親友
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第5部 開幕です。第5部から更新が毎日9時のみになります。
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ヨハンをとりあえず ズメイルインペリアル帝国の俺の城に連れて帰った
ミルフィーは、ユリアスがジェレミー公国に連れて帰り、ティコはカリオス王国に残った。
イーリスの言葉がそれぞれの心に呪いのように絡めとらわれている。
ヨハンは最後までカリオスに帰ってからも執拗にパトリシアにせまられていたらしいがヨハンには「魅了」が効かなかったそうであの邸でミルフィーと監禁されていたそうだ。最終的に無理やり魔石にされそうなところを俺の結界を発動させたと言う話だ。
ヨハンの誕生日にプレゼントした万年筆の装飾とした魔石に魔力を込めていたのだ。ヨハンの複雑な家庭環境、確執を聞いていただけにもしものための保険のようなもののつもりだった。
実の母親と兄に魔石にされそうになったヨハン。父親の国王は亡くなったティコの母親を思い続け廃人のようになって政務も行わないそのうえ、今の側室に彼女の影を求め側室のもとに入り浸り状態だ。そしてまだ自分より小さな弟や妹までいる
そんな中で、彼はいつも明るく笑顔でいた。いつも自分のことより、他の人のことを考えているそんな彼の本当の心の声をなぜずっと一緒にいたのに聞こうとしなかったのか
「たられば」な言い訳ばかりが心の中で連なっていく。
ヨハンともう一度向き合おう。もう一度友人として向き合いたい、都合のいい話だが俺の気持ちとこれまで彼に話せなかったこと全て話したい
ヨハンの部屋の扉をノックする、彼からの返事を受けて扉を開ける
「ヨハン、少し、いや長くなるが話がしたいいいかな」
「ああ、俺も話したかったところだ」
そう言いながら、何から話そうかと言葉が出ない、少しの沈黙の後ヨハンが笑った
「なんだか、黒髪のリルなんて調子狂うな。銀髪でいたらダメなのか? 」
「いや、そんなことはないけど、これが本当の色なんだよ」
「・・・・・・・じゃああの銀髪のお前は嘘のお前なのか」
真剣な瞳で俺をヨハンが見つめる
「いや、本当の俺に決まってるじゃないか」
「だろ、俺さ。思ったんだ、きっとリルも、俺もそれぞれいろんなもの背おって足掻きながらもお互い2人でいるときが1番本当に自分でいたい自分だったんじゃないかなってな」
「ああ、そうだな。ヨハン本当にそうなんだ、お前さ、俺が言いたいことなんで先に全部言ってしまうんだよ」
「ふん、たまには俺にもいいところくれてもいいだろう。お前さ、やっぱり銀髪の方がらしいよ、なんかこの城にいて思ったんだ。すげー無理してるなって「リアイアル」でとか「皇太子」でとかの前に「リル」として本当のお前がこの国引っ張ればいいんじゃないのか」
ヨハンに心の底のもやっとしたものを突かれた気がした。たかが、髪色なのだが黒髪にしてから何か忘れ物をしたような気持ちになるのだ。北斗の時も黒髪だったのに・・・・・。
「まあ、俺の髪の話はともかくヨハンこれからも俺の大切な親友でいてくれよ、もう隠し事はしないからさ」
「ああ、俺もだからお互い様だな」それからしばらくくだらない話ばかりしていたが
「リリアーヌ皇女のことだが、婚約破棄しようと思う・・・・・。国も母も兄もあの調子だしな
」
「ヨハン!!それは!リリアーヌ皇女は何があってもお前しかいないって言ってたぞ」
「いや、ダメだ。彼女のためなんだ」ヨハンが搾り出すようにそういった
その時、部屋の扉が大きく開いた
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