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トップアイドルの俺が魔力過多の廃王子に転生しました  作者: 瑠璃
第1部 the beginning 〜はじまりの記憶〜
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ラヒーラ


 大きなドラゴンと蒼いフェンリルの子供が傷だらけになり横たわっている

 ドラゴンは、フェンリルの子供を守るように抱えている

 サラフィンは、その姿が目に入るやいなや子供に駆け寄った

 父上と、俺もすぐに駆け寄った

 辛うじてまだドラゴンもフェンリルの子供も息は、ある


「リル、回復魔法…ラヒーラの魔法式もう教えてもらっているか? 」


「はい、丁度昨日グリー教授から教わっております ただ机上でだけ勉強しているのでまだ一度も発動していません」


 ラヒーラは、回復魔法の中でも上位魔法だ 

 しかもこの大きさのドラゴンとフェンリル魔力量もかなり必要なはずだ


「リル、魔力量の調整もいつかは、必ずやらないといけないものだ 私がサポートするからやってみないか? 」


 目の前には子供を一生懸命舐めるサラフィン 

 弱々しいくうっすらと開いている瞳でこちらをみつめるドラゴン


「やってみます! 俺、助けてあげたいです」


「よし! 」そういうと父は、サラフィンの元に行き彼に話しかけている

 サラフィンは、子供のほうを何度も振り返りながらこちらへと来る


 俺が、ドラゴン達に向き合った

 その時、フードの中からピョンとマシロがでてきて2mくらいの大きな体になった

 もし、また暴走したら助けるためにでてきてくれたのかな… そう思うととても安心した

 大きく深呼吸して両手をかざし自分のなかの魔力を感じながら集中する


「慌てず、ゆっくりでいいから 少しずつ魔力を満たしていくんだ」

 父が横で声をかけてくれながら、まわりに結界をはる


 右手の指輪が光り色が深い蒼い色からすこしずつ白く色を変え光が強くなる

 少しずつ身体の中心にある核から身体中に魔力が髪の毛が逆立つまで行き渡る感覚がある

 ラヒーラの魔法式を詠唱し、手のひらに集中すると大きな魔法陣が浮かび上がり発動された

 光はドラゴンとフェンリルの子供を包み込み、あたりを金色に光る粉が降り注ぐ

 彼等の身体中の傷が治っていく

 先程まで息絶えそうだったのが回復していくのが目視だけで、わかるくらいだ

 俺は、安心感からその場にヘナヘナと座り込んだ

「よくやった」と父が座り込んだ俺を抱き締めてくれた


 そして、父は、ドラゴンとフェンリルの子供から話しを聞いた

 フェンリルの子供は、サラフィンの傍から離れずサラフィンに話しをしてそれを伝えてもらうという状態だ


 まず、フェンリルの子供が、黒装束の男達に森の中で襲われ連れ去られた

 川のほとりで檻に入れられていたフェンリルの子供をドラゴンが見つけ助けようとしたが、黒装束の男に、魔法の拘束チェーンを身体中に巻き付けられそうになった

 結局、ドラゴンの魔力量の方が膨大でチェーンを弾き飛ばしこの鍾乳洞に逃げてきたそうだ


「子供を囮にしてドラゴンも捕まえようとしたわけか……」

 と父が言葉にだす

 俺は、何か手掛かりになるものがないか捜していた


 すると、もう既に元の大きさになったマシロが、テッテッテーとドラゴンの右の前足に向かっていく

 ドラゴンの爪の先から何かがチカッと光った

 ドラゴンの爪の先に黒い布切れとブローチの様なものが引っかかっていた


 ブローチは、ズメイルインペリアル家の物だった


 それを父に渡すと、「わかっていると思うがここであった事全て他言無用だ この件については、俺が調べる」そう言ってブローチと布切れを、自分のハンカチに包みポケットにいれた


 父は、自分達が去るまでドラゴンは、鍾乳洞で休むようにいい、鍾乳洞にある一際赤い色の魔石を取り出し手にした


 鍾乳洞からフェンリル親子と一緒に出ると騎士達とフェンリル達が待ち構えていた


「大きなサラマンダーが、怪我をして中で苦しんでいたので楽にしてやった」と手にもつ赤い魔石をみせた


 ここにドラゴンがいることを公にしないほうがいいと判断したのだろう


「ずっと静かだったので逆に心配していましたよ」とカリアスが頭をかく


「さあ、では帰るとするか」と父が俺の背中をポンと叩く


 凄く疲れたけれど、ラヒーラという上位魔法が発動できた事と、魔力量の調整が上手くできた事の満足感に溢れながら帰路についた。

ご覧いただきありがとうございます。

今回の遠征がリルにとって大きな自信になればいいなぁ。次回は、また嬉しい出会いがあります。

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