リュノン育成計画開始です!
授業が終わると、俺は一人でグラウンドへと向かう。
リュノンのトレーニングのためだ。
〔さあ!頑張りましょう!リュノン!ブレス攻撃です!〕
〔きゅい!〕
ゴォォォ……
ジュノンは炎を吐いているが、細いブレスで俺の炎の槍と同じかそれ以下か。
細い……
いやまだまだ!リュノンは成長途中だから!
あっ炎が切れた……
〔リュノン!そんなものですか!?〕
「きゅぅ……」
〔そ、そんな顔しても駄目です!もう少し頑張りましょう!〕
ファーナは意外と教育ママだな。
あんなに可愛がっていたのに、意外だ。
〔次は私に攻撃しなさい!〕
〔きゅい!〕
ドスドス!
リュノンはファーナの半分くらいの身体で突進していくが、
〔そんなものですか!?〕
〔きゅいぃぃぃ!?〕
逆にはね飛ばされる。
〔さあまだまだです!〕
ファーナの言葉にリュノンも諦めずに突進する。
〔容易いものです!〕
だがまたはね飛ばされる。
むう……
厳しいなファーナ……
そのような中でリュノンは再度立ち上がった。
〔きゅいぃぃぃぃぃぃ!〕
しかし突然リュノンの雰囲気が変わる。
ん!?ごっそり魔力を奪われている!
そして白色だった身体は紅く染まり、目も真っ赤に輝き出した。
〔ぎゃぉぉぉぉぉぉ!〕
その状態でリュノンは再度ファーナに突進していく!
〔はぁぁぁ!〕
ファーナは両手で受け止めたが、先ほどのように弾き飛ばすことはできず逆に後ずさる。
「ぎゅい!」
そのままジュノンは爪で攻撃を始めた。
ギィンギィンと両腕がクロスし、ファーナの鎧を傷つけていく。
かすかにではあるが、爪痕が残ってしまっていた。
マジで!?
ジュノンの攻撃力ではファーナの鎧に傷すらつける事ができないはずだが!?
だがその状態は長くは続かなかった。
〔きゅぅぃぃぃ……〕
リュノンの身体は白く戻ると、目もエメラルドグリーンへと戻っていきとさりと地面に倒れた。
そんなジュノンに手を触れて俺は召喚を解く。
〔どうだった?ファーナ〕
〔突然力強くなりましたね。何かスキルが身に付いたのではないでしょうか?〕
〔たぶんそうだな。後で確認するか〔〕
〔だがしかし燃費の悪いやつだ。やっぱりちっさくてもドラゴンなんだな。期待してるぞ!ジュノン!〕
〔きゅぅ……〕
俺の期待感MAXな言葉にリュノンから頼りない返事が返ってきた。
大丈夫かな……?
そしてそれからもリュノンのトレーニングは毎日のように続け、食事も俺の限界ギリギリの魔力量まで与えた。
そのおかげで、毎日が疲労困憊である。
そのような中でもトレーニングを怠らず、今日もグラウンドでリュノンは頑張っている。
それにファーナも流石に元騎士団長、勝手は違うが訓練の仕方には慣れているようでリュノンはひたすらに体力強化に務めていた。
〔きゅぅい!〕
〔なかなかやりますね!その調子です!〕
ドスドスとマラソンをする姿に俺は剣を振りつつ、応援の言葉を送るのだった。
その結果。
リュノンもドラゴンの子供ということもあり、メキメキ成長していっているようだ。
リーディング
夜にジュノンを呼び成長確認をする。
しかしまあ、たった一週間で大きくなったな……
ファーナの半分くらいだった体長差も胸くらいまでには縮まってきている。
攻撃 800
防御 600
素早さ 500
魔力 400
スキル
火炎
成長促進
激怒
剛爪
称号
ドラゴンの子
愛されしもの
〔おおスキルが二つも増えてステータスも上がってる!強くなったな!えらい、えらいぞ!〕
俺はリュノンの頭を撫でてやる。
〔きゅい!〕
ドスッ!
リュノンは嬉しそうに抱きついてくるがその勢いはもはや突進に近い……
二本足で突進されたために胸と腹の間に口があたる。
「ぐふっ!」
そしてペロペロとなめてくる。
〔ははっ……まだまだ子供だな……〕
〔マスター!甘やかさないでください!まだまだトレーニング途中なのですから!〕
〔そうは言うけど結構ハードだぞ。ファーナのトレーニングは〕
〔当たり前です!トレーニングがハードでなければ意味がありませんから!〕
〔しかしだな、たまには褒めてあげないと。褒めることも大事だぞ?よしよし〕
〔きゅいきゅい!〕
〔ほら喜んでる〕
〔そんな事でいいんですか!?模擬戦もありますし!学生グランプリにも出るのではないのですか!?〕
〔うっ……それは勝ちたいし、出たいけどさ……〕
〔そうです!だから心を鬼にして今は特訓を行うんです!〕
〔でも即戦力にはならないリュノンを選んだのはファーナだよな?〕
〔そうですが?〕
〔ならジュノンの分までファーナが闘うというのが筋じゃないか?〕
〔うっ……まあ一理はありますね……〕
〔だからまあゆっくり育てて、成長させてあげればいいじゃないか?〕
〔しかし吸収力が高い内に訓練させて戦力になってもらう方がいいのではないですか?〕
〔戦力といってもまだまだだぞ?維持コストはまだ高いし、スキルの激怒なんか使ったらあっという間に魔力がジリ貧になりかねないし〕
〔ですが……他の皆さんも強くなっている以上、やはり戦力としての保険は欲しいと思います〕
〔強くはなっているとは思うけどさ、俺とファーナならまだいけるだろ?あのクリス先輩に勝ったんだぜ。俺達以上のコンビに勝てるトリオはまだいないと思うぞ?〕
〔マスター……〕
〔それにジュノンがションボリしてるしな〕
部屋の隅で丸くなるリュノン。
きっと自分のことを言われているとわかっているのだろう。
〔ああ!そんなに落ち込まないで!〕
チラッとこちらを見るリュノン。
〔そうですね……私は焦り過ぎていたのかもしれません……〕
〔まあジュノンも強くなってる。それにファーナと俺のコンビは強い。それで当分は頑張って行こうぜ?〕
〔きゅい!きゅぅい!〕
〔リュノンも頑張るってさ〕
〔分かりました……これからも少しづつ頑張っていきましょう!リュノンを選んだ身として、責任を取らせてもらいます!マスターも私もリュノンも!頑張っていきますよ!〕
こうしてリュノン育成計画はつまずきながらも、ゆっくりと確実に進行していくのだった。




