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召喚されたリビングメイルは女騎士のようですが契約しますか? オネガイシマス……マスター  作者: think


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帰ってきてすぐにトレーニングです!

「にーちゃんたち!またね!」


「ああ、またな!」


出発の朝、教会の前で俺たちは子どもたちとの別れの挨拶をしていた。


「リーナ、学園生活を楽しんでいらっしゃい。お金のことは気にしないでいいから」


「いいえ、学生とはいえお金を稼ぐ方法もあるので、しっかりと送らせてもらいます」


「もぉ……あなたは頑固なんだから……わかったわ。でも楽しむことも覚えておいてね?」


「もちろんです!毎日がとても楽しいですから!」


「それならいいわ。女神様の祝福がありますように」


セレナさんはギュッとリーナを抱きしめる。

そんな微笑ましい光景に目を奪われていると、


「みなさんも祝福を受けていかれますか?」


セレナさんと目があった。


「ぜひとも!」


俺も抱擁してもらえる。

とそう思ったのだが、


「カイ君には私が祝福してあげます!」


リーナがギュッと手を握ってきた。

柔らかい手はほんのりと温かい。


「にーちゃんたちラブラブなんだな!」


トムスの言葉にリーナはハッとなってすぐに距離を取った。

その仕草に俺も照れてしまう。


「べ、別にそういうのじゃありません!」


「うふふ、ゆっくりしていると馬車に乗り遅れますよ?」


「急ぎましょう!ほら行きますよ!みなさん!」


「ああ、出発しよう。だが、先ほどの行為の言い訳も聞かせてもらうからな?」


「手を握るのはズルい」


「ボクも握ってみたいなぁ……」


「あれは勢いでやってしまったもので深い意味はありませんから!」


「それじゃみんな!元気でな!」

「またね!」


リーナたちが先に歩みを進めていく中で、俺とルースがセレナさんたちに手を振った。


「「「ばいばーい!」」」


すると大きな声でさよならの言葉をもらった。

先行するリーナたちもその声に気づくと、大きく手を振って返す。

楽しい日々をありがとう。

そう思いつつ、馬車乗り場へと進んでいった。


そうしてフェルンでの日程を過ごした俺たちはルードリアへと帰ってきた。

久しぶりといった感覚はそれほどでもないが、帰ってきたんだなという感覚はある。

ただ、始業式まではもう少しだけ余裕があり、俺は自室ベッドに寝転がりどう過ごすか考えていた。


さてどうしたものか?


〔トレーニングあるのみです。せっかくプリンセシオンの元に帰ってきたのですから、彼女を振るう練習をしましょう〕


いつの間にか以前に購入した長剣が女の子になっている。


〔女の子だったのか?〕


〔私が持つのだから女の子でしょう?〕



〔そんな当然ですみたいな言い方されても困るんだけど……まあいいか。少し身体がなまっているのも事実だし学園の運動場に行くか〕


〔トレーニング!トレーニング!プリンセシオン行きますよ!〕


まるで子どものような喜びように、俺は苦笑しながら部屋の片隅に立て掛けていた長剣を握る。


ズシッ……


その重量、確かに女の子一人分くらいはありそうだなと思いつつ、鞘を肩に乗せると部屋を出ていった。

そして寮を出て、学園に入るとトンカントンカンと工事の音が聞こえてくる。


そういえば修繕するって言っていたっけ。

寮もトイレや風呂場、食堂などの設備が綺麗になっていたし、嬉しい限りだ。


〔学生グランプリ、優勝してよかったな〕


〔来年も目指せ優勝ですよ!〕


〔まず代表戦が一番キツイかもな。フレアたちに勝つことだって大変だし、アルグランド学園にはアリシアもいるしな〕


〔ふふん!私がいる限りマスターを負けさせる訳にはいきませんよ!〕


頼りになる相棒だこと。


そんな会話をしつつ運動場の土の上に立つと、プリンセシオンを鞘から引き抜いた。

その重みは相当ではあるものの、鍛えてきたおかげでしっかりと両手で構えることができた。


〔それでは素振り一万本です!〕


〔多すぎ多すぎ。まあ数は決めずにゆっくりやろうぜ?〕


〔甘い、と言いたいところですがいいでしょう。量より質ということでしっかりと振ってください?〕


〔あいよ〕


俺は思いっきり剣を上段に構えると、思いっきり剣を振り下ろす。


ヴゥゥゥン!


