フレア対アリシア戦開始です!
フレアとアリシア、お互いに制服姿という軽装で武器も持っていない。
だが、彼女たちの武器は召喚獣そのものである。
「こい!フェザー!レイラン!」
フレアの召喚に応じ、フェニックスと氷竜が出現する。
それに対してアリシアも、
「シアラ、ランサーいらっしゃい」
ペガサスとリビングウェポンのランスを呼び出した。
「「武装変化」」
フレアはフェニックスを紅いライトメイルと武器に変化させ、アリシアは白い重装鎧へとペガサスを変化させ、その手に白の大剣を装備した。
紅い軽装騎士と白い重装騎士。
お互いが準備を完了させる。
そして、
バサッ……
紅白の美しい翼が煌めいた瞬間、二人は突進を始めていた。
速さはフレアの方に軍配が上がった。
中央よりもアリシア側の方で二人はぶつかり合う。
「せいやぁぁぁ!」
フレアの上段からの打ち下ろしはアリシアの大剣にて防がれる。
勢いをつけてのフレアの一撃だったが、アリシアは悠々と笑顔を見せて反撃を繰り出した。
フレアの剣を跳ね上げ、空いた胴に大剣で横薙ぐ。
しかしフレアもすかさずに反応し、後ろへと跳ぶと難なく一閃を躱した。
ここまでは想定通りと言わんばかりに、お互いは笑みを浮かべている。
一旦距離が開いたところに氷竜のブレスがアリシアを襲う。
その氷のブレスを切り裂くように突進するのはリビングウェポンのランスだった。
炎を纏い、一直線に氷竜の口元へと飛んでいく。
「ふんっ!」
ガギィィィィィィン!
突進してくるランスをフレアは打ち上げるように、下から剣を振り上げた。
そのおかげで氷竜の頭部への軌道は逸れて、ランスは空中へと弾き飛ばされた。
だが、振り上げの体勢は大きく隙を見せることになり、そこにアリシアは大剣を一度引くと勢いよく突き出す。
「ギャォォォン!」
その隙をフォローするように氷竜はアリシアの胴に向けて一本の槍のように身体を細め、頭から突っ込んでいく。
「シアラ」
アリシアはペガサスの名前を呼ぶと、左手に盾が現れた。
氷竜はその盾に防がれ、彼女の後方へと逸れていく。
「フェザー」
フレアもまた、自身の召喚獣の名を呼ぶと瞬時にして左手に鳥の頭のような紅い籠手が出現する。
そしてその左手でしっかりとアリシアの大剣を掴むと、その勢いごと後方へ放り投げた。
アリシアは翼をはためかせ、空中で体勢を立て直す。
その瞬間、アリシアの背後からは氷竜が、フレアの背後からはランスが襲いかかってきた。
「ああ……楽しいですね……!」
アリシアは回転するように大剣を振るうと氷竜の身体を打ち、
「ああ!」
フレアもまたそれに応えるようにアリシアに背中を見せた。
そして突進してくるランスを左手の籠手で穂先から受け止めると、氷のように溶かしていく。
フレアの籠手は炎を纏っていて、ランスを融解させているようだ。
一方の氷竜もまた無傷とはいかない。
アリシアの大剣の一撃で、その身体にはヒビが入っている。
ここでお互いに一頭の召喚獣を潰す。
そう思われたが、二人は同時に背中の翼での攻撃を繰り出した。
白い羽毛の羽根。
紅い炎の羽根。
その数は十数本にも及ぶ。
それらは一気に互いに背中を向けている両者へと降り注いだ。
お互いの羽根はぶつかり合い、燃えるようにして消え去っていく中で、数本分の羽根が両者の背中に被弾する。
「ああっ!」
「ぐっ!」
そのため、アリシアは氷竜への追撃を断念し、フレアも手を離さずにはいられなかった。
初撃は同時。
ダメージ量も同じだろうか?
その隙に二人の召喚獣は主の元に戻っていた。
「ふぅ……大丈夫か?レイラン」
「グゥゥゥ……」
「そうか、まだやれるか」
フレアは氷竜の頭を撫でる。
「癒してあげるわ。ランサー」
穂先を失ったランスを癒し、再び復元するとランスは元気に宙を飛び回った。
───観客席───
「ふぃぃぃ……さすがの攻防戦だなぁ……」
「思わず観いちゃったよ……」
「あっという間でしたね!」
「二人ともやるね」
俺たちはようやく一息つけたように感じる。
さすがに一体目の召喚獣との連携はお手のものといったところか。
それに二体目の召喚獣ともなかなかの連携だ。
〔うぅ……私も闘いたいですね!〕
〔まあまあ、観ることも勉強の内だろ?〕
〔そうですが……リュノンと背中を合わせ、呼吸も合わせてみたいです!〕
〔きゅい!〕
〔リュノンもそうですか!?うんうん、しっかりと観戦して勉強しましょうね!〕
〔きゅーい!〕
フレアとアリシアの闘いはまだまだ序盤戦。
これからもじっくりと観させてもらうからな、二人とも。
俺は二人を視界に収めると、闘いの中の短い休憩を終わらせた。
そして再び、互いに剣と剣がぶつかり合うのだった。
ギィィィン!
さあ、新しい闘いの幕が開かれる。




