ファーナとお風呂です!
「ふぅ……やはりお湯に浸かるのは良きものです……」
〔バレないようにしてくれよな〕
〔まあまあマスター、こんな深夜に入ってくる人なんていませんよ〕
どうしてもと言われてファーナとリンクスタイルで身体を入れ替え、俺というかファーナは女風呂の湯に浸かっている。
〔それにしてもリンク切っていなくていいのか?俺はもう眠たいのだけど?〕
〔何を言っているのですか?この際ですからリンクした状態での感覚も味わってください。なんとなく実体感とは違うでしょう?〕
〔ああ、なんというか説明しづらいけど気持ちよくはあるんだけど、やっぱり自分の感覚ではないような気がするな〕
〔そうなんですよね。ですのでたまにはこうやって解放してくれてもいいと思います〕
〔まったく、要望の多い召喚獣だこと〕
〔魔力コストは低い方だと思いますよ〕
〔そういう意味じゃないんだよなぁ……〕
ぴちょん。
俺が頭を悩ませていたときに、背後で水音が鳴った。
「ひぃっ!?」
そのことに思いっきり声を出して、振り返るファーナ。
もしかして……
〔怖いのダメなのか?〕
〔べ、べべべ別に!?そういうわけではありませんが!?〕
〔いやまったくもってごまかせてないが?〕
〔さてと!ゆっくり浸かるとしますか!〕
〔意外だな。幽霊とかダメなタイプなのか?〕
〔誰もそんなことは言っていないでしょう!〕
〔まあ夜の学校というか、大きな建物って不気味な一面があるからな。知ってるか?ルードリア学園にも怖い話があってだな?〕
〔私にそんなこと聞かせないでください!〕
〔なんで?苦手じゃないんだろ?〕
〔ああもう!苦手ですよ!怖いですよ!これで満足ですか!〕
〔自分が幽霊みたいなもんなのに耐性ないんだ?〕
〔誰が幽霊ですか!こう見えてちゃんとしたボディに魂があるのでしっかり生物なんです!〕
〔まあそう言われてみればそうか〕
なんとなく納得した俺はその後話す話題も無くなり、念話をやめた。
〔ちょっとマスター……急に黙らないでくださいよ……〕
〔そうは言うけど話題もないし、ファーナもゆっくり休めないだろ?〕
〔静まり返った方が不気味なんですよ!なにか喋ってください!〕
〔そうだなぁ……ちょっと下見て?〕
〔下?〕
ファーナが下を向くと程よい双丘がお湯の中でたゆたっていた。
〔ほう……〕
〔誰がセクハラをしろと言いましたか!〕
〔だって興味あったんだもん!〕
〔なにがもんですか!この変態!〕
〔じゃあリンク切ればいいだろ!こっちは眠くてしょうがないなんだよ!〕
〔そうですかそうですか!お望み通り切って差し上げますよ!〕
ぶつん。
ファーナはカイとの意識の共有を遮断した。
すると、途端に周囲が静かになっていく。
「ふ、ふん……清々しました……」
ちゃぽんと自分が水音を鳴らすと、それはやけに大きく響き彼女の身体に寒気が走った。
「ふぅんふぅん♪とっても気持ちいいなぁ♪」
鼻歌でごまかしてみたものの、自分の声しか聞こえてこない。
〔マスター!マスター!やっぱり戻ってきてください!怖いです!〕
リンクを復活したが、カイは既に眠ってしまったようで返事はない。
〔うぅ……もう出てしまいましょうか……〕
そう思い始めたが、薄暗い脱衣所に一人で向かうのも嫌だ。
ならばもう少しゆっくりとお湯に浸かっていよう。
「ふぅ……」
それにしても、気持ちがいい……
ファーナはふと下を見てみると、自分の身体が目に入った。
マスターに見られてしまいました……
どのような感想を抱いたのでしょうか?
サリアさんやクリスさんのように豊満ではないので、それほどの驚きはなかったように思いますが……
モミモミ。
自分で胸を揉んでみると、程よい感覚が伝わってくる。
わ、悪くはないと思いますが、あの二人と比べてしまうとボリューム不足否めませんね……
なんとなくショックを感じ、ため息を吐く。
すると、
〔……リンクはちゃんと切ってからそういうことしてくれる?〕
カイからの念話がきた。
〔なっ!マスター!いつから起きて!?〕
〔呼ばれたときから。黙って反応見ていただけ〕
〔黙ってないでくださいよ!〕
〔わ、悪かったって……ほらそろそろ出ようぜ?〕
〔むぅ……ちゃんとお話ししてくださいね?〕
〔わかったよ〕
ファーナは湯船から上がると、脱衣所へと向かっていった。
そこで全身をくまなくタオルで拭う間、ひたすらカイと他愛もないことを話す。
そして着替えを終えると、脱衣所を出て廊下を歩いていく。
〔うぅ……寒いし怖いですぅ……〕
〔それじゃ身体を切り替えようぜ。このまま歩いて誰かに見られても困るし〕
〔そうですね……〕
ファーナは鎧を纏い、再び鎧を解除するとカイの姿に戻っていた。
〔やっぱりこうしている方が落ち着きます〕
〔ああ、俺もそうだよ〕
〔それではマスター、私はもう寝ますのであまり夜更かししてはいけませんよ?〕
〔誰のせいで夜更かししてると思ってるんだ?〕
〔お休みなさい〕
ファーナはそう言うとリンクを切った。
まったく、とんだわがままお姫様だこと。
ほんのりと温かい自分の身体に寒さを感じつつ、カイは自分の部屋へと戻り眠りにつくのだった。