風を引き裂くような鋭い音が聞こえてくる。


〔ふむふむ。なかなか様になってきましたね〕


〔目指すタイプは剣士タイプじゃなかったなんだけど〕


〔何を言いますか。剣も魔法使えて遠近関係なく闘いに挑める。これこそ万能たる騎士のスタイルです〕


〔まあ近接はファーナにお任せということで〕


〔いずれはマスターと並んで闘いたいものですねぇ……〕


〔今はすっぽりとファーナの中に収まっているだけだからな〕


俺は雑談をしつつも、剣を振るう。


パチパチパチパチ。


そんなとき、拍手の音が聞こえてきた。


「クリス先輩」


「やあ、カイ君もトレーニングみたいだね」


クリス先輩も体操着で剣を持っている。


「ええ、ファーナがトレーニングしましょうってうるさいもので」


「いい召喚獣さんだね。ボクも一緒に素振りしてもいいかな?」


「もちろんです」


クリス先輩は俺の隣に位置すると、鞘から剣を抜き正面に構えた。

そして横薙ぎに一閃。

その動きを辛うじて捉えることができた。


「相変わらず鋭い一閃ですね」


「見えるようになったら大したものだよ」


「なんとかギリギリですけどね」


そうして俺たちは思い思いに剣を振る。


「もう少しでボク、卒業なんだよね」


「……そうですね」


春がきたら、クリス先輩は卒業してしまう。

その事実が近づいてきている。


「こんど模擬戦しない?最後の模擬戦」


クリス先輩とは二戦二分ではっきりとした勝敗は着いていない。

それも五分という時間制限のおかげであるが、よくやれている方だと思う。


「いいですよ」


「全力で来てほしいな。使えるんでしょ?ファーナさんと入れ替わる君にとって最強の技」


「それじゃクリス先輩も戦天使で来てくださいよ?」


「へぇ?そこまで求めちゃう?」


「ファーナもそうでないと不機嫌になると思いますから」


〔やるならば全力です!〕


「わかったよ。ボクの持つ全力で挑むと約束する」


クリス先輩はそう言うと手を差し出してきた。

俺はの手をしっかりと握る。

冷たいその手は大きな剣を振るうには小さな手だった。


「そういえばクリス先輩の三体目の召喚獣はいったい何なんですか?」


「あはは、まだまだ育成中の子だよ?」


「育成中とかあるんですか?」


「召喚獣だって成長するからね。ファーナさんだって強くなってるでしょ?」


「ええ、そうですね」


「ボクの契約した三体目は生まれたばかりみたいな子だったからね。まだまだ戦闘には向かないんだ」


「よくそういった召喚獣と契約しましたね?」


「だって最初から強い子よりも一緒に成長した子の方が良いなと思ったんだ。だからその子にしたの」


「へぇ……どんな召喚獣なんですか?」


「うーん……秘密にしておこうかな。カイ君といつか再戦することになったらお披露目してあげる」


クリス先輩はいたずらっぽく笑う。

こう見れば歳上の女の人だとは思えないな。


「わかりました。そのときを楽しみにしています」


「うん。ボクも楽しみにしているよ」


こうして俺とクリス先輩の再戦が決まった。

三戦目である最後の模擬戦だ。

それも今度は本気のクリス先輩と闘うことになる。


〔ファーナ、ご指名だぞ〕


〔ええ、思う存分に力を見せてあげます。マスターも魔力上昇のトレーニングをお忘れなきように〕


〔ああ、了解だ〕


新学期すぐに、特別なイベントとなりそうだ。

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