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召喚されたリビングメイルは女騎士のようですが契約しますか? オネガイシマス……マスター  作者: think


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217/222

最強の一年生です!

さて後は大将の黒髪の男子だな。

俺たちは中央で挨拶をする。


「初めまして。イザナ・ミナギと申します」


そう言って手を差し出す彼は少し変わった格好をしていた。


「よろしく。カイ・グランだ」


ギュッと握った手は柔らかいが、顔に似合わず複数の剣ダコができている。

これは相当剣を振っている手だな。


「知ってます。王都での学生グランプリを見てましたから。決勝戦は痺れました」


「あはは、ありがとう。ところでその格好と武器は珍しいな?」


「これは私たち一族の民族衣装ですね。(はかま)といいます。そしてこれは刀です」


イザナの戦闘服は下は黒いズボンの様に見え、上は白いシャツのようなもので肩まで出している。

それに武器は剣に似ているが全然違う感じがする。

黒い鞘に収まっているそれは直剣ではなく、緩やかに曲がっているからだ。


「出身はこの国なのか?」


「ええ、ボクの生まれは王都の近くですが、ご先祖様は東の国だったと聞いています」


「確か、月影族だったか?」


「よくご存じで、あっ三年生にもいらっしゃいましたね」


「ああ、セツカ先輩だな。ただ王都近くの出身ならアルグランドの方が近いんじゃないか?」


「恥ずかしながらクリス先輩に憧れてまして、どうせならクリス先輩の出身校にしようと思いました。それにカイ先輩の闘いぶりにも憧れを抱いています……えへへ」


ニコリと照れながら笑うイザナ。


くっ……眩しい……


あまりの眩しさにこうして対峙しているだけで圧倒されそうだ。

それに改めて顔を見てみると、首くらいまでの神秘的な黒髪に黒い瞳と整った顔だち。

身長は俺より低いが、そんなことは問題ないくらいだ。


「……女の子にモテるだろ?」


僻み半分、からかい半分で聞いてみる。

イザナは少し赤くなると困ったように笑った。


「そうですね……ただ、少し困るというか……」


ピキッ……


「そうか。それは大変だな……」


〔こいつは敵だ。容赦なくいくぞ〕


〔コロコロと意見が変わりますね〕


〔こいつは俺を怒らせた……〕


〔はぁ……気が乗りませんね〕


「そろそろ指定位置に着いてください」


ルナ先生の催促に従い、俺たちは顔を見合わせた。


「じゃあよろしく……」


「僕も胸を借りるつもりでいかせていただきます!」


そうして指定の位置へ向かう。


「試合開始!」


「来て、カクリヨ」


ルナ先生の声と共に熾天使を召喚をしたイザナからは、先程までの和やかな雰囲気はあっという間に消え去り、静寂が漂う。


〔ファーナ……〕


〔冗談ではなくこちらも全力でいきましょう〕


〔リンクメイル〕


俺はファーナと一体化し様子を見るのだが、


「ふっ!」


イザナは姿勢を前傾に傾けると、まさに翔んできた。

俺はあっという間に距離を詰められる。


なっ!速い!


ファーナが複数の光の剣を出現させて、イザナの体へと向かわせた。

しかしそれに臆することなくさらに加速を増し、こちらに向かってくる。

熾天使もそのスピードに負けず、空中から距離を縮めていた。


俺たちはいよいよ至近距離に達すると、ファーナは剣を呼び出し上段の構えを見せる。

するとイザナは鞘に収まっている刀を、目にも止まらぬ速さで横薙ぎに抜いてきた。


キィィィン!


〔くっ……!〕


ファーナはその刀に対応が遅れるが、なんとか防ぐ。

しかし硬直した状態であるそこに熾天使がランスで突っ込んで来る!


〔シールド展開!〕


その攻撃を冷静にイージスの盾で防ぎ弾き返すと、


〔ファーナ!まずは上から落とすぞ!〕


〔かしこまりました!〕


ファーナは光の翼を展開させると、そのまま熾天使を落としにかかる。

このまま空中戦で分断して攻撃だ。

そう考えたのだが、イザナは俺たちを追って飛んできた!


はあ!?なんで飛べるんだよ!?


正確に言うと飛んでいるのではなく薄い石板の様なものを空中に出現させ、それを足場に向かってくる。

恐らく魔法技術とイザナ自身の体術があってこその芸当だ。


に、人間業じゃねぇ!


