ミニドラをリーディングです!
召喚を終えた日の夜。
俺は自室に戻るとミニドラにリーディングをかける。
どれどれ。
「きゅぅい?」
不思議そうにするミニドラに見つめながら、脳内にステータスが浮かんでくる。
種族 ホーリードラゴン オス
攻撃 300
防御200
素早さ200
魔力100
スキル
小さな炎
成長促進
称号
ドラゴンの子
大喰らい
〔おお、リーディングの習得値が上がったようで種族名や性別も現れるようになったな〕
〔ふむふむ、ホーリードラゴンですか。聖なる竜ということで身体が白いんですかね〕
〔そのおかげか、初期のファーナよりは強いな〕
〔あの頃はまだただのリビングメイルでしたからね〕
「きゅーい!きゅーい!」
〔なんだかお願いしているみたいだな?〕
〔お腹が空いたのでは?〕
〔なるほど。だが、食事はもう終わっているんだけどな……〕
〔ルナ先生も言っていましたが、魔力を与えてみてはどうですか?〕
〔どうやって?〕
〔指先に魔力を込めて、ミニドラの口に与えてみてはどうですか?〕
〔ふむ……こうかな?〕
俺はミニドラの口先に魔力を込めた自分の指先を差し出した。
「きゅい!きゅい!」
どうやら正解だったようで、ミニドラは俺の指をくわえ込んだ。
「ほほほ、ゆっくりお食べ」
〔なんだか言い方が気持ち悪いですね〕
まるでミルクを求める赤ちゃんのように俺の指をくわえるミニドラ。
最初はその可愛さに酔いしれていたのだが……
「ぬぉぉぉぉぉぉ!ごっそり吸われていくぅぅぅ!」
まるでファーナとリンクスタイルをしてフルバーストで空を飛んでいた時のようにギュンギュン吸われていく。
〔よく食べる子は成長すると言いますから、きっと大きくなるでしょう!〕
「そんな生易しいもんじゃねぇぞ!あっ!ダメ!切れちゃう!魔力切れちゃうぅぅぅ!」
俺は魔力切れ寸前にミニドラから指を抜いた。
「きゅーい!」
それに怒ったのか、ミニドラは恨めしそうに睨んでくる。
「これ以上は無理なの!また明日!」
「きゅぅぅぅ……」
ミニドラはしょんぼりした様子を見せたが、俺は召喚を解いた。
ひぃぃぃ……ぶっ倒れるとこだった……
俺はベッドの上に横になると、そのまま睡眠の体勢に入る。
〔これから毎日、ちゃんとご飯をあげてくださいね?〕
〔毎日!?〕
〔それはそうでしょう?マスターも毎日食事を摂るのですから〕
〔子育てって、大変なんだな……〕
〔そうですね。こちらでは私があやしているのでお任せください。ところでこの子の名前はどうしますか?〕
〔そうだな……〕
〔赤ちゃんだからではなく大人になっても通じる名前がいいですね。とはいえ可愛さも含みつつも男の子みたいですし、カッコいい名前を希望します〕
めちゃくちゃハードルあげてくるやん。
うぅぅぅん……
〔リュノンなんてどうだ?可愛い響きもあるし、カッコいいだろ?〕
〔そうですね!あなたは今日からリュノンです!〕
〔きゅぃぃぃ!〕
〔リュノンも喜んでいるようですよ!〕
〔そうか……それならよかった……〕
そこで俺は睡魔に襲われていった。
そして深い深い眠りへと誘われていくのだった。
「めちゃくちゃ……疲れが残ってる……」
翌日、俺は魔力を使い過ぎた疲労感が残っているようで寝起きはあまりよろしくない。
だが、それでも授業はあるので俺は重い身体で制服へと着替えていった。
「おはようカイ……ってすごい眠そうだね?」
「ああ、ルースか……」
教室へとやってきた俺にルースが声をかけてきたが、俺の顔を見て驚いた様子を見せる。
「昨日召喚したミニドラ、リュノンって名付けたんだけどそいつが大食いでな……魔力をごっそりと吸われたんだ……というか今も召喚していないのにちょこちょこ吸われている気がする……」
「それは大変だね……」
「ああ……今はファーナが遊んでいるらしいけど、あちこち走り回って大変みたいだ……」
「そんな調子で大丈夫?もう少ししたら一年生との模擬戦もあるんだよ?」
「そうだった……まあ一年生なら本調子じゃなくても大丈夫だろう?」
本来ならば一年生と二年生では地力が違い過ぎる。
去年もいわば初見殺しで勝ったようなものだしな。
「そうかな?相手はゼルウェル先生が見る一年生だし、ちょっと怖いかもよ?」
「そう言われてみれば、そうだな……」
ゼルウェル先生も伸ばせる子はみっちりと伸ばすタイプのようだし、ノエリーアと黒髪の少年は気になる。
「それに、僕たちにも勝てないよ?そんなことじゃ」
ルースは思いっきり俺に挑戦的な視線をぶつけてきた。
「初速は遅いかもしれないけど、リュノンには可能性がある。それまではファーナと二人で叩きのめしてやるよ」
「その言葉、覚えておくからね」
ルースは楽しそうに微笑むと、自分の席へと戻っていった。
〔よし!頑張ろうな、ファーナ!〕
〔リュノン!待って!待ってください!〕
〔きゅいきゅい!〕
もしかしたら、もうダメかもしれない。
そう思う朝だった。




