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召喚されたリビングメイルは女騎士のようですが契約しますか? オネガイシマス……マスター  作者: think


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元気な子どもたちですねぇ……

保育園から受けた依頼の日、当日。

俺とリーナは昼食を食べた後、目的地のルードリア保育園へと石畳の道路を歩いて向かっていたのだが、


「良い天気だな」


「そうだね。最近雨が多かったから晴れて良かったよ」


「うん、きもちいい」


後ろに三人の見知った顔がいるのが、なぜだか分からない。

みんなで食事を終えた後に別れたと思ったら、普通についてきている。


「なんでついてきてんの?」


「見学だ。許可も取ってあるし、気にするな」


「やっぱり依頼を受けてみたいけど、どんな風にやるのか見ておきたいし……」


「カイがリーナとイチャイチャするのをフレアと一緒に妨害するため」


「おいサリア!それを言ったらダメじゃないか!」


「……今のはうそ」


その誤魔化し方には無理があると思うが、まあいいや。


「ふふっ……可愛い子がいっぱいいるんだろうなぁ……」


リーナ自身が行き先の子どもたちのことで頭がいっぱいのようだからな。


「ここがルードリア保育園か」


「外からでも子どもたちの元気な声が聞こえますね」


建築年はかなり古そうだが、石材で造られた門は綺麗に磨かれており、石造りで二階建ての建物自体もなんだか暖かみを感じさせる。

きっと街の人に大切にされているのだろう。


俺は入り口にある呼石こせきに手をかざす。

こうすることで建物内にある応石おうせきが来客を知らせてくれる。


「いらっしゃい。あなた達が依頼に応じてくれた学園の生徒さんね?どちらの方が今日召喚獣を披露してくれるのかしら?」


中から門を開けてくれた人はとても優しそうなおばあちゃんだ。

眼鏡にエプロン姿を見ると、ふと懐かしさ感じさせる。


「あっ、はい。自分と」


「わ、私です。よろしくお願いいたします」


「はい、よろしくね。他の方は見学と聞いているのだけど?」


「その通りです。申し訳ないですが、少しお邪魔します」


「わたしは邪魔はしない」


「そ、そういう意味じゃないよ?」


「ふふっ……楽しそうな生徒さんたちが来てくれて嬉しいわ。私はここの園長をしていますキクです。よろしくね」


「こちらこそよろしくお願いします。自分はカイです」


「リーナと申します」


「フレアです」

「僕はルースって言います」

「わたしはサリア」


「はい、みなさん丁寧にありがとう。それじゃあ園児を連れてくるから、お庭で少し待っててね」


キクさんはそう言うと賑やかな建物の中に戻っていった。


「いい人そうでよかったな」


「そうですね。少し緊張していましたが、気が楽になりました」


「ふふっ、緊張していたようには思えんかったがな」


「うん、ニコニコで楽しみにしてたもんね」


「むぅ……すこし嫉妬する」


「サ、サリアちゃんが一番かわいいですよ?」


「そ、それならいい……」


少し不機嫌そうなサリアに慌ててフォローを入れると、サリアは恥ずかしそうに小さく微笑んだ。


「はにゃぁぁぁ!サリアちゃんったらかわいいんだからぁぁぁ!」


サリアのそんな姿にリーナが抱きしめると、フレアも参加する。


「私もサリアが一番可愛いと思っているぞ!?」


「フレアは怖いからいい」


「なぜだぁぁぁ!?」


そんな家族みたいなやり取りに俺とルースが和んでいると、


ドドドドドドドドド!


もの凄い音が響いてきた。


マスター!敵襲です!気をつけてください!


おいおい、ここは保育園だぞ?

