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「優勝は南チーム!おめでとうございます!」
一回戦を勝利したことで勢いづいたフレアたちは二回戦、最終戦と勝利した。
その結果、全勝で文句なしの優勝を飾ることになり、夕焼けに包まれつつあるコートの中央でインタビューを受けている。
「突然の出場でしたが、結果は見事の一言ですね!相手は経験者ばかりでしたが、今回の勝因はどういったものだと思いますか!?」
「私たちのような変則的な闘い方に、慣れていない相手チームの隙をつけただけです。実際最終戦は対応されてギリギリの勝負でした。最後はクリス先輩の奮闘のおかげです」
その言葉通り、サリアのスピードに陰りが出たのを皮切りに見極められた上に、フレアの攻撃はかわすのに専念され、リーナは素早いパス回しに対応できず仕留められてしまった。
最後はクリス先輩と相手の一対一となり、激しい攻防の末になんとか勝利をあげることができたのだ。
「はぁはぁ……大勝利ぃぃぃ……」
クリス先輩は試合が終わった瞬間、膝から崩れ落ちてしまった。
あれほど疲れているクリス先輩は初めて見たほどで、やはり砂地というのは相当な体力の消費があるのだろう。
「なんとも謙虚な言葉ではありますが、皆さまの日ごろの訓練がなければ勝利はなかったと思います!それでは最後になりますが、一人一人に今のお気持ちを聞かせてください!フレア選手からどうぞ!」
「突然のことではありましたが、私にとって得難い経験を積ませていただきました。応援してくれた皆さんと対戦相手の方に感謝を送らせてください。本当にありがとうございました」
きゃぁぁぁ!フレア様!素敵です!
カッコいぃぃぃ……
まるでお姫様を守る騎士のようだわ……私も守られたい……
フレアにはすっかりと女性ファンがついてしまったようだ。
あまりの黄色い声の多さにフレア自身が戸惑っている様子が窺える。
私も……女の子にあのように騒がれていました……
嬉しくはあるのですが、少し戸惑ってしまうのですよね……
経験者は語るというやつだ。
ファーナからも複雑な想いが伝わってきた。
「ありがとうございました!続いてはリーナ選手!」
「な、なんとか勝つことができました!みなしゃま!応援ありがとうございました!」
可愛い!
噛んで恥ずかしがっている姿が最高だ!
リーナちゃんマジ天使!
リーナには逆に男性ファンが大勢だ。
一人一人目潰ししたいところだが、祝いの場のため自重しよう。
普段でもしないでください。
「なんとも可愛いらしいリーナ選手でした!続いてはサリア選手!」
「つかれた……お風呂入っておふとんで寝たい……」
うふふ、なんだか家で飼ってるワンちゃんみたいね?
お姉ちゃん可愛いよ!
サリアは親子連れに人気だな。
わかりますよ!愛くるしいですものね!
「危うく頭を撫でそうになるところでした!最後はクリス選手!」
「えへへ!みんなで優勝できて本当に嬉しくて、ボクは最高な気分です!」
すごい活躍だったぞ!
クリスお姉様!とっても可愛いです!
お姉ちゃんとってもカッコよかったよ!
クリス先輩は老若男女問わずに、多くの声援を受けている。
全試合で圧倒的な活躍を見せてくれたのだから、当然のことかもしれない。
はい、さすがの一言ですね。
運動能力、反射神経、魔力量、全てにおいて高レベルなものでした。
いまだに成長過程というのが恐ろしくもあります。
まだ成長してんの!?
それはそうでしょう?
マスターやフレアさんたちだけが成長して、クリスさんだけが止まっている訳ではありません。
彼女を追い抜くには、それ以上の速度で成長しなくてはいけませんよ。
はぁ……壁は高くて厚いや……
だからこそ、破りたくなりませんか?
ああ、その気持ちよくわかる。
俺も今以上に頑張らないといけないな。
フレアたちは、優勝の記念品であるクリスタルできた花束の彫刻を全員で受け取り、笑顔を浮かべている。
「夕焼けに照らされて、みんなとっても綺麗だね」
「うん!お姉ちゃんたちとっても綺麗だよ!」
俺の隣ではルースとマリーちゃんも笑顔でその様子を見ていた。
そしてもちろん俺も、
「みんな!おめでとう!」
笑顔で手を振る。
それに気づいてくれたようだ。
全員がこちらを向くと、ピースサインで返してくれる。
思いがけないことから始まった休暇だったが、かけがえのない思い出となることに間違いはない。
俺は確信をもってそう思うのだった。




