ドッペルゲンガー
「自己像幻視と呼ばれている現象。第三者が目撃する、同じ人物が同時に別の場所に姿を現す現象。それを統合してドッペルゲンガーと呼称される。しかしー。一見、同じ様な現象に見えて、各種が違う現象だとしたら…。」
そう言うと、倉木は鞄からペンとノートを取り出しー。
机の上に広げた。そして言葉を書き込みながらー。
言葉を構築していった。
「【妄想性人物誤認症候群】と呼ばれる精神疾患があってね。其れは大きく分けると4種類に分けられるんだよ。」
【カプグラ症候群】
自分にとっての大切な人物を偽物と認識する事。
【フレゴリの錯覚】
他人を大切な人と認識する事。
【相互変身症候群】
自分にとっての大切な人物が別人に変身すると認識する事。
【自己分身症候群】
他人を自己の分身と認識する事。
「この精神疾患の妄想の対象は、人物だけでは無くて【場所】【物体】【時間】等に対しても起きる…。」
文字を、そこ迄書くとノートの中央に線引きをした。
そしてー。
更に言葉を書き込みながらー。
言葉を構築する。
【集団性心因性疾患】
「これは俗に云う集団ヒステリーの事だね。多数の人物に身体症状、精神症状が伝播する。通常は親密な関係を築いている小集団内で起こるのだけれども、稀に集団以外の人に伝播する事もあるんだよ。突発的に同じ異常な行動を呈し,発端者が不明の場合もあるし、報道によって相互に面識の無い人々に似た様な症状が伝播する事もあるんだ…。」
倉木は言葉を吐き終えるとー。
少しだけ姿勢を伸ばしたのだった。