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捻れる思考


心が朽ちていくと…。

何となく腐敗臭がした。

あぁ。心も腐っていくのだなぁ…。と思った事をー。

今でも覚えている。


それでもー。

私は高野くんに会いたくて仕方なくて…。

最後の希望として高野くんの家へと向かったのだった…。


歩く度に足にー。

【ナイフで抉られる】様な激痛が走る。

それでもー。

会いたくて仕方なくて…。

激痛に耐えながら歩いていると…。

街ゆく人には幸福が溢れていた。

羨ましくて。妬ましくて。

それでもー。

私は歩いていく。


ふと路地裏からー。

高野くんが出てきた…。

私は遠くから声をかけようとした…。

でも私の声は言葉としては出ない。

出たのは獣の様な唸り声。


そしてー。

私は見てしまう…。

高野くんの手を握りながら笑顔で歩く、綺麗な人…。


あぁ。

羨ましい…。

妬ましい…。



嫌だ。イヤだ。厭だよ…。

プツンと心の中で糸が切れた様な音がしてー。

何故か…。

【人魚姫】の物語の1部が浮かんできた。


人間は短命でー。

人魚は300年生きられると云う。

死ねば泡となって消えてしまう人魚。

何故、人間は泡となって消えないのか…。

其れはー。

人間は魂と云うモノを持っていてー。

死ねば天国に行くのだと云う。


私の心は腐敗している…。



其れを手に入れるにはどうしたらいいのか…。

「人間が人魚を愛して結婚してくれれば可能」

だけどー。

「【全く異形の人間】が人魚を愛する事は無い」


そう。ほぼ不可能な事だ…。


私は【呪い】をかけられている。


人魚に…。

マーメイドに…。

戻れる方法って何だったっけ?



【ナイフで刺して、愛する人の返り血を浴びる事】

深く暗い海の底からー。

そんな声がした。



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