久しぶりに揃ってお風呂です!
さぁ!お風呂の時間です!
久しぶりにサリアちゃんの髪を洗いたいですね!
むふふ……少し見ないうちにいろいろと成長しているかもしれません……
お風呂セットを用意しながら、リーナの顔はにやけている。
彼女はギリギリまで休暇を実家である孤児院で過ごしていた。
そのためフレアとサリアで入る風呂は久しぶりのことだ。
それと忘れていけないのがもう一人。
コンコン!
「リーナちゃん!お風呂行くよー!」
ノックとともに大きな声が聞こえてきた。
「クリス先輩?お風呂前で待ち合わせでしたよね?」
風呂の準備は途中のままで、部屋のドア開くとクリスがいた。
「だって一人で待つのって寂しいから来ちゃった!」
「もう……お姉さんなんだから我慢してくださいね?」
まるで小さな子供をあやすようにクリスをたしなめる。
「まぁまぁいいじゃないの!準備できてる!?」
「すみません。もう少しだけ待ってもらえますか?」
「わかった!それじゃボクはフレアちゃんやクリスちゃんに声をかけてくるよ!」
たぶん二人にも聞こえていると思います……
そう思いつつ、室内へと戻ったリーナは準備を終えると外へと出て行く。
するとすでにフレア、サリア、クリスの三人がリーナのことを通路で待っていた。
「みなさんお待たせしました」
「気にしなくていい。私もさきほど出て来たばかりだからな」
「リーナとお風呂嬉しい。フレアのわたしの髪の洗い方はまだまだだから」
「そんなに言うなら自分で洗え!」
「人に洗ってもらうの気持ちいいからやだ」
「はいはい!ケンカしてないでお風呂にいくよ!」
クリスは珍しく上級生らしいところを見せ、場を落ち着かせると先頭を切って歩き出した。
「わかった」
「サリア!話の続きは風呂場でだからな!」
「しつこい」
それにサリアとフレアが続いていく。
(ふふふ、少し離れていただけなのにこの騒がしさが懐かしいです)
リーナの孤児院でも騒がしいことはあるが、みんなのお姉さんではなく、リーナ個人として気負わずにいられるのは学園でしかないものだ。
「あっ!置いてかないでください!」
リーナが感慨深く思っていると、いつの間にか置いていかれそうになっていた。
サァァァ……
リーナはサリアの髪へお湯を優しく流す。
「ふぅ……やっぱりリーナがいちばん……」
サリアは気持ちよさそうに目を閉じて、リーナの胸に頭を預けていた。
「うふふ、ありがとうございます」
「リーナがいない間はさんざん私に洗わせていたくせに……」
「あはは、残念だね!結構楽しそうにしてたのにリーナちゃんにとられちゃったね!」
「べ、別に楽しかったわけではありません!」
楽しい会話をしながら髪や身体を洗った後、ゆっくりと湯船の中へと浸かっていく。
「「「「ふぅ……」」」」
浴場内に乙女たちの艶やかなため息がこぼれた。
「そういえば学生グランプリのことを聞いたのですが、三年生の代表はクリス先輩で決まりですか?」
「うん。だーれも挑んでこないからそうなると思う」
フレアの質問に不機嫌そうにクリスが答える。
「そういう君たちはどうなの?二人しか出場できないけど誰が代表になるのかな?」
「私です」
「私ですね」
「わたし」
三人の答えは同じで、タイミングも一緒だったが、湯船の気持ちよさが勝っているようだ。
まったりとした表情で視線を合わせていた。
本来ならバチバチと火花が散っているのだろうが、そんな気配はまったくない。
「あららら、熾烈な争いになりそうだね。カイ君にルース君もいるし」
「はい、ですが負けません。私も力をつけていますから」
「ふふふ……成長しているのがフレアさんだけだとでも思っているのですか?」
「わたしも一番を目指してるから」
ライバル関係な三人を羨ましく思ったクリスは、笑顔で会話に入っていく。
「三人ともボクと模擬戦やろうよ!すごく楽しそう!」
「それは……」
「ちょっと……」
「お断り」
「なんでさ!?」
クリスの提案は全員に拒否されてしまった。
「代表戦もありますので……その代わり剣でのお相手なら喜んでお相手させていただきます」
「私も防御魔法の強化を図りたいので、攻撃役をお願いしたいです」
「わたしの避け練習手伝って。クリスの攻撃避けれたら怖いものなし」
「みんな……うん!わかった!全力でやっちゃうよ!」
後輩から頼りにされたクリスは嬉しそうに意気込んだ。
「ほ、ほどほどでお願いします……」
「全力はちょっと……」
「腕八分目くらいでよろしく」
「うっ……わかったよ……」
落とされた後に上げられ、また落とされてしまい少しションボリするクリスだったが、
「ですがご協力を申し出いただきありがとうございます」
「とっても嬉しいです!」
「サンキュー」
「……みんな好きぃ!」
クリスは可愛い後輩たちをひとまとめにすると、喜びを露わにして抱き着いた。
その結果、ムニュムニュと柔らかいものが押しつぶされるように身体へと当たる。
(なぜこうも差がでるのだろうな……)
柔らかい感触を周囲から押しつけられたせいで、フレアの顔がちょっとだけ悲しそうだった……