そんな物騒な……


「「「どーーーーーーん!!!」」」


「ぐへぇぇぇ!?」


後ろから俺の腰の辺りに何かが飛び込んできた。


「こ、こら!せっかく来てくれたお兄ちゃんにそんなことしたらダメでしょ!?」


「ええーこれくらいかわせると思ったんだけどな?」


「そうそう。召喚師って闘いのプロでしょ?」


「まあでも学生じゃこんなもんかぁ」


散々ないいようだな……

子どものすることだ、そう怒りをこらえながら振り返ると、生意気そ……元気そうな男の子二人と女の子一人が笑っていた。

まったく……大人の対応をしてやるか。


「どぉもぉ……カイですぅ。よろしくねぇ……」


どこが大人の対応なのかはなはだ疑問ですね。


「貝?海にいるやつ?」


「スープに入れるとおいしいよね!」


「ええぇ?俺きらい……」


後ろでフレアたちの笑い声が聞こえてくる。


このガキどもがぁぁぁ!


マスター!落ち着いてください!依頼失敗は学園の信頼に関わりますよ!


くっ……!なんて難易度の高い依頼なんだ!


「ふふっ、みんな元気ですね。私はリーナって言うのですが、みんなのお名前はなんていうのかな?」


リーナは笑顔でしゃがみ込むと、目線を合わせて話しかける。


「エ、エンツ……」


ツンツンで黒髪の少年は照れたように。


「僕はケシムです!」


サラサラの緑髪の少年はとても元気に。


「えへへ、あたしはサーシャ!お姉ちゃんとってもきれいだね!」


「あらあら、ありがとうございます」


茶色のロングヘアの少女はリーナの胸に飛び込んで、抱き着いた。


な、なんだ!?この差は!


人徳ではないでしょうか?


クソォォォ!


俺がそう嘆いていると、


「あの、大丈夫ですか?子どもたちがすいません……」


子どもたちの先生だと思われる女性に声をかけられた。


「……」


一本のみつあみにした長い栗色の髪を肩からほどほどの胸へと流していて、服装はひよこのエプロン姿に動きやすそうなズボン。

そして歳上とは思えないほどの幼さを残しつつも、たしかな大人の美しさを纏っている。


「ど、どうかしましたか?」


「いえ、失礼いたしました。とても可愛らしい子どもたちにびっくりしていただけです。ところで先生のお名前は?」


「ダ、ダリアですが……」


「僕はカイです。よろし……」


「俺らの先生になに色目使ってんだ!」

「さっさと離れろ!」

「そうよ!」


ゲシッ!!!


「いだぁぁぁ!?」


子どもたちの蹴りが俺の足へ攻撃してきた。


ふふふ……キレちまったよ……


ファーナ!出てこい!

このクソガキどもをビビらせてやるんだ!


はぁ……こんな気乗りしない召喚があっていいのでしょうか……


渋々な様子ではありながらも、ファーナの美しい鎧姿が現れた。


「す、すげぇ……」


「カッコイイ……」


「それに、キレイ……」


すげぇ!

いきなりでてきたぜ!

かっけぇ!


他の子どもたちも驚いた様子で声を上げている。


そ、そうですかぁ……?


なに嬉しそうにしてんだよ。


だが、ファーナを見つめていたのもつかの間のこと。


「ねぇ!兜取ってみて!」


マスター、構いませんか?


要望だしな、応えてあげよう。


わかりました。


ファーナが兜を取ると、その下には当然何もない。

その姿に驚くかと思ったが、


「とりゃぁぁぁ!」


あっ!私の兜が!


全く気にもせずにエンツがファーナの手にあった兜をジャンプして奪った。


「こ、こら!返しなさい!」


「やだよぉだ!ほらパス!」


「ほいきた!」


「あたしにもパスパス!」


三人はあっという間に三角形のように距離を取り、クルクルと兜をパス回ししていく。


マスター!目が!目が!回りますぅぅぅ!


「リビングメイルの兜で遊ぶんじゃありません!」


俺はなんとか取り返そうと走り回る。


「カイ君もとっても仲良しになりましたね!」


「仲良しというか……」


「遊ばれてるだけだよね……」


「たのしそう」


「さっさと返さんかぁぁぁ!」


まだまだ始まったばかりだというのに、先が思いやられるのだった。


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