夏服に衣替えです!
「朝だっていうのにけっこう暑くなってきたな」
「そうだね。もう夏って感じだよ」
クリス先輩との模擬戦が終わってから数日が経ち、すっかりと体調も元に戻った。
それからいつも通り過ごしているうちに、季節が移り替わろうとしている。
「過ごしやすい季節ももう終わりかぁ……」
「何をだらけている」
「仕方ありませんよ。段々と暑くなってきましたから」
「……あついのいや」
「「……」」
俺とルースがフレアたちの姿を見て、黙り込んだのには訳がある。
昨日まで通常の女子制服だった三人が夏服になっているからだ。
水色と白を基調とした制服に黄色の胸リボンが可愛らしい。
スカートは通常のよりも短めで、生足が良く見えるというナイスな塩梅だ。
サリアは召喚獣であるロゼルに言われているのか、短いスカートの下に黒いスパッツを履いている。
「ふぅ……きもちいい」
俺たちが薄着になった女子たちをじっくりと見ていると、サリアがスカートをパタパタさせて仰ぎ始めた。
「こ、こら!やめんか!はしたない!」
「そうですよ!サリアちゃん!ダメです!」
「なんで?ぱんつは見えないよ?」
「そういう問題ではない!」
「二人ともじっと見ないでください!えっち!」
慌てた二人がサリアのスカートを抑えつつ、リーナには怒られてしまう。
「すまん!」
「ご、ごめん!」
俺たちも慌てながら天井を見上げ、サリアの様子を見ないようにした。
「もうしないから離して」
「……本当に分かったのか?」
「……サリアちゃん、信じますよ?」
「まかせて」
ふぅ……もう大丈夫そうだな。
会話を聞いていた俺とルースは天井に向けた視線を下ろす。
「それ」
ぴらっ。
同時にサリアがスカートを持ち上げてスパッツを見せてきた。
「「おおっ!?」」
当然俺たちの視線はスカートの中身へと向かってしまう。
「サリア!?」
「サリアちゃん!?」
「ふたりとも、顔真っ赤でおもしろい」
サリアのにんまりとした笑顔を始めて見たのだが、なんという小悪魔的なのだろう。
「やめんか!」
「やめなさい!」
「いたい……」
サリアのスカートを持ち上げている手をパシンッと叩くと、残念ながらスカートは元に戻っていった。
マスターたちは下着ではないただの布を見て楽しいのですか?
……分かっていないな。
当然分かりませんが?
スカートの中は男の子にとって神聖な場所なんだ!
そこに何があるかは重要ではない!
ならスカートを履いているのは男性でもいいのですか?
いいわけあるかぁぁぁ!
なぜ怒られるか意味が分かりません!?
もっこりを想像してしまっただろう!?
も、もっこりって!セクハラですよ!?
そんな言葉をどこで覚えた!
ていうか言い出したのはファーナだろ!このむっつり姫!
はぁ!?その発言は許しませんよ!
「そろそろ夏季休暇が始まるが、みんなは何か予定あるのか?」
俺とファーナがぎゃぁぎゃぁと言い合っていると、話が進んでいた。
ファーナ、俺は会話に戻るから。
むっつり姫だけは取り消してください!
分かった、取り消すよ。
それならいいです。
「特にないな。実家に帰ってもうるさいだけだし」
「僕は実家に帰ってこいって言われてるけど、やめておくから予定なしだね」
ルースの家庭は複雑なのだろうか?
困ったように笑っている。
「私は教会に戻ってお手伝いです」
「わたしはなにもない」
リーナ以外は予定はないようだ。
「リーナ、少しだけ日を空けられないか?」
「どうかしましたか?」
「私の家族がオーレリア様にお会いしたいということでカイと私の友人を招待したいと言っているのだが、リーナだけ誘えないというのは気まずいのでな」
「みんなでフレアの実家に旅行か。それは楽しそうだな」
「そうだね」
「わたしもいく」
「うっ!それは、私も行きたいです……」
「まだ日はあるから手紙を出してシスター殿に聞いてみてくれないか?」
「分かりました……」
少し悩むそぶりをみせてリーナはうなずくと、席に戻っていった。
「やはり難しいだろうか……」
生真面目な性格のリーナのことだ。
自分だけが遊びに行くことをお願いするのが心苦しいのだろう。
「ここはみんなで協力しますか」
「協力するのは構わんが、どうするのだ?」
「ええとだな……」
俺は、ちょっとした策をみんなに伝えていった。




