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さようなら。愛しい人…。
魂を失った怪物になった筈なのに…。
誰も傷付けなくはなかった…。
羨ましくて。妬ましくて。仕方ないのに…。
誰も傷付けなくはなかったんだ…。
それなのに…。
それだから?
私は心が傷付いた。
辛いです。苦しいです。
いっその事、死にたいです。
でも…。
忘れられたくは無いのです…。
どうしたら私を覚えていてくれますか?
どうしたら私を忘れずにいてくれますか?
もしー。
私が死んでしまったのなら…。
貴方は覚えていてくれますか?
貴方は忘れずにいてくれますか?
だとしたらー。
私は死んでも構わないです。
愛する貴方に覚えていてもらえるのなら…。
激痛の走る足でー。
貴方の住む団地の隣の棟へと向かう。
屋上から飛び降りればー。
貴方は気付いてくれますか?
私はー。
もう…。生きる気力はありません…。
「さようなら。」




