をおいてヨハネの部屋に戻り薔薇の花は無事リリアーヌからヨハンの手に渡された。
仲良く寄り添う2人の姿に久しぶりに、穏やかな気持ちになれた。
「リリアーヌ様、しばらくヨハンとともにこの城に滞在されませんか? ハイネも今回の事がおわるまでこの城に滞在しておりますし」
イーリスの件がおわるまでできればまとまっていてくれれば、俺としては、安心しておけるというのが本音だ。
「そうさせていただけると嬉しいです」とリリアーヌが笑顔でこたえた。
コンコン
「リアイアル殿下、会議の時間です
「ああ、すぐいく」」同盟国会議の時間になった、立ち上がり深呼吸する。
「ユキ、頼む」と部屋をでた。




