セカンド
レビュー執筆日:2022/5/25
●飾り気の無い歌詞と凝ったサウンドで、楽しさがいっぱい。
【収録曲】
1.ロバート・デ・ニーロ
2.チェンソーだ!
3.ラビュラ
4.テストソング
5.おねがいヘルプミー
6.てんとう虫の夏
7.ジャンケンはグー
8.やさしくされたい
9.うれしい気持ち
10.夢がいっぱい
a flood of circleの佐々木亮介、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也を中心に結成されたバンド、THE KEBABSの文字通りの2ndアルバム。ライブ音源だった前作と比べるとギターの音を重ねたりシンセサイザーを導入したりとサウンドが色々と凝っている傾向があり、それ以外にも、『チェンソーだ!』ではラップを交えていたり、『おねがいヘルプミー』は歌詞がほぼ英語で構成されていたり、『うれしいきもち』ではかなりポップな面に振り切っていたりと、前作とは違った方向性でメンバーが楽しんでいる様子が見て取れる作品になっているのではないでしょうか。
ただ、「大好きだよ 大切だよ」(ラビュラ)や「夢がいっぱいだ!だ!」(夢がいっぱい)等といったインパクトのある飾り気の無いフレーズが随所に出てくる点は相変わらず。前作はそういう歌詞をシンプルな粗いサウンドに乗せていたのである意味「ベタ」に感じられるところがあったのですが、前述の通り、今作はサウンドが凝っているうえに曲調の幅が広がっているので、「ベタさ」が程良く解消され、より楽しめる出来になっているように感じられました(特に、『ジャンケンはグー』は聴いていて「この曲調にこの歌詞を乗せる!?」とつい笑ってしまいました)。
「シンプルな面」と「凝った面」が絶妙なバランスで混じり合い、「THE KEBABSらしさ」がより前面に押し出された印象のある一作。flood・UNISON共々彼らの活動が色々と楽しみになってくるアルバムでした。
評価:★★★★★