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召喚されたリビングメイルは女騎士のようですが契約しますか? オネガイシマス……マスター  作者: think


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裁きの時間です

「つ、つかれたぁ……」


確か今は休暇中のはずなのだが、疲労度は授業があった時よりも溜まっている状態だ。

それもそのはずで、訓練と依頼をこなす毎日を俺は送っている。

今日の日課をこなし、ベッドに潜り込んだ俺から自然と言葉がこぼれてしまうのも納得でしかない。


そうして過ごしていく内に、休暇も残りわずかとなった。

今では早めに戻ってきたクラスメイトと顔を合わせることも多い。

食堂では昼食時ということもあって、見知った顔が何人かいる。

そうした中でルースを待っていると、


「よう、カイ」


一人のクラスメイトに声をかけられた。


「あれ?もう帰ってきてたのか?」


「ああ、実家にいても暇だしな。ところで……我がクラスのキレイどころとは何にもなかったんだろうな?」


笑顔からいきなり鋭い視線に切り替わる。


「ああ、俺は清い身体だぜ?」


「どうやら嘘は言っていないらしいな。それじゃあ俺は失礼させてもらおう」


おかしい。

なにやら全身から余裕を漂わせているように感じる。


「ちょっと待て……」


「うん?なんだ?」


「貴様、この休暇中になにかあったな?」


俺に背を向けようとしていた身体の動きが止まった。


「な、な、なんのことだ?」


ギギギ……と首がぎこちなく動き、あさっての方を向く。


「その反応だけで十分だ!貴様!裏切ったな!?」


「「「裏切りだとぉ……」」」


談笑していた周りの奴らが、まるでゾンビのような動きで裏切りものを包囲していく。


「ち、違う!俺は裏切ってなんか!」


「あれ、みんなどうしたの?」


今にも合法的な尋問が行われようとしたのだが、そんな場に似つかわしくない声が聞こえてきた。


完全に非合法な空気でしたが?


指の二十本くらいは折るつもりなだけだが?


人にある全ての指ですよ。


大丈夫大丈夫、救護の先生もいるから回復してくれるって。


そういう問題ではないと思うのですが……


「ルース!助けてくれ!」


「い、いったいどうしたの?」


状況がわからないルースは戸惑いながら俺の方を見てきた。


「そいつには、休暇中のラブラブ疑惑がかかっている。そのため事情を聞こうとしただけだ」


「はい、尋問どうぞ」


「ルースくぅぅぅん!?めちゃくちゃ痛いんだけど!?」


ルースは俺の言葉を聞くと、ガッチリと裏切り者の腕を掴むと関節技で抑え込む。


「さすがルースだ。反応が早くて助かる」


そして俺たちは裏切り者へとにじり寄っていく。


「貴様には拒否権も黙秘権も弁護権もない。だが、正直に話せば命が助かる可能性は十分にあるかもしれん。分かったか?」


「なんでも話します!ですので命だけは!」


「いい心がけだ……さて断罪者の諸君、なにから聞くとしようか?」


「「「童貞か否か」」」


満場一致だった。


「さあ答えたまえ」


「童貞です!噓偽りなく少年であります!」


どうやら嘘は言っていないようだ。

おかげでその場の空気は少しだけ軽くなった。


「それでは、あの余裕ある態度はどういうことだったのかね?」


「お、幼なじみと一緒にお祭りに行きました……」


「ほう?幼なじみは女の子かな?」


「はい……」


少し軽くなった空気だが、すぐさま重圧へと変わっていく。


「どんな容姿の子だい?」


「リーナちゃんに似たタイプで大人しい子……」


「「「うらやまめしい……」」」


あまりの告白に、断罪者たちは羨ましさと恨めしさが入り混じっているようだ。


「二人きりかな?」


「二人きりです……」


「「「有罪!有罪!裏切り者に処罰を!」」」


ここで多くの有罪を求める声が上がったが、まだ隠していることがありそうだ、


「諸君、全てをさらけ出してからではないと適切な罰が下せないだろう?少し冷静にことを進めていこう」


ガタガタと震える裏切り者に向かって、俺は満面の笑みで問いただす。


「あの余裕はどのようにして生まれたのか?それを答えてもらおう」


「そ、それは……」


俺の問いに答えづらそうに口よどむが、観念したように続きを話す。


「お守りをもらいました……怪我しないようにって……手作りで……」


「ははは、羨ましいじゃないか。見せてごらん?誓って手出しはしないから」


さすがにそんな想いのこもったものを破壊したりはしない。

それくらいの常識はある。


常識がある人はこのような尋問はしないのですがね。


「こちらです……」


首にかけていたようで、俺はお守りを見せてもらい確認をした。

お守りは綺麗な縫い目で裁縫されており、小さな盾がモチーフのものだ。

女の子からの愛情を感じずにはいられない。


「よし!みんな訓練しようぜ!こいつが的だ!」


「「「いえぇぇぇぇぇぇ!」」」


「いやぁぁぁぁぁぁ!」


俺とルースは食事をするのも後回しにして、断罪者という名のクラスメイトたちともに罰を下す。


「オラオラ!気合入れて防御しないと、怪我するぜ!」


「あははははは!それそれそれ!」


ルースなんか満面の笑みを浮かべ、攻性魔法の属性を使い分けて放っている。

本来ルースの笑顔は可愛いはずなのだが、恐ろしさしか感じない。


「ぬぉぉぉぉぉぉ!俺は俺自身を護る!怪我をしないって約束したんだから!」


グラウンドの中央で防御魔法を展開した裏切り者へ向かって、魔法をぶっ放し続けた。


奴は耐えた、懸命に……


「見事だ……」


全てを防ぎ終わった奴は立ったまま、気絶していた。


「その勇姿を称え、貴様の罪を許そう……」


俺たちは一斉に拍手を送る。

罰を受け終わった友へと……


いや、なにを感動のエンディングみたいにしているのです?


こんなときにいい言葉があるんだ。


一応聞きましょうか?


終わり良ければ総て良し。


過程も大事にしましょうね?マスター?



休暇も残りわずかとなった。

さぁ、新学期の幕開けだ。

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