日曜日にお仕事が決まりました!
「結構たくさんの依頼があるんだな」
「そうみたいだね」
朝礼後、掲示板に張り出された依頼の書かれた用紙に多くのクラスメイトが目を通している。
あまりの混雑具合を見て、俺とルースは後からにしようと思っていた。
フレアとサリアも特に動く気配がない中で、一人動いたのがリーナだ。
「うぅ……まったく見れません……」
リーナの桃色のサイドポニーが人だかりの後ろでぴょこぴょこ動いているのを見ると、可哀想ではあるが可愛いと思ってしまう。
「あ、あの……私にも見させてもらえませんか……?」
「リーナちゃん!?おい!リーナちゃんが見たいんだってさ!道を開けろ!」
「「「おう!!!」」」
なんということでしょう……
漢の壁でふさがれていた掲示板前に道ができていきます。
その様子は聖女のお願いによって、封印されていた門が開かれていくように思えます。
何を言っているのですか?
いやおとぎ話の一幕みたいだと思って語り部をやってみた。
相当な暇人ですね。
うるせ。
「あ、ありがとうございます……」
「「「どういたしまして!!!」」」
目の前の出来事に困惑しているリーナだったが、掲示板の前に立つと、
「えーと……」
じっくりと依頼を吟味していく。
そんな姿を見ながら、リーナにぴったりの依頼があればいいなと思っていた。
すると、
「これです!」
どうやら何か見つけたようだ。
そして、勢い良く俺のところまで来ると質問を投げかけてくる。
「カイさんは子ども好きですか!?」
その微妙な質問に教室内がざわつく。
「ま、まあ、嫌いじゃないけど……それがどうしたんだ?」
「保育園からの依頼で、日曜日に召喚獣と園児のふれあいをさせてほしいというものがあるんです。それが召喚師二名の募集でして、よければお付き合いしてほしいと思ったのですが、どうでしょうか?」
「内容は分かったけど、どうして俺なんだ?」
「人型と動物型の召喚獣の募集だったので、カイさんにお願いしました」
そのリーナの言葉でクラスメイトたちは質問の意図を知り、落ち着きを取り戻していく。
なるほど。
フレア、サリア、ルースも動物型だからな。
人型の召喚獣と契約している俺に頼みに来たのか。
……人型?
よくよく考えたら疑問が湧いてきた。
なんですか?
立派な人でしょう?
ただの鎧なんだけど。
人を見た目で判断してはいけないと思います!
こんなにも人間味あふれている鎧が他にありますか!?
いや、ないな。
(自分の欲しいものをねだってくるわ、俺の持っている小説を読んで泣いてることもあるし)
でしょう!?
それじゃあ受けようと思うけど、子ども好きなのか?
……
一番肝心なところで黙ってしまった。
ふれあいっていうのだから遊んだりするのは間違いない。
なので、子ども好きでないと務まらないと思うのだが。
い、いえ……嫌いではありません、苦手なのです……
一緒じゃないか?
違います!
私は大好きなんですよ!?
ただ、生前に赤ちゃんを抱っこさせてもらうことがあったのですが、そのときはひたすら泣かれました……
それに少し大きな子は私を見ると逃げ出すありさまで……
私の深い愛情とは反対に子どもたちに好かれないのです!
なんだか可哀想になってきた……
「カイさん?」
「ああ、ごめんごめん。いろいろとファーナに聞いていたんだけど、子どもに好かれないらしいんだ。それでも大丈夫かな?」
「ファーナさんの鎧姿は綺麗ですから大丈夫だと思いますよ!」
マスター、行きましょう。
リーナさんの手助けをする覚悟はバッチリです!
めちゃくちゃ単純だな。
まあリーナの手助けをしたいのは一緒だし、頑張るとしますか。
はい!
「わかった。いろいろと迷惑かけるかもしれないけどよろしくお願いするよ」
「お任せください!小さな子と仲良くなるのは得意ですから!」
「わかりました。お二人の問題なく依頼を完了することができるでしょう。相手方にはこちらから連絡を入れておきますので、頑張ってくださいね」
「「はい!」」
こうして週末にリーナと依頼をこなすことになった。
初の仕事だが、二人でなら大丈夫だろう。
しかし、このときの俺は日曜日が戦場となることを知らないのだった……
そして当日に俺は思い知らされることになる。
マスターァァァ!?助けてくださぁぁぁい!目が!目がぁぁぁ!?
「こらぁぁぁ!?リビングメイルの兜でキャッチボールしちゃダメでしょぉぉぉ!?」
きゃっきゃっ!
そう、保育園は元気な子どもたちの集まりなのだから。
俺たちにとってはクリス先輩よりも強敵かもしれない……