「氷風の渦!」


俺はイザナに向けて氷片を纏わせた氷風魔法を放つ。

氷属性と風属性を融合させたものだ。

だがイザナは渦を避けて足場を作り、こちらに飛んでくる。


マジか!?

ただこっちもスピードに慣れたぞ!

イザナが次に石板を現す場所を計算し狙い打つ。


そこだ!


「氷の矢」


速さのみを増幅した一本の氷の矢が、イザナの石板を出現したと同時に打ち砕く。


「なっ!?」


これには予想外だったらしくバランスを崩し、地上へと落ちていく。

それでもなんとか態勢を立て直すとイザナは無事に着地した。


〔今だ!ファーナ!〕


〔いえ!間に合いません!〕


その隙に熾天使を倒しにいくが、地上へと降りたたれイザナと合流する。


「ふう……強いな……」


「先輩こそ……最後の手を使わせてもらいますよ?」


「エンジェルフォーム」


熾天使とイザナは溶け合うように重なっていった。


黒髪だった髪は長い金髪へとなり、熾天使の鎧を纏いその背中には翼がある。

武器は変わらず刀だが、そのスタイルはクリス先輩に良く似ている。


〔おいおいマジか?〕


〔これは、見事ですね〕


イザナはクリス先輩のように笑う。


「いきますよ?先輩」


「上等!」


とにかく速い!


地上でも空中でもその速さは変わらない。

翼のおかげで足場を造る必要もない。

しかしクリス先輩に似ているが闘い方は正反対だ。

クリス先輩が正面からの斬撃を繰り出すのとは別に、イザナは変幻自在。

横からだと思えば背後に周り、正面からだと思えば下から刀がやってくる。


しかし流石はファーナ。

何とか反応し周囲に盾を展開し、防御する。

正面からの斬撃は剣で防ぎ、こちらからも反撃するがイザナの身体を捉えることは難しかった。

だがあちらも決め手がない。

こうなると根比べになってしまう。


何合剣と刀をぶつけ合っただろうか?

だが、終わりは突然やってきた。

よほど無理をしたのだろう。

突然エンジェルフォームが途切れ、イザナはこちらに向かって倒れてきた。


〔ファーナ!リンク解除!〕


〔かしこまりました〕



リンクメイルを解いた俺は何とかイザナの身体を抱き止める。


「試合終了!医療班、担架と水分を!」


流石ルナ先生、状況察知が速い。

これは魔力の使い過ぎによる欠乏症だ。

俺はゆっくりとその場にイザナを寝かせる


「……先輩?」


「全く無茶しすぎだ」


「あはは……楽しくてつい……」


イザナはこんな状況なのに笑って言葉を返す。


「まったく……脱がすぞ」


魔力欠乏症は熱中症に良く似ている。

今は一刻も早く身体を冷やす事が大事だ。


「えっ!?」


「体を冷やさないといけないからな」


「あの……!ボク……!」


なんだかわからんが、上手く動かせないであろう身体でイザナは抵抗してくる。


「大人しくしろ!体力をつかうな!」


下手したら命にも関わる。


「……はい」


イザナは諦めた様に頷いた。


うん?胸に巻いてるのは白い包帯か?こんなん着けてたら苦しいだろうに。

俺は指先から氷の剣を唱え、包帯を切った。

するとプルンと弾けてなんか出た。


うん……なんか……おっきいものが……


俺はすぐさまイザナの上着で身体を隠すと、無表情で氷魔法を唱えてイザナの身体を冷やしていく。

その状況に彼女は真っ赤にしていた。


そうか、女の子でしたか。これは気づきませんで。


ルナ先生は当然知っていたらしく、女性の医療班がやってくる。

俺がイザナの胸を見たであろう現場をルナ先生は確認した。


「カイ君……これは医療行為です。責任は問いませんが、ただ忘れなさいね?」


「あっ、はい……」


そう答えたものの、無理に決まっている。

俺はその日をどう過ごしたかは覚えてない。

覚えているのはただ大きなお山が二つありましたということだけ。


〔マスター……緊急時ですから仕方ないですよ……?私も男の子だと思っていましたし……〕


〔ありがとう……〕


普段は怒るであろうファーナの優しさが痛かった……

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― 新着の感想 ―
 スクープ! 最強の一年生は、女の子だった!!(火暴)  ……まぁ、後でカイには修羅場が待っているだろうけどね。フフフ(含笑)
やっぱイケメンの実は女の子でした……バレは最高だぜ!
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